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NHKスペシャル「#みんなの更年期」反響編 

2022年4月16日に放送したNHKスペシャル「#みんなの更年期」。番組を、社会みんなで更年期を考えていくきっかけにしたいという思いから、取材班では引き続きご意見を募っています。放送後に寄せられた反響は140件以上。皆さんの声をもとに今後の課題を見つめ、取材を深めていきます。

「私はひとりじゃなかった」

反響のなかでもっとも多かったのは「わたしも更年期に悩んでいる一人だ」という声。同じ立場の人と話してみたいと言う人もいました。

更年期障害で離職を迫られている最中という、ものすごいタイミングで番組を観ました。涙が止まりませんでした。同じことで悩んでいた女性がいたんだと…(京都府・50代女性)

涙が止まりませんでした。私はまさに更年期で、まだまだ家事や仕事も大事な時期です。国には更年期障害相談機関を設けて欲しい。地方でも専門医の受診が出来るようにしてほしい。(山口県・50代女性)

録画をじっくり観ました。文章だけではなく声や顔のある人たちの登場で、自分だけじゃないんだと思えました。更年期の人同士が話せる会があったら私も参加してみたいです。(埼玉県・40代女性)

「更年期を初めて知った」男性や若い世代からも声が

男性や、これから更年期を迎える若い世代の人からも声が寄せられました。

いま思えば母も大変だったんだと思いました。昔は言える文化ではなかった。知識もなかった。私たち男性もそんなに女性が大変だったとは知らなかったです。共に歩んでいけば解決の糸口が見つかるかも。女性の身体は奥が深いと思いました。このような情報や知識を男性に教えてほしいと思いました。女性に対して考え方が変化すると思います。(愛知県・40代男性)

40%の女性に起こりうる更年期(症状)なのに、社会として認知されておらず、退職を選ばざるを得ない方がいらっしゃる状況に愕然としました。私のような共働きが当たり前になっている次世代が安心して、十分に社会活躍するためにも、診療報酬の上乗せ、休暇制度や社会認知の浸透を強く望みます。(東京都・30代女性)

ストレス減らせと言われても・・・更年期世代が抱える多重負担

更年期の症状は女性ホルモン・エストロゲンの急激な減少がきっかけで起こりますが、番組ではストレスも症状を悪化させる要因になっていることをお伝えしました。しかし寄せられた声からは「ストレスを減らしたくても減らせない」事情も見えてきました。

更年期について知る導入としては良い番組構成だったと思いますが、症状や体験を語る方がほとんど単身か子育てが終わった方に偏っていたのが気になりました。私も含めて現代は40歳前後で出産する方も多く、自分の更年期症状に気がついても、子育てを優先せざるを得ない場面が多いです。(愛知県・50代女性)

40代から50代は自分の変調もだけど、親も介護状態になります。番組で言っていた「ストレスを減らすこと」の重要性、私も看護師なので良く分かるのですが、介護と仕事と家族関係とで、ストレスを減らしたくても減らせないのです。私の場合は更年期に伴う体調不良に両親の介護が一気に重なりました。ある時は介護の疲れで半狂乱になり、自分の首を母親の前で締めていました。ブレーキをかけたのは、私が死んだら両親はどうなるのかと頭の隅でもう一人の自分が問いかけたからです。どうか、更年期に介護をしていても無理なく過ごせる社会になって欲しい。(長崎県・50代女性)

更年期真っ只中です。少しでも負担の少ない仕事をと思い転職しましたが、多少無理をしないと生活が苦しくなるため、結局残業が増えて体力勝負になっています。糸が切れたように疲れてしまい退職届けを昨日書いたばかりです。長年通院しているので日常生活は支障ないですが、12時間労働など稼げる仕事は難しいです。コロナ禍の今、娘と私の生活が回るくらいの職が見つかるか、長期で働いていけるのか、不安でいっぱいです。(栃木県・50代女性)

更年期休暇や時短勤務・・・ 職場の制度を考えたい

更年期に、仕事と症状への対処をどう両立していくか。皆さんからは「職場をこう変えてほしい」というアイデアも寄せられました。多かったのは更年期に使える休暇や時短勤務など、勤務の調整をできるようにしてほしいという声です。

バリバリな主任保育士をしてましたが、生理不順、睡眠障害とホットフラッシュが始まりました。ハードワークの上に不安、イライラ、気分の凸凹、焦燥感が重なり、とうとう小さな事で感情爆発を起こして職場を飛び出し休職。復職後も仕事の軽減はなく以前の働き方でしか受け入れられないと言われ、退職せざるを得なくなり天職を失いました。産休、育休、育児時短、生理休暇と同じように、更年期休暇や時短勤務、通院保障などがあればと思います。(兵庫県・50代女性)

職場で45~55歳は「不調休暇」なるものを取得できるようになれば良いと思った。 更年期のネーミングは伏せて、一概に特定できないような休暇制度があったら良い。(宮城県・40代女性)

更年期の仕事量を調整できるシステムが欲しいです。正社員のまま週4日の勤務、もしくは5日でも時短勤務で乗り越えられるようなシステムがあれば頑張れるのかもしれません。今の状況ではオール・オア・ナッシングです。私たちの世代は結婚退職が当たり前でそこを頑張って産休も育休もほとんど取らず乗り越えてきました。せめて人生の後半戦に優しくしてくれると嬉しいのですが。(茨城県・50代女性)

