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蚊に刺されやすいタイプと刺されないためのポイント 快適な夏を過ごすために知っておきたい豆知識

今年もやってきた憂うつな蚊の季節。
でも、蚊ってちょっと不思議じゃないですか!? 同じ場所や空間にいるのに、なぜか私ばかり、同じ人ばかり刺されてしまうこと、ありますもんね。

実は「蚊に刺されやすい人」というのは、実際にいるのだそうです。それは一体どんな人なのか。今回は蚊の専門家に聞いた4つのタイプをご紹介。さらに刺されやすい原因を意外な点から調べたユニークな研究に、効果抜群の虫よけ術も。この夏を快適に過ごすためのヒントを集めました。

(クローズアップ現代取材班)

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蚊に刺されやすい4つのタイプ 

蚊は世界におよそ3600種、日本には現在112種類の蚊がいるといわれてます。今回は、私たちの生活圏でよくみられるアカイエカやヒトスジシマカ、チカイエカなどを想定し「蚊に刺されやすいタイプ」をご紹介します。

最初に、蚊に刺されやすいタイプを教えてくれるのは、国立感染症所研究所の葛西真治さんです。殺虫剤の効かないスーパー耐性蚊を世界で初めて発見した研究チームのリーダーで、蚊の生態研究の第一人者です。

➀お酒をよく飲む人

蚊を引き寄せるものを「誘引源」と呼びます。その中で最も強い作用があると考えられるのが二酸化炭素。蚊はわずか0.01%の二酸化炭素の濃度の変化を感知でき、10m先にいる生物を感知できるといわれています。
アルコールは体内で消化・分解されるとき、大量の二酸化炭素が発生します。それが吐く息と共に口から排出されるため、蚊がよってきやすくなるのです。お酒を飲んで帰るときは足元とともに蚊にも要注意です。  

➁体温が高い人
 
熱も誘引源の一つです。蚊は熱を感知する能力も優れていて、0.05℃の違いも認識できます。これは人間の感度のおよそ10倍。蚊は「露出した肌によって温められた空気」という、わずかな違いをかぎ分け吸血対象を探しています。

アカイエカの吸血源を調べた研究では全体の74.9%がヒト、ブタ、ウシなどの哺乳類から19.3%がスズメやカモ類などの鳥類から吸血していることがわかりました。いずれも平均体温は38℃~42℃です。また別の研究では蚊が好む温度は39℃あたりだったいう結果も報告されています。基礎体温が高い時期が続く妊娠初期の方や赤ちゃんは特に注意が必要と言えます。

➂黒い服をよく着る人

昼間にも吸血する種類の蚊は、色も誘引源となります。被験者にさまざまな色のシャツを着せて、蚊の飛来数を比較した実験によると、1黒、2赤、3青、4黄、5白の順で蚊が誘引されたという結果が出ています。黒は蚊が吸血対象とする多くの動物の色に近く、身を隠しやすい保護色です。また太陽の熱を吸収しやすいので、表面温度が上がりやすいことも蚊を引き付ける要因だと考えられます。

続いては、害虫防除技術研究所代表で医学博士の白井良和さんです。30年以上にわたり蚊を研究。蚊の忌避剤や捕獲器の効果確認試験や実験を精力的に行っています。

➃足がにおう人  

近年、蚊を引き寄せる誘引源として、においに注目した研究もいくつか行われています。私も実験で、下着だけ着用してもらった被験者が入った蚊帳の中にヒトスジシマカを放し、蚊が被験者のどこを刺したかを調べました。その結果、立った状態でも仰向けに寝た状態でも、足首より下の足が最も刺されやすいという結果になりました。

さらに、私自身が行った別の実験では、足の匂いの原因物質で独特なチーズ臭を放つイソ吉草酸(きちそうさん)が、特定の濃度で蚊を誘引することがわかりました。人間には疎まれる足のにおいは蚊にとっては大好物のようです。

血液型や遺伝子も!? 刺されやすさに関するユニークな研究

■蚊に刺されやすい血液型がある!?

