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アニメ職人たちの凄技アニメ職人たちの凄技

【第70回】
今回、スポットを当てるのは、
ケシュ#203(ケシュルームニーマルサン)

プロフィール

仲井陽(1979年、石川県生まれ)と仲井希代子(1982年、東京都生まれ)によるアートユニット。早稲田大学卒業後、演劇活動を経て2005年に結成。
NHK Eテレ『グレーテルのかまど』などの番組でアニメーションを手がける。
手描きと切り絵を合わせたようなタッチで、アクションから叙情まで物語性の高い演出を得意とする。100分de名著のアニメを番組立ち上げより担当。
仲井希代子が絵を描き、それを仲井陽がPCで動かすというスタイルで制作し、ともに演出、画コンテを手がける。
またテレビドラマの脚本執筆や、連作短編演劇『タヒノトシーケンス』を手がけるなど、活動は多岐に渡る。
オリジナルアニメーション『FLOAT TALK』はドイツやオランダ、韓国、セルビアなど、数々の国際アニメーション映画祭においてオフィシャルセレクションとして上映された。

ケシュ#203さんに「伊勢物語」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

伊勢物語の原文は描写が少ないため、現存する絵巻物語をモチーフにアニメーションを構築していきました。
思い通りになりにくい世界での一瞬の心の通い合い。恋愛といっても対等な関係性を築けるわけでもなく、物語全体につきまとう満たされない寂しさを淡い色合いのグラデーションで表現しています。
また人物の演技も、激しい感情をみだりに表に出さないため、表情を風景に託し、舞う花や雨、雪などで幸福や哀切を表現しました。

アニメーションの導入に巻物が入ってくる演出は、実写からアニメーションへと乗り替わる際に弾みをつける狙いと、絵巻物の世界へスムーズに移行できるようにと考えたものです。 画面レイアウトについても、いつもは現実世界に即した考えで3D的にカメラを配置するのですが、今回は絵巻物に準じた見下ろし型の2D的な配置を積極的に取り入れました。 業平たちの雅な世界を感じていただけたら幸いです。

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