アダチ マサヒコ 1983 大阪生まれ
2010 東京芸術大学大学院デザイン科修了
「BS歴史館」「NHKスペシャル・故宮」「シャキーン!」のアニメーションを担当。
2015年12月~2016年1月放送分の「みんなのうた」では過去に「ねむいいぬ」「おつきさまのうた」「ぼくのそらとぶじゅうたん」「願いごとの持ち腐れ」を制作。
最近では「3341」を制作した。
100分de名著では、「遠野物語」「枕草子」「ハムレット」「茶の本」「荘子」などを手がける。筆の質感などを生かした繊細なタッチが持ち味。
今回アニメを担当するまで、スピノザのことは全く知りませんでした。
神や自然に対する観念、特に既存の宗教神を否定していると捉えられるような彼の考えは、16世紀のオランダという時代背景を考えると、とても強い勇気と信念が必要なのだと思います。
私自身、大学に入るまでは結構周りの意見に流され同調してきたタイプなので、自分の信念を貫き通した彼はとても格好良く見えました。
彼の考えで一番好きになところは、自然物を見た目で「完全だ」「不完全だ」と判断するのは人間の思い込みにすぎない、というところです。
ここだけでも現代の人たちに読んで欲しいし突き刺さるところがあると思います。
アニメの作風に関しては、中世ヨーロッパの銅版画をヒントに、版画風に仕上げてみました。
モノクロではありますが何種類もテクスチャーを重ねており、地味に手間がかかって不安でしたが、そこを強い勇気を持って挑戦しました。