ケシュ#203(ケシュルームニーマルサン)
仲井陽(1979年、石川県生まれ)と仲井希代子(1982年、東京都生まれ)によるアートユニット。早稲田大学卒業後、演劇活動を経て2005年に結成。
NHK Eテレ『グレーテルのかまど』などの番組でアニメーションを手がける。
手描きと切り絵を合わせたようなタッチで、アクションから叙情まで物語性の高い演出を得意とする。100分de名著のアニメを番組立ち上げより担当。
仲井希代子が絵を描き、それを仲井陽がPCで動かすというスタイルで制作し、ともに演出、画コンテを手がける。
またテレビドラマの脚本執筆や、連作短編演劇『タヒノトシーケンス』を手がけるなど、活動は多岐に渡る。
オリジナルアニメーション『FLOAT TALK』はドイツやオランダ、韓国、セルビアなど、数々の国際アニメーション映画祭においてオフィシャルセレクションとして上映された。
「アルプスの少女ハイジ」。原作は今回初めて読んだのですが、環境を自分で選ぶことのできないハイジの繊細な心理描写に胸が締め付けられるようでした。
ハイジは作品が進むに従って成長してゆきます。キャラクターを作るうえで子供の5歳と8歳の違いを見せるために頭身をいつもより大胆に変更しています。
そして今回の色彩設定ですが、登場人物が意外に多いこの作品は、人物にキーカラーを設定することで、並んだ時の違いや同じ属性かどうかを分かるように設定しています。ハイジは赤、クララは水色、おんじは緑など、それぞれの色彩を目の覚めるようなアルプスの景色とともに決めていきました。
今多くの人が知っているハイジというキャラクターは、素直で愛くるしく、親しみやすい女の子です。
しかし原作を読んで、アルムの山々と都会であるフランクフルトとの対比や、ハイジが文明社会に入って行くことなどを鑑み、より自然児らしい振舞いにしようと思いました。
大人たちに翻弄されながらも、それでも知性を手に入れ、生命力を取り戻すハイジは、とても可愛らしくて個人的に愛おしいキャラクターになりました。