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自分が生きてきた時間が宝物 「あの日」の子どもたちへの10の質問

東日本大震災を経験し、大切なものを失った子どもたちに、いまだから語れる気持ちを尋ねる、「『あの日』の子どもたちへの10の質問」。

今回答えていただいたのは、福島県浪江町出身の小野田恵佳(あやか)さん(22)。震災当時は11歳、小学5年生でした。

原発事故によって県内の二本松市に避難した小野田さん。震災体験は、周囲に語らず胸に秘めてきましたが、千葉県の大学に進学し、福島を離れたことをきっかけに、自分と故郷に向き合い始めたと言います。
この春、大学を卒業し、社会人としての一歩を踏み出す 小野田さんに、「10の質問」をしました。(2022年2月)

小野田恵佳さんへの10の質問(再生すると音声が出ます)
小野田さん

最近あったうれしかったことは、そうですね。昨日、大学で、課外活動のリーダーセミナーっていうセミナーがあったんですけど、学生生活の集大成みたいな感じで、昨日のセミナーに出られたことがうれしかったです。

小野田さん

やっぱり3月11日が近づくにつれて思い出すというところが、いちばん自分の中では大きいかなと思っていて。あとは浪江町を訪れたとき。あとは、福島のことを友達としゃべっていたりとか、福島の話題が出てきたりするときかなと。

小野田さんの故郷・浪江町
長引く避難生活の中で、実家は解体された
小野田さん

まず変わったことから言うと、出会いの幅もかなり広がって、小学生のときの自分からは想像もつかないような態度というか、行動力、積極性が身についたかなと思っています。変わらない部分で言うと、性格的には、明るさ、元気さ。あとは人を大事にしよう、大事にしたいなという気持ちはずっと変わらないです。

小野田さん

ああ、深い。深い質問ですね。そうですね、まずひとつは、「生きていてくれてありがとう」と伝えたいです。「今お前はいろいろなことやってるよ」って、
「 やらせてもらってるよ」って伝えたいです。「いろいろな人と出会ってるよ」って、「人生楽しいよ」「幸せだよ」って、伝えたいです。

小野田さん

1年1年の積み重ねは、長い短いでひと言で言えるような平たんなものではなかったですが、やっぱり総じて言えることは、充実していたなと。しんどい思いもありましたし、悔しい思いもしましたし、悲しい思いもしましたし。でも楽しい思い出もあって、幸せな気持ちにもなりましたし、どれも貴重な1日1日、1週間、1か月、1年、10年、11年だったと思うので。

小野田さん

今22歳なので、32歳。32歳かあ。正直、私はいろいろなことに、いろいろな分野であったりジャンルに興味があるので、分からないですが、自分がワクワクするほう、楽しいほうに、充実した生活を歩めるように願っています。

小野田恵佳さん
小野田さん

うーん…10年後。「楽しいですか?」と伝えたいです。

小野田さん

うーん…今いちばん会いたい人か。ちょっとこれは悩むな。会いたい人はいっぱいいるんですけど、正直ちょっといちばんを決めるのが難しい。会える人にはどんどん会いたいです。

小野田さん

急に恥ずかしくなってきたんですけど、もう言わずもがな、大切な存在で。なんかちょっと、恥ずかしいですが。(両親には)お兄ちゃんと私と妹を産んでくれてありがとうございます。育ててくれてありがとうございます。この先もどうか長生きしてください。これからもよろしくお願いします。

小野田さん

ちょっと、ひとつだけあげることができないので、今、思っていることで言うと、まずは自分、命。自分がこの世に生まれてきたからには、自分のことを大切にしたいというか、自分が生きてきた時間が宝物なんだと思います。

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