
“ジェンダーとテレビ” みなさんの声① Vol.33
“男性アナウンサーはスーツ、女性アナウンサーはスカートと化粧…なぜ?”
“性的マイノリティの人たちが出るドラマや番組が少ない”
#BeyondGenderでは “ジェンダーとテレビ”について ご意見を募集しています。これまでにみなさんから寄せられた声の一部をご紹介します。
(編成局展開戦略推進部 鈴木彩美)
テレビにおけるジェンダーどう思う?
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出演者の割合に偏り (30代 女性)
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性別によって、演出のされ方(番組での立ち位置や役割など)、そもそもの出演割合などに偏りを感じる。 元々の割合を反映してだろうが、スーツやジャケット姿の男性ばかりの番組に威圧感を感じる時がある。
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取り上げられ方に男女差がある (40代 男性 東京)
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番組作りやニュースの取り上げ方、扱い方などがまだまだ男性中心だとひしひしと感じる。たとえば、女性アスリートにはやたら女性らしさを求めたり、そういう要素をむりに強調したり。夫婦に関する話題の取り上げ方は必ず夫が先、妻があと、など。例をあげれば枚挙にいとまがない。
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「好きな異性のタイプは?」に違和感 (20代 女性 東京)
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バラエティや情報番組で、ゲストに対して なんのためらいもなく「好きな異性のタイプは?」と質問することに違和感。「彼女に作ってほしい手料理は?」なんて最悪。男性芸人が当たり前のように風俗の話を持ち出すのも不快極まりない。女性はいつまで消費される側の性なのかと、そのたびに悲しくなる。
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「女性としてどう思う?」にモヤモヤ (20代 性別・男女以外)
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女性にセクハラ/性的に扱う番組がまだまだ多い。また、女性に何か意見を求めるとき、「女性としてどう思いますか?」などは違和感しかない。男性には聞かないでしょう。そもそも意見には性差なんてないと思う。 好感をもった番組はない。
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昔に比べると配慮されている (40代 男性 滋賀県)
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昔のテレビ番組の録画を見ると差別的発言の多さに驚くことがある。現在は配慮されていると感じる。もちろんまだ工夫の余地はありつつも、視聴者側も寛容にならないと、表現の難しさで番組づくりへの悪影響が出かねないとも思う。
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「価値観を変えよう」と訴えている (30代 女性)
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男女平等や、新しい価値観となるにはまだまだ遠く及ばない。好感が持てるのは、一部のキッズ向けアニメ。未来を担う子供たちに向けて作っているからこそ、いち早く今までの価値観を変えようと訴えていると感じる。
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「女性アナウンサーのタレント扱いに違和感、「夫」「妻」に好感 (30代 女性 愛知)
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女性アナウンサーや女性気象予報士のタレント的扱いに強い違和感。また、ドラマなどで男性が女性を「お前」呼びするシーンなどは、見ていてとても嫌な気持ちになる。 「主人」「家内」などの発言が字幕では「夫」「妻」と表示されることについてはとても好感をもった。ぜひ続けていただきたい。
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制作現場の男性率が多いのか (30代 女性 埼玉県)
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昔のドラマや映画などの再放送で、女性は「男性の恋愛対象」か「男性を支える母的存在」としてしか出てこない作品を見ると、バランスが悪くて違和感。現実には恋愛に興味が薄い人、自分の仕事に没頭したい職人肌の人は男女問わずいると思うが、そのようなキャラクターは大体男性がやっている。このような 端折(はしょ)られた描かれ方をされるのは、現場の男性率が多かったからなのかなと想像する。
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制作者の本音を視聴者は察している (20代 女性)
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番組でジェンダーバランスを問題視していても、制作している方の本音や意図が本当にそうなのか視聴者は鋭く察してしまうように感じる。
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「感覚」が大事 (40代 女性 長野)
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ラジオですが、 「女子アナ」と言った相方に対して 「女性アナウンサーなっ」と さらっと訂正している場面があり、 意外にグッときた。 すごく小さなことだが この感覚が大事だと思う。
ジェンダーのバランスや表現に配慮したテレビ番組を作るには?
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番組の作り手はジェンダーバランスの配慮を (40代 男性 北海道)
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教育の世界もそうですが、「今までこうだったから」のノリで進めてしまうと少数の意見を排除してしまうことにつながります。作り手(上司・職場)がジェンダーのバランスに配慮していることが必須だと思う。
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「それって本当に当たり前?」の切り口を (30代 女性 東京)
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当然ですが、テレビも社会の一部なのでテレビだけを変えていくのは無理、社会が変わってテレビも変わるのだとは思う。でも、みんなが「あたり前」と思っていることと違う例をたくさん紹介してもらいたい。「あなたがあたり前と思っていること、それってほんとにあたり前?それで生きづらさを感じている人がいるかも!?」みたいな切り口。
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子どもたち・若い世代へ積極的に伝えて (40代 性別・答えたくない)
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男性でも女性でもどちらでもある人もどちらでもない人も、人の生き方はそれぞれに自由であるべきで、それを社会に、とくに子どもたち、若い世代に積極的に伝える社会的役割を、テレビ業界で真剣に追求する姿勢が必要。
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作る側に多様性が必要 (20代 女性 埼玉)
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そもそも作る側の人に多様性があるのかということが必要ではないかと思う。多様性はジェンダーの話だけではなく障害や国籍なども含まれる一方で、周りにいなければ、いないことにも気づかないと思うから。
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制作者も男女同じ割合に (30代 女性 東京)
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ジェンダーにとらわれず、多様な価値観や考えがあるという前提に立った番組であれば問題ない。あえて言うと、アナウンサーだけでなく、取材しニュースを書く記者などにも、男女が同じ割合で参画することで、より中立的で多様な内容のテレビができるのでは?
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制作側の価値観の定期的アップデートを (30代 女性 東京都)
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テレビ業界は業界そのものが典型的なオールドクラブ、マッチョイズム、有害なホモソーシャル社会だと思う。テレビを作る側の人達が自分や仕事仲間を大切にできるようになってほしい。番組制作スタッフを責任者~バイトまで定期的に講習会受講を義務づけるなどして、全体の価値観のアップデートをすることが必要。
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“自由に問題提起できる”風通し良い制作環境を (20代 女性 愛知)
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問題があるものは昨今炎上します。問題に気づいた人が年齢や性別や職層に縛られず、自由に問題提起をできる風通しの良い環境であることが一番の配慮につながる。ぜひ一度 局内でジェンダーの理解度や問題意識についてアンケートを取ってみていただきたい。
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制作側は“自分がされたらどうか”を考えてほしい (40代 女性 福岡)
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性差をネタにしていないかどうか、人の欠点をあげつらう表現をしていないか、同じことを自分がされたらどう思うか。制作側はそんなふうに足元からもう一度番組製作を捉え直してほしいです。そういった番組が増えていくことで、見ている視聴者にも伝わり、人を特別扱いしないことがトレンドに、当たり前になっていくと思います。
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“特別視しない描写”を日々積み重ねる (40代 女性 東京都)
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そこにいるだけ、特別視しない描写。 ドラマの中に横切る車椅子ユーザー、さり気なく手助けする人、髪の色肌の色が違う人が通りすぎる風景、遠くで手話ユーザーが話している様子、“お茶要(い)る人は?」と立ち上がる男性社員、子どもを預けて伸び伸び働く女性、肩書きに「女」がつかない医者や社長、全て俳優と表記される役者……。 これらの描写を毎日のニュース、ドラマ、バラエティなどで細々と説明なく加えていく、積み重ねていく。