足のにおいについて教えて頂いた白井さんから、もうひとつ面白い研究結果を教えてもらいました。

白井さん

日本にも生息するハマダラカのメスを20匹入れた箱に、さまざまな血液型の被験者の腕を入れて10分間に何カ所刺されたかを調べた海外の研究があります。蚊の体内から吸った血液をとり出し、その血液型も確認したところ、O型の人は平均で5.045か所刺されたのに対して、非O型の人は3.503か所でした。私がヒトスジシマカを使って行った、血液型の違う被験者64名の実験では、1:O型、2:B型、3:AB型、4:A型の順に刺されやすいという結果が出ました。

一方で血液型といえども皮膚上にある血液型物質は、分泌型の人(非分泌型の人もいる)が極めてわずかに抗原を有しているだけなので、これを蚊が感知しているとは考えにくいと言えます。おそらく血液型に起因する体質の違いが、皮膚表面の温度や二酸化炭素の排出量の違いなどに現れているのではないかとも考えられます。O型の人が刺されやすかったという実験結果は、あくまで「傾向」として考えて頂ければと思います。

■蚊に刺されやすい遺伝子を持つ人がいる!?

2015年、蚊に刺されやすいかどうかが遺伝子と関係している可能性について、ロンドン大学の研究チームが論文を発表しました。日本では、遺伝子解析サービスを展開する会社が、蚊にさされやすい遺伝子について研究しています。開発部長を務める野川駿さんです。

野川さん

2017年、ヨーロッパに住む1万6千人以上を対象にした調査の結果で、蚊に刺されやすさについての遺伝子型は、以下の3つに分類できることがわかりました。

遺伝子型GG:蚊に刺されやすいタイプ
遺伝子型GT:やや蚊に刺されやすいタイプ
遺伝子型TT:一般的なタイプ

私の研究開発チームでは、この調査結果を2万人以上の日本の遺伝子解析データに当てはめ、蚊に刺されやすい遺伝子型GGに該当する人の割合を調べました。すると、出身地域によって差があることがわかりました。

当然ですが、蚊に刺されるかどうかは遺伝子だけで決まるものではありません。遺伝子型の違いは体質の違いにも関係するので、遺伝子型GGの人は蚊の誘引源となる体質的な要素をもっている、あるいは誘引源の作用が強いのかもしれないと推察することはできます。

蚊に刺されないために➀白くゆったりとした服を着る

蚊は黒など濃い色を好むので、蚊が活発に活動する初夏から秋口にかけては、なるべく白っぽい服装を心掛けるとよいでしょう。汗の匂いも蚊は大好物なので、風通しのよい素材を選ぶのもポイントです。蚊は、ジーンズなど厚手の生地の上からでも針を刺すことができます。できればゆったりした服装がお勧めです。ただ毎日白い服を着るわけにはいかないですよね。蚊の多そうな場所に来たら、白い薄手の上着を一枚はおる、といった方法でも効果は期待できます。

蚊に刺されないために➁足を清潔にする

蚊は足のにおいが大好物です。シャワーを浴びるときは特に足をきれいに洗うことを心がけましょう。シャワーが浴びられない環境のときは、アルコール成分が入った汗ふきシートなどで、足をふくのも効果的です。

蚊に刺されないために➂虫よけは日焼け止めの後に!

虫よけスプレーやミストなどの主成分ディートは、蚊の感知能力をかく乱し、血を吸うところを分からなくさせる作用があります。いわば目隠し。そのため、日焼け止めは虫よけの前に塗っておく必要があります。またムラがあるとその部分に蚊がよってきてしまうので、スプレータイプでもかけたら終わりではなく、ムラをなくすために伸ばすことが効果的です。

蚊に刺されないために➃水をためない!

そもそも蚊を発生させない、増やさない対策も必要です。ポイントは水。蚊はおちょこ一杯分の水に200個の卵を産みます。庭におくバケツやジョウロは逆さまに。蚊は卵からおよそ10日間で成虫になります。植木鉢の水受け皿は1週間に1度の交換が目安です。盲点はゴミ袋。外に出しておくと雨水や夜露によって水がたまることがあるので、屋根のある場所や屋内におきましょう。

研究者のひとりごと 夏を快適に過ごすために

最後に蚊をこよなく愛する葛西真治さんから、この夏を快適に過ごすための!?蚊のトリビアとメッセージです。

葛西さん

蚊は年間70万人以上ものヒトの命を奪う恐ろしい生物です。「人類の敵」と言われても仕方ありません。私自身、蚊の研究者になろうと思ったのは蚊が媒介する病気から多くの人の命を守りたいと思ったからでした。

