子どもから大人まで多くの人に愛されている、茨城県のご当地ヒーロー「イバライガー」。その活動を子どもの頃から続けてきた若者がいます。
彼は新たな目標を胸に、この夏をヒーローとして活躍する最後にしようと決意していましたが、新型コロナウイルスの影響でショーが軒並み中止となり、活躍の場を失ってしまいました。
支えてくれたファンになんとか感謝の思いを伝えたい。奮闘する若者の夏を追いました。

 

【“イバライガー” その正体は】

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茨城県を盛り上げるために戦う正義のヒーロー、「イバライガー」。ショーでは子どもから大人まで、夢中でイバライガーを応援します。

そんなヒーローを演じているのは、高校3年生の卯都木蓮さん。13年前に企画を立ち上げた父親とともに、イバライガーの活動を続けてきました。

「ダメだ、元気ないなと思う時でも、イバライガーを見て元気が出たら、それも一つの救いですよね。この仕事に携われてよかったなって思います」(卯都木蓮さん)

 

【ヒーローの新たな夢】

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4歳のころからショーに出演していた卯都木さん。小さな体から激しいアクションを次々と繰り出し、長年、チームの中心として活躍してきました。

ヒーローとしての活動を続けるうちに、卯都木さんは将来、「救急救命士」として人の命を救う最前線に立ちたいと考えるようになりました。

その夢をかなえるため卯都木さんは、イバライガーとしての活動に一区切りを付け、受験勉強に専念することを決意。この夏は、ヒーローとしての集大成を披露する特別な夏になるはずでした。

しかし、新型コロナウイルスの影響で、ショーやイベントは軒並み中止に。イバライガーの存続さえ危ぶまれる状況になってしまいました。

「夏休みは全力をイバライガーに注いで受験に挑もうと思っていたんですけど、コロナがあって、ファンの人ともなかなか交流できない日々が続いて。自分は何をしたらいいのかなって、考えちゃいましたね」(卯都木蓮さん)

 

【ヒーローを支えたのは】

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途方に暮れていたヒーローを力づけたのは、ファンの熱いエールでした。イバライガーの活動に必要な物資や応援の手紙が次々に届いたのです。

もう一度立ち上がり、ファンに感謝を伝えたい。卯都木さんたちは自分たちの手で、この夏一度かぎりのショーを開くことを決めました。

遠方のファンに向けて、映像は生配信することに。脚本も、新型コロナウイルスについても盛り込んで、新作を書き下ろしました。待っているファンのために、稽古にも熱が入ります。

「この半年間空いた中で、いろいろな人に助けてもらった。自分なりの力は全部出して、楽しんでいってもらいたいですね」(卯都木蓮さん)

 

【ヒーロー 復活!!】

そして迎えた、ショー当日。手指の消毒などのウイルス対策を取って開場すると、待ちわびていたファンが駆けつけました。

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ついに、イバライガー復活!ブランクを感じさせないこん身のアクションに、子どもたちも夢中で声援を送ります。

困難に負けず、ファンのため、そしてみずからのために戦うイバライガー。見事に悪を倒し、茨城の平和はきょうも守られました。

「『イバライガー!』と応援されると、自分自身も暑い中やっていて、元気が出ましたね。元気をもらいました。自分なりの全力を提供できたのでよかったです。
救急救命学科に進むことによって、今度は直接的に、1人でも多くの人を助けられるようになりたいですね。ヒーローになりたいです」(卯都木蓮さん)

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少年時代に別れを告げて。
イバライガー、そして卯都木さんは、みんなを助けるためにこれからも挑戦を続けます。

取材:郡司掛 弘典カメラマン

 

 

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