
外出ダメ! “4時禁ルール”に賛否 見直しの動きへ
皆さん、“4時禁(よじきん)ルール”って聞いたことありますか?岐阜県内の小中学校の中に、子どもたちが早く下校しても午後4時ごろまで外出しないよう指導しているケースがあり、それが子どもたちや学校関係者の間で“4時禁ルール”と呼ばれているんです。
このルールを巡って賛否両論の議論が起こり、見直しの動きへと発展しました。

“4時禁ルール”とは
“4時禁ルール”は、授業が昼までに終わり子どもたちが下校した際、
▼小学生は午後3時まで
▼中学生は午後4時まで
などと自宅から外出しないよう求めるものです。
毎日適用されているわけではなく、教員が、研修や研究授業などのために元々の授業を昼までに終わらせ児童や生徒を下校させた時で、岐阜県内の公立の小中学校では、多い学校で月に1回程度あるということです。
“4時禁ルール”は、校則などで明文化されているケースは少なく、各学校が口頭で指導しているということです。
しかし、そのルールに違反すると個室で指導したり、反省文を提出させたりする学校もあるということが子どもたちへの取材で分かってきました。 実際に指導を受けたという中学3年の女子生徒は「先生が納得いく内容になるまで 反省文の書き直しをさせられることもある」と話していました。
また、中学2年の男子生徒は「ふだんは部活動で忙しく早く帰れる時くらいは 自由に過ごしたい。先生におかしいと伝えても“ルールは守るべきだ”と言われて それ以上なにも言えない」と話していました。
岐阜県内のすべての教育委員会を取材したところ県内42市町村のうち36の市町村から、「4時禁ルールを指導している学校がある」との回答を得ました。
ルールに賛否の声が
岐阜県内で塾を経営する男性が、子どもたちや保護者に行ったアンケートをとったところ、保護者からは「なぜ4時なのか明確な理由が分からない」とか「早く帰ってきて外に遊びに行ってしまうより、“4時禁ルール“はあった方がいい」などさまざまな意見が寄せられていました。
しかし男性は、議論が十分ではないことが問題だと指摘します。「教師に抗議した生徒もいるが『決まりだから』とか、『ルールを破るつもりなのか』と言われて議論になっていない。 しっかりとした議論や自由な意見を言える場を作ってほしい」などとして、指導の見直しを求め、インターネット上で署名活動を行っています。
専門家は「行き過ぎ」

学校の安全管理に詳しい名古屋大学の内田良准教授は、「先生たちが本来責任を負わなくてもいい学校外のことまで責任を負わされている。放課後は本来は自由な時間で学校が管理するのは行き過ぎた行為ではないか」と指摘しています。
なぜ?4時禁?
“4時禁ルール”を指導し続けるのには、学校側にも言い分があるようです。 指導の理由について各教育委員会は、それぞれの学校の判断だとした上で、 「両親が仕事で不在の家庭が多く教員も研修などがありトラブルに対応できない」や 「一部の子どもは研究授業に参加しているので 不公平が生じるため」などと答えています。
そのほか、 「ふだんは授業をしているから」「本来学校にいる時間なので家庭で学習して過ごすべき」などの声もありました。
ルールの見直しへ
廃止の署名活動も始まり、岐阜県教育委員会は2月に入って
・一律に外出を禁止すること
・反省文を書かせるなどの指導
これらをただちに取りやめることを岐阜県内各自治体の教育委員会に伝えていたことが分かりました。

岐阜県教育委員会学校安全課は、NHKの取材に対し「学校での指導が教育目的を達成するための合理的な範囲を超えていないか、子どもや保護者などから広く意見を聞いて議論した上で指導を見直してほしい」と話しています。
皆さんは、このルールについてどうお感じになったでしょうか。