もどる→

アニメ職人たちの凄技アニメ職人たちの凄技

【第42回】
今回、スポットを当てるのは、
エニリズ / AniliŽ

プロフィール

スロバキアのアニメーション映画祭をきっかけに結成した大谷たらふと矢野ほなみによるアニメーションチーム。
NHK Eテレ「欲望の経済史」や「知恵泉-太宰治回」の番組内アニメーションなどを手がける。

左 / 大谷たらふ
作家集団6ninとして国内外での作品上映、テレビ、PV、CMや展示用映像などに関わった後、現在はフリーランスのアニメーション作家として活動中。第21回文化庁メディア芸術祭アニメ部門優秀賞受賞。

右 / 矢野ほなみ
愛媛県、島生まれ。2017年東京藝術大学大学院アニメーション専攻修了後、アニメーション作家兼フリーランスとして活動中。大学院卒業制作作品「染色体の恋人」が国内外の映画祭で上映される。

エニリズさんに「走れメロス」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

国語の教科書にも掲載されている太宰の「走れメロス」は、すでに多くの方と物語が共有されているのではないかと思います。
そのなかで、どのようにして動きと時間を操作してこの物語を見せられるのか、イマジネーションとおかしみのある動きを通して、物語を語ってみたいと思いました。

太宰は、メロスも王も、たった数ページの中でいろんな側面を描いています。
冒頭での王の残虐さや結末に描写される王の表情や激しい移動を伴い様々な感情を持つメロスの表現も、描かれ方によっては、大きく印象も異なることでしょう。
刻々と変化する彼らの中に詰まっているいろんな面を描ければと、絵柄や顔を時には別人に見えるくらい誇張して表現しました。

本編の制作にあたり、彼らの変化に振り切られそうになるくらい速くなる文章のリズムもまた「走れメロス」の面白さだと解釈したので、アップテンポに面白く表現するアニメーションになりました。

様々な味わい方があると思いますが、太宰の名著のまたひとつの入り口となるように楽しんでいただけたら嬉しいです。

エニリズさんの凄技にご注目ください!

ページ先頭へ
Topへ