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アニメ職人たちの凄技アニメ職人たちの凄技

【第76回】
今回、スポットを当てるのは、
川口恵里(ブリュッケ)

プロフィール

多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。2016年より株式会社ブリュッケに所属。アニメーション作家/イラストレーターとして、TV番組、企業CM、音楽PV、ワークショップ等、幅広く手掛ける。線画台を用いた、空間と光を活かした画づくりが得意。

川口恵里さんに「論語と算盤」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

江戸から明治へと時代が移り変わる中、世の中の構造や階級を疑い、既存の概念に縛られずに進んだ渋沢ですが、その渋沢に大きく影響を与えたのは、青年期の代官からの理不尽な扱いに憤りを感じたことや、海外渡航の経験だったので、今回のアニメーションへのこだわりとして、まずは、それらの渋沢の経験がなるべく印象に残るような表現を心がけました。

また、渋沢が農民から武士、そして実業家へと転身する中で、次から次へと身の置き方や地位に縛られず職を変えて柔軟に高い志を持って進んでいく様や、同時に目まぐるしく変化する境遇の激しさが、次から次へとステージをクリアしていく、RPGゲームの様にも感じられました。「士農工商」の説明パートから帰国後実業界に飛び込むまでを縮図化して描いたのは、そのような理由からです。

個人的に印象深かったのが、静岡で商法会所を開設したエピソードです。当時の静岡には徳川慶喜と一緒に移ってきた幕臣達が1万人以上いて、全員を養いきれないという状況があったそうで、そんな地域の特殊課題をも同時に解決するような仕組みを 多くの人々に働きかけることによって作り上げた渋沢の実績(中でも幕臣達に茶畑の職を進めたこと)を伝えたく、図式化をして表現をしました。

最後に、色味にも少しこだわりがありまして、今回は人物の肌色を少し紅のさした「少し不自然な」桜色にしています。これは 日本の素朴な自然の色合いのなかで、文明開化の時代感や 渋沢を鮮やかにかつ、少し現代的に描きたかったからです。

これらのこだわりで、渋沢がより鮮やかに視聴者の皆様に伝わったら嬉しいです。

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