ただ、いくら恐ろしい敵とはいえ、蚊に魅せられた研究者の一人からすると、ちょっと可哀想だなと思うときもあります。

映画「ジュラシック・パーク」では、琥珀の化石に閉じ込められた恐竜時代の蚊が登場し、その蚊が吸った恐竜の血からDNAを取り出すことから物語が始まります。おそらく、この蚊はオオカをモチーフにしたものだと思うのですが、実はオオカは血を吸わない種類の蚊です。
日本には112種類ほどの蚊がいますが、ヒトの血を吸うの30種類程度。さらに言えば、オスは血を吸いません。血を吸うのは産卵間近のメスだけです。蚊も生きるのに必死で、生存戦略の一環で血を吸うのです。(映画はフィクションなので、そんなに目くじら立てなくても…と自分でも思います。熱くなってすみません!)

蚊は鳥やコウモリ、魚など多くの生物の「エサ」となっています。もし、蚊がいなくなれば巡り巡ってみなさんの大好きなマグロが食べられなくなるかも、、と言ったらさすがに言い過ぎかもしれませんが、生態系が大きく崩れることは間違いありません。

 蚊の写真を撮るときは自らの血を「献上」する

私は蚊の写真を撮るのが大好きです。それはもちろん研究のためですが、最近は、血を吸うために徹底的に進化した、無駄のないフォルムに美しさすら感じています。

映画「ジュラシック・パーク」に登場したオオカの仲間 
葛西さんのお気に入りでスラっと長い脚は2.5cm以上。メタリックブルーの色合いに気品を感じるのだとか

蚊の小さな体の中には、人の血を確実に吸うための驚くべき能力がつめ込まれています。
超高感度で人を認識できるセンサー、暗闇でも確実に障害物を避けて飛べる仕組み、気づかれずに刺せる特殊な針。こうした蚊の特性を解明すると、「痛くない注射針」や「障害物をよけるドローン」など、私たちの暮らしに役立つ技術に応用することが可能で、実際に注射針などはすでに実用化されています。

「蚊はヒトが憎くて血を吸っているわけではない」。当たり前ですが研究を始めて改めて感じたことです。「病気を憎んで蚊を憎まず」こう思えば、うっとうしい蚊の季節も少しは快適に過ごせるかも知れません。

長々としたひとりごと、、大変大変失礼致しました。

みんなのコメント(72件)

悩み
黒い服を減らさなきゃ
40代 女性
2024年7月19日
小さい頃から蚊によく刺されます。夏が来ると暑さも嫌ですがそれ以上に虫刺されで憂鬱になります。刺されない人が本当に羨ましいです。
私はO型の汗っかきです。今日も娘の送迎の5分の間にスカートの中に侵入され膝、足首を4箇所吸われました。特に暑い夏に風通しの良いスカートを履きますが、中に入って吸われるので毎回腹が立ちます。いくら出産のためだからって何箇所もここぞとばかりに吸うなと!あと、手首、足首、指などの骨のところを刺されるのも嫌ですね。
虫除けスプレーはかけてますが、必ず穴をついた場所が刺されます。小さい子供とバタバタと出勤して行くので全身万遍なく塗るのはなかなか大変です。
9月は産卵の時期なのか、刺されたあとの痒み残りがひどいです。何日も痒みが続く場所が体中に出来るので、7月の今から夏の終わりが憂鬱です。
暑すぎる日は蚊は出てこないので、酷暑でも蚊に刺されないから良いやと思う昨今です。
体験談
ぱきら
50代 女性
2024年7月11日
今50代ですが歳を取ると蚊が寄りつきませんよ。子供の頃、学校の先生をリタイヤした60代以上の、ご夫婦が町屋で補習塾をされていたのですが夕方開け放しでしたので、子供達だけが蚊に刺されて「痒い?」って言うても「へえ?」って、ぜんぜん大丈夫そうでした。

そして大学生の頃、合宿で長野へ行きましたが自分だけ蚊に刺され赤く腫れて「町っ子はヤプ蚊に免疫が無いから」と言われました。

また20代の頃、南国へ行ったのですが凄く酷い虫刺されで困っていたら偶然、昭和のタバコ屋さんの様な店先で陳列された軟膏をみつけ、これだ!と思いました。当時、父が「万能薬や」と中国で買ってきた謎の臭いのする薬でしたが、それを塗ると治りました。

