茨城県内初 ネコの登録制度とは?
小野田明(記者)
2023年03月31日 (金)

あなたはイヌ派?ネコ派?
イヌとネコの違いの1つが、飼う際のルールです。イヌは自治体に登録することが飼い主の義務となっていますが、ネコにはありません。
そうした自由気ままな飼いネコの登録制度を、茨城県古河市が4月1日から始めます。
飼い主の“安心”にもつながるというこの制度、どういったものか取材しました。(取材 NHK水戸放送局 小野田明記者)
野良ネコから看板ネコに
古河市にあるお茶の販売店の入り口で、客の来店を待つオスネコの「コメ」くん。もともとは野良ネコでしたが、ケガをした状態で店に迷い込んだところを保護され、3年前に迎えられました。
お気に入りのマットは店の客がコメくんのために編んだもので、常連客や従業員にも愛されています。
お店の中にいてもいたずらをしないので、生きている招き猫みたいです
自由気ままで心配も
普段は開店と同時に隣接する建物から出勤しているコメくんですが、ネコだけに店に姿を見せない時も。イヌを飼っていた経験もある吉田さんは。
イヌだったら呼べば来る時もありますが、ネコなので返事もしないし、ひたすら帰ってくるのを待つしかない状態の時ある。そういう時は心配になります
茨城県初 飼いネコ登録制度
古河市のネコのために、市が4月1日から始めるのが「飼いネコの登録制度」。この制度は、飼い主にペットに対する責任を持ってもらうとともに、野良ネコと区別することなどを目的としています。登録は任意で、オンラインや市役所の窓口で受け付けます。
飼いネコの種類や生年月日、飼い主の住所や連絡先などを登録すると、飼いネコであることを示す鑑札や門標、それに首輪とオリジナルの愛猫カードが渡されます。
登録料は500円ですが、初年度は無料とし、およそ1000件の登録を見込んでいます。
猫のために、近所の方たちの生活向上のために、どういったことをしていけばいいかということで今回進めてきました
飼いイヌについては法律で自治体に登録することが飼い主の義務となっていますが、ネコについてはそうした決まりはありません。市によりますと、ネコの登録制度を設けるのは、県内では初めてだということです。
イヌの苦情が減っている中でネコの苦情が近年増えているということが、制度開始の理由にあります
古河市によりますと、ペットブームなどにより市内の飼い猫は9000匹以上に上ると推定しています。野良ネコは実態をつかめていないものの増えているとみています。こうしたなか「ネコがいなくなった」とか「車が傷つけられた」など、市に寄せられたネコに関する相談や苦情は去年4月から今年2月末までに105件。イヌの55件に比べても多く、これまでで最も多くなっているということです。
ネコ特有の事情も
ネコはイヌと違いつないで飼っている人が少なく、ふらりとでかけてしまうこともあります。なかには、自分の家にやってきたネコを飼っているつもりになっている人も。飼いネコが別の家で違う名前で呼ばれエサを与えられていた。こんなこともあります。
多くある相談の中で、飼いネコなのか、飼い主のいないネコなのか、所在のわからないネコが多い。そこを判断することが重要だと考えています
飼い主の安心と責任に
古河市内の店の看板ネコ、コメくん。飼い主の吉田さんは、制度が始まったらすぐに登録する予定です。
登録制度はいいことだと思います。登録すれば自分のネコが無事どこにいるかわかるし、保護された時でも飼われているネコだとわかる。登録することで自分のネコだという自覚も生まれ、責任を持って飼うことにつながる。自分たちで飼っているネコだという気持ちも一層強まると思います
古河市の飼いネコの登録受け付けは、オンラインでは4月1日から、市役所の窓口では4月3日から始まります。