





「なぜオウム真理教は暴走したのか…」。
事件発生時から取材を続けてきたNHK記者・片桐高太郎(萩原聖人)は、教団初期からの古参幹部で、
これまでメディアの取材を受けていなかった深山織枝(富樫真)の存在を知る。
織枝の夫で元信者の早坂武禮(羽場裕一)を通じ取材を始めた片桐。
織枝は、バブル時代、デザイナーとしての仕事に違和感を抱き、
教団の前身であるヨガ・サークルに参加した時のことから少しずつ話し始めた。
カネや物欲にまみれた現世を否定し、魂の救済を掲げる麻原彰晃の言葉に惹かれ、
すべてを投げ打って出家した織枝。
家族的な教団内での生活や、激しい修行に充実感を得る日々。
しかし、教団はやがて変質しはじめる。
宗教法人となり、信者獲得を至上命題に掲げ「大企業化」していく教団。
そうした時期に起きた、ある「事件」。
それを隠蔽したことが、教団内に「闇」を生み、
教団内の「殺害事件」という一線を超えるきっかけとなっていく…。
700本の内部テープを入手した片桐は、
最初の「信者殺害事件」の直後、麻原が幹部向けに行った説法を発見する。
魂を救済するためと称し殺人をも肯定する内容。それは織枝自身にも聞き覚えのある内容だった。
暴走し始めた教団の牙はやがて外部へと向けられる。
坂本弁護士一家殺害事件。松本サリン事件。そして地下鉄サリン事件。
一部の幹部たち以外には秘密裏に進められた武装化。
織枝は教団の「闇」に気付き、詮索し始める。
しかし、「闇」を知った事で、織枝を待ち受けていたのは衝撃的な結末だった…。