昔は虫刺されや日焼けガードも使わなかったのですが今は夏の必須アイテムですね。記事を読み色々思い出しましたが、研究者の温かみのある記事のおかげだと思います。
体験談
50代 女性
2024年7月6日
52歳 血液型AB 平熱36.2℃ 性別女性 汗かきです。足は臭くありません。
私といれば蚊に刺されない と言われるほどに集中攻撃されていました。蚊だけでなくアブやダニにもつけ回されていました。更年期に入ってまったく刺されなくなりました。更年期特有の汗も蚊をよぶことはありませんでした。
4年ほど 全く蚊に刺されることがありませんでした。

このほど更年期の諸症状がひどくなり終わることもないように思いホルモン補充療法を始めましたら一気に蚊もアブもダニも帰ってきました。
エストロゲン効果と確信してますが
吸血生物にとって私の何が変わったのでしょう?
悩み
さくらのとうちゃん
70歳以上 男性
2024年7月4日
私は、横浜市の協定緑地に隣接するマンションの住民です。緑地内にはタヌキやリス、アライグマなど生息しております。蚊も大変多く、対策には気を付けておりますが、犬の散歩などで必ず毎日刺されてしまいます。
この蚊が、病気にかかっているタヌキなどの血を吸った後に人間を刺した場合、その動物の病気に我々人間が感染することはないのでしょうか?心配です。
体験談
ユキヒョウ
2024年7月3日
A型なのに人一倍蚊に刺される
ぬかかにも刺される
お酒を飲む人の横にいても私に蚊が寄ってくる
なんでそこまで虫に刺されるのかと友達にも感心される
感想
みぃーたん
女性
2024年6月29日
笑笑)足が臭う人ツて……だからパパさんよく刺されるのか。納得した。
お酒は、毎晩飲んでるし、黒い服好きで、よく着てるから(笑)めっちゃ納得しました(*^^*)??
体験談
シナモン♪
60代 女性
2024年6月5日
血液型のO型が蚊に刺されやすい傾向があるということは、よく言われていましたが…
私・私の妹・夫の3人のO型人間のうち、不思議なことに私だけが全く蚊に刺されません。
子どもの頃、一緒にいるのになぜか妹だけボッコボコに刺されまくり…
結婚してからは、やはり同じく夫だけが刺されまくっています。
2人からは『虫も嫌がるコワい人なんだよ?!』と言われていますが…
蚊は強気な長女の私(未年)、弱気でおとなしい次女・次男の妹と夫(酉年)…なんてことを見分けているのだろうか?
質問
なーちゃん
40代 女性
2024年6月4日
刺されるとかなり腫れてしこりが残りますので、若干アレルギー体質です。皮膚科でいただくステロイドの塗り薬が必須です。
だんだん寒くなるであろう夏の終わりの時期の蚊の母さんたちの必死具合は毎年ものすごく感じるのですが、時期によって毒性はさほど変わらないのでしょうか?病原体に対して気をつけるべき時期などはあるのでしょうか?
体験談
町子
50代 女性
2024年6月2日
庭に雨水を溜めていたポリバケツがありました。
オーバーフローしないように、縁から数センチ下に穴を開け、小さなパイプを付けて、そこから水が溢れるようにしていました。このパイプの先には、蚊が入らないように網戸の網を巻いていました。バケツの上には網戸の網をかぶせて、蚊が侵入しないようにしていました。
夏の初めにはバケツをきれいに洗い、網の上から雨水が落ちるようにしておりました。
ところが、気づくと、バケツの水面の上、空間の部分に、信じられないくらい大量の蚊が発生していて、出るに出られない状態となっていました。うじゃうじゃ、という状態です。
この蚊はどこから湧いたのか??
考えられるのは、パイプの先の網か、上に被せた網の水滴の部分に産卵して、生まれたボウフラはバケツの中で成長したのではないか、と想像しています。水分のある所が危ない、と、今年はとにかく水をなくすよう、試みています。
質問
クワッス
男性
2024年6月1日
他にもカにさされない、方法はありますか。
この記事のコメント投稿フォームからみなさんの声をお待ちしています。

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