脱炭素社会へ 国の「切り札」洋上風力のいまって【インスタ画像でわかりやすく解説】
脱炭素社会に向けて、国が再生可能エネルギー導入の「切り札」として強力に推し進めている洋上風力。
数年後、千葉県銚子市の沖合に30基以上の風力発電の建設が予定されています。
国が洋上風力をに期待する理由、そしてそれが地域に何をもたらすのか取材しました。
(NHK「千葉放送局『ニュース』」より)
※サムネイルの画像を矢印に沿ってスワイプすると、インスタグラム「地球のミライ」で投稿した画像の続きを見ることができます。
知ってほしい 自分が使う電気のこと

インスタグラムで風車の写真が多くあげられていますが、今回ご紹介するのは風車による発電を海の上で行う 「洋上風力発電」 です。実は、洋上風力は国が再生可能エネルギー大量導入の「切り札」としているんです。
風力発電は太陽光と違い、昼夜問わず発電でき、遮るものがないところでは効率的に発電が可能。しかも、陸上では建設にコストや手間がかかりますが、洋上風力は海に囲まれた国土の特性を生かし、大量のクリーンエネルギーを発電できるのです。
いま再生可能エネルギーの導入は喫緊の課題。極端な高温や豪雨が相次ぎ、世界的に気候変動対策が求められているからです。
日本は2020年度に電力供給の約20%だった再エネを、2030年度に36~38%まで増やす計画です。

国が主導して洋上風力発電の建設が進められているのは、秋田県能代市、男鹿市、由利本荘市、八峰町、三種町、千葉県の銚子市、旭市、長崎県五島市の全国8自治体。
この8つの自治体が洋上風力に関する新たな協議会を発足させ、有望な海域がある他の自治体にも参加を呼びかけることに。
名勝「屏風ヶ浦」の沖合で
日本一の水揚げ量を誇る銚子漁港。豊かな海である銚子市と旭市の沖合で行われるのが、洋上風力発電です。計画では31基の風車を建設し、2028年から少なくとも20年間にわたって発電を行うことになっています。
銚子の遠浅の海は海底に据え付ける風車の建設に向いており、さらに1年を通して風況もよいため、国が主導する洋上風力発電の事業、 第1弾に選ばれました。

地元が導入で期待しているのは「地域の発展への貢献」です。事業者の選定は国が行いますが、そこに千葉県内の企業は加わっていません。建設工事や部品製造、メンテナンスといった事業などに参入していかなければ地域の産業振興や雇用拡大にはつながりません。特に地元が参入を狙っているのは「メンテナンス」です。

メンテナンスは発電事業開始後も継続的に仕事があり、受注できれば長期にわたる地域の産業として根づかせられるためです。銚子にはすでに陸上に20基ほどの風車があり、そのメンテナンスで得たノウハウを生かそうというねらいもあります。
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熊谷俊人 千葉県知事
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「首都圏の中では一番安定して強い風が吹く場所なので注目度も高い。銚子市、経済界、漁協がこれだけ一致団結してやるぞとなっている地域は貴重だと思うので、できる限り波及効果が高まるようにわれわれも全力を尽くしたい」
インスタグラムでも画像を公開中
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