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アニメ職人たちの凄技アニメ職人たちの凄技

【第49回】
今回、スポットを当てるのは、
高橋昴也

プロフィール

高橋昂也 1985年 愛知県生まれ。
東京藝術大学大学院デザイン科修了。
アニメーション作家・イラストレーター。フリーランス。
テレビ、博物館、ゲームなどの分野で活動する傍ら、自主作品の制作も行なう。

高橋昴也さんに「夏目漱石スペシャル(第一回・第二回)」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

「三四郎」では、感受性豊かな若者の目を通して、新しい世界との鮮烈な出会いが綴られていきます。
現代も変わらない若者の内面に共感して、また時代特有の空気感にも触れることができました。

アニメーションを作るにあたっては、光に満ちた、堅実かつ軽やかな画作りを目標にしました。
意外とコミカルな面もある小説だと感じたので、ギャグアニメのような演出も効果的だと思ったのですが、力及ばず断念しました。

また、東京大学にある三四郎池を訪れて、原文と照らし合わせながら
登場人物の位置関係や景色の見え方などの手がかりを探しました。
あまり絵に反映されることはなかったのですが、意味のある工程だったと思っています。

一方、「夢十夜」は夢を見ている状態をそのまま文にしたような、理論を超えた作品でした。
それでも文から発せられるムードは既視感があって、強烈にイメージが沸いてきます。
それを自分が見る夢の感じを思い出しながらアニメーションにしていきました。

全く怖がらせるつもりは無かったのですが、絵が怖いという感想を持った方もいたかもしれません。
もしホラーに見えてしまっていたら大反省です。
不可解なものに対する得体の知れない不安が伝わっていれば狙い通りというところなのですが、いかがだったでしょうか。

高橋昴也の凄技にご注目ください!

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