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マシンガンズ 滝沢秀一さん「ごみは“人の心”」

「お総菜の入っている容器はプラスチック?」「汚れていても資源ごみ?」

NHKのインスタグラム「地球のミライ」で行ったごみに関するアンケート。「日々のごみ出しでわからないことがある」という声をたくさんいただきました。

5月30日(ごみゼロ)はごみについて考える日。アンケートで寄せられたごみに関する質問について、お笑い芸人 兼 現役のごみ清掃員でもある「マシンガンズ」滝沢秀一さんに詳しく聞きました。

(報道局社会番組部 ディレクター 井上紗佑里/酒井利枝子)

ごみの出し方に答えます

マシンガンズ 滝沢秀一さん

NHK「地球のミライ」インスタグラム(※NHKのサイトを離れます)では、ごみについての悩みや疑問についてのアンケートを行いました。

すると、集まったのは10代から60代までの幅広い世代からの声。
関心が高かったのは「プラスチックごみ」についてでした。「食べ物や商品を買うたびにプラスチックがついてきて、ごみを減らせない」という悩みもありました。

日本では、このままのペースでごみを出し続けると、23.5年後にはごみの最終処分場がいっぱいになってしまうという課題に直面しています。
どうしたらごみを減らすことができるのでしょうか?

NHK「地球のミライ」に来たアンケート

※市町村によってごみ出しのルールは異なりますのでご注意ください。

<アンケートに寄せられた悩み①>
「汚れたペットボトルやプラスチック容器はどのくらい洗えば、リサイクルできるのでしょうか?」

滝沢さん

「これはぜひみなさんに知っていただきたい話題です。油で汚れている容器、写真のような汚れでは、だめです。資源ごみにはなりません。基本的に水で軽くゆすいだり、紙で拭いてくれるとうれしいです。プラスチック資源を集めている工場ではきれいにしたプラスチックに汚れがついたりすると、本来資源にできるプラスチックも捨ててしまうこともあるんです」

<アンケートに寄せられた悩み②>
「プラスチックごみの汚れの落とし方は?」

滝沢さん

「皿洗いのついでにスポンジにちょっと泡が付いている状態、いわば“余力”で洗ってもらえれば十分です。油を落とすために洗剤を改めてつけて洗うのは、かえって水を汚したりします。簡単に洗えるものであれば、洗って資源に回してほしいと思います」

では、どのくらいまできれいにしたらいいのでしょうか?実際、滝沢さんにやっていただきました。

左・マーボー豆腐のタレが入っていたもの 右は肉が入っていたもの

マーボー豆腐のたれ(左)とお肉(右)が入っていたプラスチックです。
滝沢さんによれば、水で軽く、2、3回ほど洗えばよいとのこと。洗いすぎるとかえって水を汚すことになるからです。

意外だったのは、左のプラスチックの入れ物のようにうっすら色が付く程度なら、資源として出せる(※自治体によって異なります)ということです。しかし、中に油が残っていたりすると、ほかのごみと混ざったときに中身がこぼれ、汚れが広がってしまうおそれがある場合には、資源に出すのはやめていただきたい、と話しました。

滝沢さん

「ぬめりとか、べたつきがあったとしても多少であれば大丈夫です。清掃員の人たちと話していて、僕が目安に思っているのは、『リビングに置いておいても不快じゃない』という程度のものです。匂いがするとか汚れているごみが置かれていたら嫌ですもんね」

プラスチックごみに関してはさらにこんな悩みも寄せられました。

<アンケートに寄せられた悩み③>
「プラスチックごみに少しでも金属の部品が付いているときの捨て方が分からない」

滝沢さん

「金属の部分が切り取れるのであれば、やっていただきたいと思います。プラスチックからまたプラスチックのものを作る場合、金属の部分は邪魔だったりします。そういう場合は金属の部分を切り取って、自治体の指示に従って可燃ごみか不燃ごみに出してくれたらうれしいです」

