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アニメ職人たちの凄技アニメ職人たちの凄技

【第78回】
今回、スポットを当てるのは、
アダチ マサヒコ

プロフィール

アダチ マサヒコ 1983 大阪生まれ
2010 東京芸術大学大学院デザイン科修了
「BS歴史館」「NHKスペシャル・故宮」「シャキーン!」のアニメーションを担当。
2015年12月~2016年1月放送分の「みんなのうた」では過去に「ねむいいぬ」「おつきさまのうた」「ぼくのそらとぶじゅうたん」「願いごとの持ち腐れ」を制作。
最近では「3341」を制作した。
100分de名著では、「遠野物語」「枕草子」「ハムレット」「茶の本」「荘子」などを手がける。筆の質感などを生かした繊細なタッチが持ち味。

アダチ マサヒコさんに「華氏451度」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

この度、初めて未来の世界の話を担当することになりました。

ですが「華氏451度」には未来の描写はあまり多くは出てきません。
出てきても2021年の現代からしたら十分想像できる範囲です。

と思って読み進めていると急に機械猟犬が登場するのです。しかも8本脚で。

ここで急にテクノロジーが飛躍して、私は突き放された感覚になりました。

本を禁止された世界という設定もある上で、(まずその設定自体がかなり独特なのに)更に8本足の機械猟犬が出てきたことでこの世界の独特な不気味さを感じました。
と同時に私は魅力も感じたのです。

「華氏451度」は過去に二度映画化されていますがこの機械猟犬はどちらにも登場していないので読者にとってイメージしにくいモチーフだったと思います。

もしかしたら自分が初めて映像化するもしれないと(勝手に)思い、この機械猟犬は特に力を入れて製作しました。

なぜ8本脚なのか、なぜ口から針が出るのか、そういう疑問に答えられるフォルムや動きを追求しました。

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