事件について

キツネ目の男
1984年3月、
江崎グリコの社長が、目出し帽を被った3人組の男たちに自宅から連れ去られるという誘拐事件が発生した。
当時の日本列島を震撼させたグリコ・森永事件の始まりである。
犯人グループは10億円と金塊100キロを要求する脅迫状を送りつけるが、誘拐された江崎社長は自力で脱出。
事件は解決に向かうと思われた。
しかし、犯人グループは「かい人21面相」と名乗り、
グリコだけでなく、森永製菓やハウス食品など食品メーカーを次々に脅迫。
犯行は次第にエスカレートし、
「どくいりきけん たべたらしぬで」と書いた青酸入りの菓子をスーパーに置くなどして、
「大量流通・大量消費社会」を人質にとる前代未聞の展開を見せた。

犯人は企業だけでなく、メディアにも140通を超す脅迫状や挑戦状を送り付け、
国民を巻き込んだ「劇場犯罪」の走りとなった。
のべ130万人もの警察官が投入されたにもかかわらず、2000年2月全面時効が成立した。
真犯人をめぐって、さまざまな説が取り沙汰されたが、
そのどれもが確証を得るものではなく、2011年現在、犯人の行方は分かっていない。
当時の事件を振り返る資料
事件の年表