プラスチック同様、多く寄せられたのが紙ごみについての悩みでした。その声からは、資源にしたいけれどもその出し方に悩んでいることが伝わってきました。

<アンケートに寄せられた悩み④>
「紙ごみはチラシやプリント、紙のハコとそれぞれ分けたらよいのでしょうか?」

滝沢さん

「チラシとかカレンダーとか、お菓子のハコやメモ用紙も紙資源や古紙で回収できます。意外に回収できるものもあったりするので、何が出せるのかをよく見てみて、資源で出してくれたらうれしいなと思います」

続いてはよく目にする紙のパックについて。

<アンケートに寄せられた悩み⑤>
「銀紙つきのパックは雑がみになりますか?」

滝沢さん

「銀紙付きのパックは資源回収として集めている地域もありますが、おおかたのところは集めていない場合が多いです。スーパーで集めているところもあります」

さらに、こんな質問も。

<アンケートに寄せられた悩み⑥>
「紙ごみにシールやホチキスなどの異物が付いていても、そのまま出してもいいのでしょうか?」

滝沢さん

「これはOKなんですね。りんごが入っている段ボール箱には太い金具が付いていますが、それをみなさん血だらけになりながら取ったりしています。ですが、これは本当に危険なので取らなくて大丈夫です。

実は、リサイクルするところによって異物を取る機械があり、金具などホチキスを取ることができるようになっています」

「なるべくごみにせず、資源になるように出してほしい」と繰り返し語っていた滝沢さん。
なぜごみを分別することが大事なのか、その思いを語ってくれました。

滝沢さん

「最大で2トンのごみを積むことができる清掃車が1日6回満杯になります。1台だけで1日10トンから12トンのごみを回収しています。清掃工場に行くと、10台とか20台の清掃車があつまってくる。つまり、自分の回収した分の10倍から20倍のごみになります。


東京全体、日本全体で考えてみたら、想像を絶するぐらいのごみの量が出ているということです。実は、最終処分場は日本全体で23~24年ぐらいで埋まってしまうとされています。(埋め立て処分が可能な期間は全国で平均にすると23.5年 2021年度末現在 環境省の調査より)。


僕はこの数字に衝撃を受けて、ごみを減らさなくてはいけないと思いました」

ごみの向こう側を考える あわや大惨事に!? 

滝沢さんの取材を通して感じたのは、ごみの問題は環境の問題だけではなく、出し方ひとつで誰かを不快な思いにさせたり、傷つけていることがあるということでした。

例えば、山積みにされている缶のごみ。見てみると、袋の中には飲み残しの液体が…。
液体はほかの缶にも付いていて、中はベタベタに。私たちは袋を空けることすら嫌だと感じるのに、これを手作業で分別している人はどんな気持ちになるのだろうかと感じました。

さらに、ごみの出し方次第でごみ収集を行う方々が危険な目にあっていることも知りました。滝沢さんは、何度もヒヤリハットの体験をされたのだそうで…。

ごみ収集を行う滝沢さん
滝沢さん

「不燃ごみを持ち上げた瞬間に、包丁が飛び出してきたことがあります。足を貫通していた、恐れもありました。アイスピックなどもそのままごみとして出されているので、矢のように袋から飛び出してくることもあります。


ごみを出したら、出した人はそれで終わりですが、回収する僕らの気持ちになってくれると助かりますね」

ごみが分別されていないことで、火災も起きています。東京消防庁によると、東京都内のごみ収集車で起きた火災は51件(2022年の速報値より)、そのおよそ半数がモバイルバッテリーなどに使われている充電式のリチウムイオン電池から出火するケースです。

滝沢さん

「リチウムイオン電池が使われている携帯型扇風機は、清掃車の後ろの回転板に挟まれて、圧迫されると火が出ることがあります。


その場で対処できればいいのですが40分後に急に出火することもあり、そうなると清掃車が燃えるのをただ見るしかないみたいなこともあります。


実際、僕の知り合いの清掃車が燃えたことがありました。『このぐらいはいいか』と適当に捨てる方も結構います。このごみはどう出せば良いのか、自治体のルールに従って捨ててくれるとうれしいです。正しく知ることが大切だと思います」

身近なごみのなかで、滝沢さんがとても危険だと感じているものがあります。それは意外にも食べ物に関するもの。

一般的に家庭にあるということで、アンケートでごみについての悩みについて答えてくれた方の自宅を滝沢さんと訪ねることにしました。

右から塚本文緒さん、兄・虹介くん(10)、弟・結月くん(7)

