ケシュ#203(ケシュルームニーマルサン)
仲井陽(1979年、石川県生まれ)と仲井希代子(1982年、東京都生まれ)による映像制作ユニット。早稲田大学卒業後、演劇活動を経て2005年に結成。
NHK Eテレ『グレーテルのかまど』などの番組でアニメーションを手がける。
手描きと切り絵を合わせたようなタッチで、アクションから叙情まで物語性の高い演出を得意とする。100分de名著のアニメを番組立ち上げより担当。
仲井希代子が絵を描き、それを仲井陽がPCで動かすというスタイルで制作し、ともに演出、画コンテを手がける。
またドラマの脚本や、連作短編演劇『タヒノトシーケンス』を手掛けるなど、活動は多岐に渡る。
2017年ホラント国際アニメーションフェスティバル・コンペティション部門ノミネート
2017年シュトゥットガルトアニメーション国際映画祭・パノラマ部門ノミネート
「高慢と偏見」のアニメのトーンを考えるに当たって、時代と物語は外せない要素です。
時代考証はコスチュームなど、違和感がないよう参考にしますが、アニメにする際にはあまり厳密に考えず、敢えて記号化しています。
物語は、相続財産についての問題がありつつも悲壮感はなく、人物同士の会話や主人公エリザベスの勝気なキャラクターも相まって全体的に軽妙なトーンになっています。
その軽妙さを表すために色合いを明るいパステル調に設定し、キャラクターそれぞれを意識した模様を壁紙などに反映させました。
また動きの面でも登場人物各々の性格が伝わるよう、表情や仕草など、それぞれに違った演技をつけました。
5人姉妹の中でも、長女はおっとりとした嫌みのない感じ、次女であり主人公のエリザベスは偏見を持っているけれども魅力的で、三女は逆に堅物、四女、五女はおしゃまな感じ、などなど……。
特にコリンズなど、クセの強い人物はその特徴が出るような演技をさせています。
今回は、ドラマと朗読とアニメと、3つの見せ方で物語を紹介していますので、整合性をとるため、キャラクターの外見はドラマの役者に似せています。
物語におけるキャラクターの立ち位置が一見して伝わるよう心がけて作りました。
ケシュ#203さんの凄技にご注目ください!