6月は「特異行方不明者」、理由が分からずに行方不明に
なっている人への警察捜査の限界についてお伝えします

ニュースウオッチ9

特異行方不明者 6月8日のニュースウオッチ9で放送
日本で行方がわからなくなる人は1年間に8万人。このうち3万7000人は、その理由がわからない「特異行方不明者」とされ、その数は、この10年で1.5倍に増えています。中には、事件や事故にまきこまれた疑いが強いにもかかわらず、捜査が行き詰まり、真相が解明されないままとなるケースも多いと指摘されています。
その一つが、平成14年、石川県に住む当時36歳の女性が、突然、行方不明になったケースです。女性は、当日、マラソン大会に出場した娘を応援するなど、普段と変わらない生活を送っていました。家族の捜索願いを受けた警察は、事件を疑いました。女性が、知り合いの男性に、消費者金融のカードを渡していたからです。男性は、そのカードで、多額の現金を引き出していました。さらに女性は失踪当日、カードを返してもらうため「男性に会いにいく」と友人にメールを送っていました。しかし、行方不明から2か月後に行われた男性の車や自宅の捜索では、女性の行方につながる手がかりは得られませんでした。女性が事件に巻き込まれたのか、確証を得られなかった警察は「特異行方不明者」とし、捜査は事実上打ち切られました。目撃情報の聞き込みなど人員が必要な捜査も行われず、事件かどうかの判断がされないまま、10年が過ぎています。特異行方不明者に対する警察の捜査の限界と、その課題を探ります。
タイ・日本人旅行者殺害事件 捜査を阻む国の壁 5月16日のニュースウオッチ9で放送
平成19年11月、タイに観光旅行に出かけていた大阪市の27歳の女性が、名所の寺院遺跡で、刃物で刺されて殺害されました。デジタルカメラが無くなり、タイの警察は強盗目的の殺人事件として捜査。被害者の上着からDNAが採取され、犯人につながる唯一の手がかりとして重視しています。現地周辺のタイの人との比較鑑定では一致する人物はおらず、当時、現地を訪れていた日本人を含む外国人旅行者にも捜査の網を広げようとしました。しかし、そこに国境の壁が立ちはだかりました。国をまたぐ捜査を阻むものは何なのか、被害者が生まれ育った日本の警察は捜査に加わらないのか、海外で起きた未解決事件が抱える課題に迫ります。
民事裁判で殺人の疑いと認定。捜査は?
14年前、多額の生命保険をかけられていた34歳の男性が、突然死亡しました。男性の死に疑いを持った生命保険会社が、保険金の支払いをめぐって民事裁判を起こし、その中で「男性は殺害された」と認定されました。ところが刑事責任については捜査が進まず、今に至っても事件だったのかどうかすら判断がつかない状態です。男性が運び込まれた病院で事件の疑いが見過ごされ、司法解剖なども行われないまま事件性を判断するのに十分な証拠収集が行われなかったのです。それから10年以上経った今、人が変死した場合、どのような証拠収集がされているのか。司法解剖の現場にカメラを入れ、その現状を探ります。
京都精華大学殺人事件
平成19年1月15日の午後7時45分頃、京都市左京区岩倉幡枝町で、京都精華大学のマンガ学部に通っていた当時20歳の千葉大作さんが刃物で刺されて殺害されました。現場には、千葉さんの自転車が残されていて、通行のトラブルが原因と見られています。暴言を吐きながら、繰り返し千葉さんに刃物を振りかざす男が目撃されていました。警察は、当初、粗暴な男による犯行と見ていましたが、最新の捜査手法で分析した結果、違う犯人像が浮かんできました。犯人は、いったいどんな男だったのか、事件から5年が経つ今の捜査に密着しました。
広島県廿日市市女子高生殺人事件
平成16年10月5日の午後3時ころ、広島県廿日市市上平良の住宅で、高校に通う当時17歳の北口聡美さんが、自室で刃物で刺されて殺害され、北口さんの祖母も重い傷を負わされました。現場は、国道沿いの住宅で、身長1メートル65センチくらいの若い男が目撃されています。現場には、運動靴の跡のほか、犯人のものと見られる掌紋(手のひらの模様)などが残されていました。事件から7年あまり。広島県警の未解決事件専従捜査班は、科学捜査の技術が進む中、わずかな手がかりをもとに、あらためて犯人に繋がる糸をたぐり始めています。