埼玉県に住む塚本さん一家です。塚本さん一家はだんごと焼き鳥が大好きで、よく食べるといいます。この日はおやつにだんごを食べていました。

そう、おうちでごみとしてよく出る竹串も滝沢さんたちごみ清掃員にとって「危ない」と感じるものなんです。

竹串はごみの袋に中にそのまま入っていると、清掃員が袋を持ち上げる際、突き破って出てくることも…。滝沢さんも昔、竹串が手のひらに刺さったことがあるといいます。

ふだんは半分に折って、可燃ごみとしてそのまま捨てているという塚本さん。
自治体によっては、竹串を折って紙に包んだり、テープでとめたりして捨てることを推奨しているところもありますが、滝沢さんはより清掃員がけがしない捨て方があると教えてくれました。

取り出したのはー、油が入っていたパックやペットボトルなどの入れ物。

※市町村によってごみ出しのルールは異なりますのでご注意ください。

滝沢さん

「油が入ったペットボトルや紙パックは中身をきれいにするのが大変です。可燃ごみか、地域によっては不燃ごみなど捨てますが竹串を容器のなかに入れれば、清掃車の中で圧縮されたとしても飛び出してこなかったりします。


こうすると、私たち清掃員が傷つかずにすみます。竹串はいつもブスブスと刺さるんですよ、痛いです」

続いて、塚本さんのお宅にあったごみで捨て方次第では危険だと滝沢さんが指摘したのは、ペットボトル。ペットボトルは収集車で潰されたときに、中の空気に圧力がかかってフタが飛び出すことがあるんだそうです。

滝沢さん

「フタだけは外してほしいです。清掃車に回転板があり、ペットボトルをあれで巻き込むんです。


潰れないと中に入っていかないのですが、そうするとフタがポーンと飛んできて、僕の友だちの清掃員の目のところに当たって大けがしました。血だらけになっちゃって、危ないです」

捨て方に困っているといって、庭先から塚本さんが持ってきてくれたのがバラの枝。

トゲがあって触るのが怖いとバラの枝はトゲの部分を紙に包んで捨てています。また、家の柿の木にくっついている毒性のトゲがある毛虫は、枝ごと切って段ボールで包み、さらに袋にいれ、テープで何重にも巻いて処理しています。

この捨て方に対して、滝沢さんは包むだけでなく、袋に何が入っているのかも書いてほしいとリクエストしました。

滝沢さん

「ごみ清掃員としては何が捨ててあるのかということがわかりたいので、例えば『毛虫注意』みたいなことを少し書いてくれたら、われわれも『あ、これは危ないんだな』と意識することができます。


何が入っているのか隠されるのが一番恐いです。中身が分かればさまざまな対処ができるので、ぜひ清掃員に分かるようにしてほしいです」

ごみで変わった人生観

いまは、ごみについてSNSなどでその捨て方を教えている滝沢さんですが、ごみ清掃員として働くまではごみには何の興味もなかったといいます。清掃員をするようになって、人生が変わったと話しました。

滝沢さん

「ごみになるからやめようかなと思うと買い物の仕方とか変わってきて、本当に必要なものしか買わなくなりました。以前は、着ている洋服が似合わないと言われたら、『安いからいいや、捨てちゃえ』みたいなところがあり、思い入れもなく買っていたことが多かったです。


清掃員を始めるようになってからは本当にちょっと高くても、思い入れを持って買うようになり、物持ちもよくなったんです。少しですが貯金も貯まります。人生が変わりました。だまされたと思って、みなさんも1回やってみてください。ごみを減らしたら人生変わります」

滝沢さん今後は、地域でコンポスト(生ゴミを堆肥化する装置)を広める活動を始めたいと考えています。日本全国でコンポストを普及させることで、ごみを減らしていきたいと願っています。

NHK「地球のミライ」インスタグラムではごみの分別のしかたについて、投稿しています。(※NHKのサイトを離れます)そちらもぜひ、チェックしてみてください!

ごみの分別で困ったことありませんか?ごみを減らすために何をしていますか、コメントで教えて下さい。

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担当 地球のミライの
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