未解決事件

大型シリーズ

File.10下山事件

2024年3月30日(土)

第1部 ドラマ
午後7時30分~午後8時48分 NHK G
第2部 ドキュメンタリー
午後10時00分~午後10時54分 NHK G

“戦後史最大のミステリー”として、
いまなお多くの謎につつまれる占領期最大の未解決事件「下山事件」。
今回、その闇が明らかになるー。

作:安達奈緒子 音楽:川井憲次
出演:森山未來 佐藤隆太
大沢たかお/溝端淳平 玉置玲央 前田旺志郎 森崎ウィン/渡部篤郎 ほか

1949年7月、国鉄職員10万人の解雇に関して労組と交渉中、忽然と姿を消した下山定則総裁。その後、無残な轢死体で発見された。検死解剖の結果、死体から血が抜き取られていたことが発覚。自殺か他殺かをめぐる大論争へともつれ込んでいく。東京地検の主任検事として捜査を指揮することとなった布施健(森山未來)は、自殺として不可解な点が多い事件から、他殺の糸口を探っていく。NHKではドラマとドキュメンタリーの2本シリーズで、いまなお続く「日本の闇」に新たな光をあてる。

第1部 ドラマ

「この事件は謎ばかり。
しかし10年追い続けて見えてきたことがあるんです。」

1949年7月、国鉄職員10万人の解雇に関して労組と交渉中、忽然と姿を消した下山定則総裁。その後、無残な轢死体で発見された。検死解剖の結果、死体から血が抜き取られていたことが発覚。自殺か他殺かをめぐる大論争へともつれ込んでいく。東京地検の主任検事として捜査を指揮することとなった布施健(森山未來)は、自殺として不可解な点が多い事件から、他殺の糸口を探っていく。

朝日新聞の記者・矢田喜美雄(佐藤隆太)は“伏せケン”と異名をとるほどマスコミに情報を漏らさない布施とぶつかり合いながら検察の捜査の核心を追う。複雑な迷宮のような事件を追跡する中で、布施はソ連のスパイと名乗る謎の男・李中煥(玉置玲央)にたどり着く。李は暗殺への関与を告白し、事件の背後でうごめく超大国の謀略と、犯人しか知り得ない驚くべき供述を始めるのだった―。

第2部 ドキュメンタリー

今回、取材班が入手した数百ページに渡る“極秘資料”。
そこには下山事件の知られざる姿が記されていた。

当時の捜査機関が本当は何を追っていたのか。事件に関与した疑惑の人物たちが何を語っていたのか。


中でも注目すべきはソ連の諜報員、李中煥(りちゅうかん)の資料だ。これまで謎とされていた「下山総裁がどう拉致されどこで暗殺されたのか」など死への道程が詳細に語られ、検察は李の供述を事件の真相として追跡していたことが明らかに。

その後、李がアメリカの諜報機関CICに出入りし“ある密命”を受けている疑惑が浮上。供述は真実なのか、虚偽なのか・・・その境界線で捜査は翻弄されていく。この謎に包まれた「李」を知る人物が、アメリカで生きていた事が独自取材で判明。アメリカの元諜報員で、GHQの反共工作部隊、Z機関(通称キャノン機関)に所属していた人物がカメラの前で語った事とは―。さらに事件の背後で、共産主義を弱体化させるためのアメリカ諜報部隊が動いていた実態も判明。「下山事件」「三鷹事件」「松川事件」と怪事件が相次ぐ中、日本を反共の防波堤とするために暗躍していた“工作部隊”の存在とは―。

出演者コメント

森山未來さん

現在の世界情勢における日本の立ち位置、その振る舞い、近隣諸国との関係性。
ある種、それらの原初につながるさまざまな要素が、この下山事件で交差しているのかもしれない。
知ったところでどうにもならないかもしれないが、知ることには意味がある。
少なくとも僕は、ある一端だけでも覗き見ることができてよかったと思っている。

制作者コメント

ドラマ演出 梶原登城

まるで「シナリオ」みたいだー。
今回、下山事件の概要を企画者の佐野Dから聞いたときの直感です。そしてそれはドラマが完成に向かう中でいよいよ強まっています。なぜならば、この事件は、「誰かが描いたシナリオ」だからです。そしてその「誰か」を、安達奈緒子さんと共に格闘した「シナリオ」で“あぶり出す”のがぼくらの挑戦となりました。

名作「曽根崎心中」を生み出した近松門左衛門は、「虚実被膜」という言葉を残しています。もの事はどこまでが虚(フィクション)でどこまでが実(リアル)なのかわからない。物語や人間のおかしみは、その薄皮一枚のグレーゾーンにあると。

フィクションの中にある真実を楽しんでいただけたら幸いです。

過去の放送

NHKオンデマンド NHKスペシャル