都道府県の魅力度のランキング調査で、7年連続で全国最下位だった茨城県。ことしの調査では、42位に順位を上げました。

依然として微妙な順位かもしれませんが、茨城県にとって“ビリ県”脱出は悲願でした。

茨城県が魅力度を上げた秘密は、どこにあったのでしょうか。

【悲願だった“ビリ県”脱出】

都道府県の魅力度ランキングは、民間の調査会社「ブランド総合研究所」が毎年インターネットを通じて調査して、発表しています。

魅力度や認知度、地域のイメージなど84項目について質問する調査で、ことしは全国の20代から70代の男女およそ3万人から回答がありました。

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茨城県の職員たちが見守るなか、今月14日、その結果が発表されました。

ことしの茨城県の魅力度は、去年から5つ上がって42位。7連続だった最下位をついに脱出しました。

都道府県の魅力度の調査が平成21年に始まってから最高でも46位だったので、42位は過去最高の順位です。

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「僕は常に1位を目指しているんで42位という結果は全然満足できないが、これまでの調査でほとんど47位だったことをみれば、よかったかなと言えるんじゃないでしょうか」(茨城県 大井川和彦知事)

【ただのイメージアップ戦略、やめます】

なぜ魅力度が上がったのでしょうか。
その答えは、茨城県が情報発信のやり方を変えたことにありました。

3年前まで展開していたのが、県内出身のタレントなどを起用したイメージアップ作戦。「なめんなよ❤いばらき県」や「のびしろ日本一。いばらき県」など“ビリ県”を逆手にとったキャッチコピーで、注目を集めようとしていました。

しかし、ランキングの結果を見ると、あまり効果があったとは言えません。

そこで茨城県が取り組んだのが、「好きな人には“刺さる”」情報発信です。

【作戦:ピンポイントで情報発信】

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2年前には、架空のキャラクターがネット動画を発信する「バーチャルユーチューバー」の人気に目を付け、全国の自治体では初めて、公認バーチャルユーチューバーの「茨ひより」さんを作り、茨城の魅力を紹介する動画の配信を始めました。

最近では、世界的なヒットとなったニンテンドースイッチのゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」に注目し、茨ひよりさんがこのゲームを楽しむ動画を投稿しています。

ゲームでは島を自由にデザインできますが、その島に「袋田の滝」など県内の観光名所を作り、島を「茨城県」にしようというものです。
人気のゲームをきっかけに茨城県を知ってもらうというねらいです。


【作戦:メディアへの露出を狙え】

さらに茨城県が力を入れているのが、メディアに取り上げられるようなタイムリーな情報発信です。

メロンの生産量全国1位を誇る茨城県、初夏はメロン狩りが観光の大きなセールスポイントですが、ことしは新型コロナウイルスの影響で観光客を呼ぶことができませんでした。

そこで、茨城県が企画したのが、オンラインによるメロン狩り。この様子はテレビや新聞、インターネットの記事などで全国に広く報じられました。
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テレビや新聞、それにインターネットなどで取り上げられた茨城県発信の話題を、広告代理店が広告費に換算したデータです。
その金額は年々増加し、去年は123億円に上りました。

実際の広告費の予算は約4300万円だったので、効果は300倍にもなりました。

【新型コロナ どう乗り越える】

しかし、新型コロナウイルスの影響で、魅力度アップ作戦のかじ取りは難しいものになっています。

そこで茨城県は「3密」を避けて楽しめる、野外での観光のPRに乗り出しました。
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筑波山や霞ヶ浦を巡るサイクリングロード「つくば霞ヶ浦りんりんロード」を活用した自転車による観光や、キャンプなどのアウトドアの観光です。

感染対策を徹底しながら、どう観光を盛り上げるのか。どの都道府県も抱える課題に対して、茨城県がいち早く新しい取り組みを展開することができれば、さらに魅力が増し、大井川知事が目指す“魅力度1位”に近づけるかもしれません。


取材:鈴木瞬 記者

 

 

 

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