
葉山潤奈さん 偽画像・デマの被害で「死にたいと思った」
芸能プロダクション社長、歌手、アパレルブランドのプロデュースなどいくつもの顔を持つ葉山潤奈さん。ユーチューバーとしても10~20代を中心に人気を集めています。そんな葉山さんは、過去にネット上で偽画像によるデマの被害を受け、「死にたい」と思ったことがありました。
「死にたくなった」 愛犬について根も葉もないデマが拡散
ユーチューブのチャンネル登録者数が20万人を超える葉山さん。「なぜ中卒になったのか」「婚約破棄の理由」など自分のこれまでの経験を赤裸々に語ったり、おすすめのメイクやファッションを紹介したりしています。
熱狂的なファンがいる一方で、アンチの人からは、しばしばネット上でデマを流されるなどの嫌がらせを受けてきました。特に悪質で、潤奈さんが精神的に追い詰められたのが愛犬に関するデマです。
当時、葉山さんは、生後4ヶ月になるチワワの「ジェス」を我が子のように大事にしていました。しかし、ある日潤奈さんが家の中で座っていると、ジェスが勢いよく走ってきて、葉山さんのひじに頭を強くぶつけしまいました。そのまま動かなくなり、死んでしまったのです。
-
葉山潤奈さん
-
「目の前でパタッと倒れたときに、私も冷静さを失ってパニックを起こしたし、泣いてしまって『どうしよう、どうしよう』って。すごい自分を責めて、何をしているんだろうっていう気持ちでした。」
その直後、葉山さんはジェスの死を伝えるブログを公開しました。すると、「葉山潤奈が犬殺しちゃった」という書き込みが相次いだのです。
その内容は日に日に過激さを増し、「愛犬の遺骨をネックレスにして販売している」との悪質なデマが拡散されるようになりました。
葉山さんがプロデュースした新作バッグを紹介する投稿に、全く別の犬の遺骨の画像を合成したフェイク画像まで出回りました。
さらに、韓国人の父親を持つ潤奈さんに対し「韓国人は犬を食べるから、食べたんでしょ」と中傷する、差別的な書き込みまでありました。
-
葉山潤奈さん
-
「そんな性格じゃないんですけど、私はやっていないのに、なんかいけないことをしてしまったと思ってしまうぐらい、心理状況がおかしくなるというか。本当に死にたいなって思ったくらいきつくって。どれだけ巻き返そうと思っても、フェイクのほうがどんどん、どんどんでかくなっていっちゃって。」

デマはスルーしない 私は戦う
ネットの世界では、スルースキルという言葉があります。デマや嫌がらせの被害にあった場合、あえてスルー、無視したり受け流すことで騒ぎが収まるのを待つことを指します。
しかし葉山さんは、自分が泣き寝入りしてしまうと、社長をつとめる芸能事務所に所属するモデルやアーティストにも迷惑がかかってしまうと考え、デマと戦うことを決意しました。
-
葉山潤奈さん
-
「ネットの中で言われているスルースキルは、嫌がらせを受けても無視しなさいとされているんですよね。それができない人は子どもっぽいみたいな。でもひたすら言われたことに対して我慢して言いたい放題にさせる、それもおかしいなってすごく思う。」
葉山さんは、拡散されている情報が根も葉もないウソであり、こうした投稿を今すぐやめてほしいと繰り返し発信しました。さらに、弁護士に相談し、悪質な書き込みの削除や、書き込んだ人の特定を依頼しました。
すると葉山さんの話を支持する人が増え始めました。「潤奈ちゃんはそんなことする人じゃない」とSNSで発信し、一緒に戦ってくれるファンも現れました。
被害者に愛のある言葉を

葉山さんは、同じような被害にあった人の相談に乗る活動を行っています。先日、都内のカフェで開いた相談会には、10代から40代の8人が集まりました。
大学生の大崎はるかさん(仮名)は、高校時代に仲のよかった友人が自殺してしまいました。その後、同級生の間で「大崎さんが殺した」「大崎さんが見捨てたからだ」というデマを流されたといいます。大崎さんは当時、相手のことが怖くてそのデマをはっきり否定できなかったと話しました。
また別の女性は、自分の娘がSNS上で同級生にデマや悪口を書かれて登校拒否になった経験を語りました。学校や同級生に対し強く抗議しましたが、娘からもうそっとしておいてほしいと言われたといいます。
デマに対して「スルーはよくない」と考えている葉山さんですが、参加した人の話を聞くと、しかたなく我慢している人が多いことを痛感しました。被害を受けた人がこれ以上傷つかないよう、周囲の人たちは味方になってほしいと感じたといいます。
-
葉山潤奈さん
-
「傷ついてる人がいたら、別に友達じゃなかったとしても、愛のある言葉を投げてあげるとことが増えるといいなって。私は分かってますよっていう言葉をかけるだけでも全然違うと思うし。みんながそういう風に変わってほしいなって、すごく思う。」