みんなでプラス メニューへ移動 メインコンテンツへ移動

みんなでプラス

温暖化が原因!?のりの養殖場が餌場に

東京湾で異変が…。養殖される「江戸前のり」の不漁が続いています。
その原因のひとつといわれるのが「クロダイ」です。
数十匹のクロダイがのりに群がり、ちぎって食べている姿も…。
専門家は、「海水温の上昇が冬もクロダイが東京湾で活動するようになり、のりの被害が増えているのでは」と指摘しています。

東京湾で異変

養殖される「江戸前のり」の不漁が続いています。

その原因のひとつといわれるのが「クロダイ」。実態を撮影しようと水中撮影に挑みました。
警戒心が強くすぐに逃げてしまうため、養殖場に無人カメラを設置…

4時間後 カメラが捉えていたのは、
数十匹のクロダイがのりに群がる姿です。
鋭い歯と頑丈のあごで、
のりをちぎって食べていることもわかりました。

専門家は、「海水温の上昇で 冬もクロダイが東京湾で活動するようになったため、のりを盛んに食べるようになり被害が増えているのでは」と指摘します。

海の環境変化が、身近なところにまで影響を及ぼし始めています。

東京湾で南方系の生き物を発見

「東京湾がまるで沖縄の海みたいになってきた」半世紀以上にわたって東京湾に潜るダイバーの話です。その情報を確かめようと、東京湾の入り口千葉県鋸南町の海に潜りました。

水深約8メートル、広がっていたのは海底一面のサンゴ。

そのなかに、九州や沖縄など温かい海でよく見られる南方系のサンゴ「エンタクミドリイシ」やその仲間を見つけました。

50cmを超えるものから3cm程の小さなものまで、20カ所以上で確認しました。
周辺には、黒潮に乗って南の海から東京湾に流れ着いたとみられるクダゴンベやハナミノカサゴなど、色鮮やかな魚たちの姿もありました。

専門家は、「近年、冬の水温が下がりきらず、本来なら冬に消滅していた南方系の魚やサンゴが 越冬して成長しており、東京湾の生態系が急速に変わりつつある」と指摘しています。

撮影:浅石啓介 高橋大輔

水俣の海の再生を“象徴” 新種ヒメタツが生息

水俣病が公式確認されてからことしで66年。大きなダメージを受けた海は、命の誕生に出会える貴重な場所に変わりました。

熊本県水俣市の海は、工場排水に含まれていた有機水銀によって公害被害を受けましたが、いまでは環境整備が進み、かつての豊かな海の姿が戻っています。

春には豊かな海藻の森が一面に広がり、クマノミやウミウシ・コケギンポが可愛らしい表情を見せてくれます。

クマノミ
ウミウシ

そしてこの海のいまの主役は、2017年に新種と確認されたタツノオトシゴの仲間の「ヒメタツ」。
水俣の海は、世界中のほかの場所では考えられないほどの高密度でヒメタツが住んでいます。

メスから卵を受け取ったオスは、およそ1か月前後かけて体の中で赤ちゃんを育てます。そして、ある夜お父さんは1時間ほどかけて、多い時には100匹あまりの赤ちゃんを海に放ちます。

渾身の力で体を何度も震わせるその姿は、水中で撮影しながらも応援したくなってしまいます。
最盛期にはあちこちで新しい命が誕生し、海は「出産ラッシュ」に湧きます。
撮影:河村信

みんなのコメント(0件)