女性も男性も・・・今からでも更年期教育を

そもそも自分の症状が更年期によるものだと気づかない、周りに分かってもらえないという人も少なくありません。まずは正しい知識をもつ機会が必要なことが見えてきました。

更年期と気づかず、数年間もがき苦しみましたので、大変興味深く番組を拝見しています。当時このような知識があったら、あんなに苦しまなくて済んだのに、と更年期真っ只中の当時を思い出し泣けてきました。学生時代に保健体育で教えたり、企業の管理職を教育するよう周知徹底すれば、理解もされ周囲からのフォローやアドバイスが更年期に苦しむ人を救えるのでは。(東京都・50代女性)

番組を拝見してとてもショックでした。 私は30年前に更年期障害で婦人科の治療としてホルモン療法を受けていました。その当時と全く変わっていない、もしくはもっと理解されていない事に驚きました。学校で女性の生理や妊娠、更年期というホルモンのなせる一貫した性教育は60年前の私の女学生の時から進化していないように思います。(大阪府・70代以上女性)

20代から更年期という言葉は知っていましたが、母親や祖母に聞いても「若いからまだ大丈夫だし今から心配する必要はない」と言われていました。でも実際に更年期に入った頃には母も祖母も他界し相談する人がいなくなってとても不安でした。誰でも通る道なら生理と同じ様に学ぶ機会が有れば少しは準備や過度な不安を感じることも少なくなると思います。会社でもダイバーシティなどの活動もありますが、子育てと仕事の両立させた経験ばかりで、更年期で働き方を変えたなどのお話を聞く機会はありません。(大阪府・40代女性)

“その症状、更年期かも” 早く気づく仕組みを

更年期の症状にいち早く対処するために、早期発見の仕組みが必要だという声もありました。

職場健診に女性ホルモン検査を取り入れてほしい(秋田県・60代女性)

女性の身体が大きく変化する時期でもありますし、この時期に特化した女性の健康診断(追加項目などでも)が行われて不安が取り除かれたらよいのでは(神奈川県・40代女性)

メタボに関する健康指導はしつこい位熱心なのに、ホルモンバランスに関するフォロー体制については、国は全然遅れ過ぎ。医師の皆さん、本気で更年期世代の総合診療のための仕組みを作ってもらえませんか。各事業所においてもメタボ対策と同じように更年期対策に取り組んでもらえませんか。国もそういう政策を打ち出してくれませんか。(40代女性)

男性更年期障害を経験している人からは、閉経がない男性ならではの健康診断の必要性が指摘されました。

男性は、閉経のような分かりやすいサインがなく、また、男性ホルモンがいつ激減するかわからないため、例えば、健康診断で50歳以上の男性は血液検査の項目に遊離テストステロンを加えるなどの工夫が考えられます。 実際、男性ホルモンの血液検査は4000円以上かかっており、経済的にも負担が大きいと感じます。健康診断の血液検査で強制的に一気に定期的に済ませられるなら、そのような負担も減ると思います。(兵庫県・50代男性)

相談窓口・更年期の基礎知識について

今まさに更年期症状に悩んでいるという皆さんからは「気軽に相談したい」「正しい知識はどこにあるのか」「同じ立場の人と話したい」という声が多く届きました。
更年期の症状や治療法などについて、皆さんからの質問を専門家にたずね、まとめています。こちらからぜひご覧下さい。

相談支援に取り組む団体からは、当事者の皆さんへのメッセージが寄せられています。

◎症状や治療について知りたい・相談したい
一般社団法人 女性の健康とメノポーズ協会(https://www.meno-sg.net/※NHKサイトを離れます)
電話番号 03-3351-8001
(火曜・木曜 11~16時 無料相談実施 8月は休止)

女性の健康とメノポーズ協会 三羽良枝 理事長

当協会「女性の健康電話相談」は、更年期を軸に協会認定の「女性の健康相談対話士」が全国からのご相談を無料でお受けしています。2年間にわたって専門家による研修と実習を受けて試験に合格後認定され、毎月の勉強会で最新医療データ・情報を確認しカウンセリングの研鑽を積む、専門性の高い相談員です。
また、更年期の女性たちがオンラインで語り合うピアカウンセリングの場として「メノポーズ・カフェ」を毎月開催しています。是非皆様の健康づくりにお役立てください。

◎仕事や生活への影響について相談したい
NPO法人POSSE(https://www.npoposse.jp/※NHKサイトを離れます)
電話番号 03-6699-9359(労働相談)
電話番号 03-6693-6313(生活相談)

POSSE 青木耕太郎さん

POSSEの労働・生活相談は、研修を受けた専門スタッフが秘密厳守・相談無料で対応します。更年期症状のために仕事で悩みを抱えている方、周囲の更年期への理解が乏しく仕事を続けるのが難しいと感じている方、解雇など不利益な扱いを職場で受けている方などの相談を受け付けています。電話だけでなく、メールやLINEでも相談を受け付けています。相談したいことがまとまっていなくても構いません。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の執筆者

報道局社会番組部 ディレクター
市野 凜

2015年入局、首都圏局・前橋局・政治番組を経て現所属。コロナ禍の女性不況・生理の貧困・#みんなの更年期などジェンダーや労働に関わるテーマを取材。

みんなのコメント(1件)

感想
気が抜けた
60代 女性
2022年5月28日
更年期障害。自分は60歳になったけど、だからって大丈夫なわけではない。年齢だけで、括れないんじゃ。
しかも、多分、更年期障害で悩んでいる事を隠して働いている人から、当たり散らされて、私の方が精神を病みそうになり退職をしました。ガンやメタボのように自分だけでは気づきにくい障害は周りにも影響大です。検診制度、賛成です。