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温泉に“異変” 入れなくなる日も…!?【インスタ画像でわかりやすく解説】

寒い日が続いていますが年末年始、温泉でゆっくりしたという人も多いのではないでしょうか?

いまや各地で日帰り温泉入浴施設が増え続け、約7800軒にのぼっています。

一方、各地の温泉では湯量の減少やお湯の温度の低下が報告されていて、温泉の持続可能性が危ぶまれています。

(NHK「クローズアップ現代」より)

※サムネイルの画像を矢印に沿ってスワイプすると、インスタグラム「地球のミライ」で投稿した画像の続きを見ることができます。

癒やしの温泉が“枯渇” 入れなくなる日がくるかも…!?

年末年始、温泉にゆっくりつかりたいという方も多いかもしれません。いまや手軽に行ける日帰り入浴施設は30年で2.5倍、全国に約7,800軒あります。しかし、温泉が湧き出なくなったり、お湯の温度が低下するケースが相次いでいます。40年で幕を閉じた施設も…

青森県八戸市にある入浴施設。2022年5月、40年の歴史に幕を閉じました。10年ほど前から水位が低下し始め、その都度くみ上げるポンプの位置を下げて対応しましたが、限界が。

入浴施設 元経営者 横田和広さん

「年々水位がさがって、ポンプを入れる場所が、それ以上深く入らないってことが見えてきました」

日本有数の温泉地、大分県の別府市。源泉数・湧出量ともに日本一を誇ります。しかし、入浴施設が多い市街地にある天満温泉では16年前に自然に湧き出る自噴がストップし、生活に利用されてきた温泉は入浴以外に利用することが禁止されました。

市街地の温泉の多くは、温泉から3キロほど離れた地区を経由して流れてくる地下水に支えられています。この地区では高度経済成長期、大型のホテルや旅館の営業が開始され、大量の地下の熱水がくみ上げられました。かつて過剰に熱水が奪われたことが天満温泉の異変につながっていると専門家は考えています。

今後、少なくなった熱水の流れに冷たい地下水が混ざることで温泉の温度が低下すると指摘。専門家らは40度~60度の温泉が100年後、20度~40度に低下するとの予測も。

京都大学 大沢信二教授

「温度が全体に低下していく。駅周辺部は温泉すら維持できないかもしれないというシミュレーションの結果が出ています」

大分県では2つの地域で新規掘削の規制に踏み切りました。

大分県自然保護推進室 浜田みほ室長

「『あって当たり前』と思われがちな温泉。限りある温泉の資源を使い続けていくために注意しなければいけない」

発電にも養殖にも! 温泉に学ぶ資源の活用法

いま各地で湯量や湯温が低下し、懸念されているのが“温泉の枯渇”問題。問題解決へは課題も多く、温泉をいかに有効利用できるかが求められています。SDGsの目標12にも、2030年までの天然資源の持続可能な管理、効率的な利用の達成が掲げられています。

福島市にある土湯温泉。その近くにある地熱発電所です。この施設では、もともと源泉から直接流していた温泉を旅館などに流す前に発電に利用しています。あらたに掘削をすることもなく、温泉に使用するお湯を使うだけなので環境にもやさしいのだとか。全国から注目されていて、この日は新潟県から視察が来ていました。

土湯温泉で養殖しているのが、東南アジア原産のエビ。一見温泉と結びつきませんが、実は発電のために必要な大量の冷却水が20度くらいに温まるため、そのまま川に流さずに利用しているのだそうです。国内で養殖している事例が少なく、新たな観光資源になっています。

2015年から始まった地熱による発電。その売上げは1億円以上にも及びます。その収益は地元の人が集まるコミュニティカフェの運営や、車の免許を持たない高齢者や通学する学生たちへの定期代を負担するサービスなどに使われています。

復興まちづくり会社「元気アップつちゆ」 佐久間富雄さん

「温泉を活用した発電やエビ養殖で地域を知ってもらう。温泉という地域の資源を中心に循環しながら、今後も町を盛り上げていければと思います。温泉がなければ町はなかったかもしれません。温泉は、地域の財産です」

インスタグラムでも画像を公開中

インスタグラム「地球のミライ」では、環境問題や気候変動のほかSDGsの達成に向け、いま課題になっていることを写真やグラフィックで紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。

インスタグラム「地球のミライ」※NHKサイトを離れます

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