ページの本文へ

WEBニュース特集 愛媛インサイト

  1. NHK松山
  2. WEBニュース特集 愛媛インサイト
  3. 愛媛のかんきつ農家も被害 忍び寄るマダニ その危険性と対策

愛媛のかんきつ農家も被害 忍び寄るマダニ その危険性と対策

  • 2024年05月27日

いつのまにか忍び寄り、吸血する「マダニ」。
あなたは対策できていますか?

暖かくなり、山や川など自然の中でのレジャーなどを楽しみたいという方も多い季節ですが、草むらに潜んでいる「マダニ」に注意が必要です。
マダニが媒介するウイルスに感染すると10人に3人が死亡するというデータも。マダニの被害の実態と対策方法を紹介します。
 

(NHK松山放送局 秋山度)

特集の内容はNHKプラスで配信中の「ひめポン!」(NHKGTV午後6時10分~)でご覧いただけます。

画像をクリックすると見逃し配信が見られます!5/30(木) 午後6:59 まで

身近に潜むマダニ

身近な草むらにも潜んでいるというマダニ。街の人たちに対策をしているか尋ねてみました。

20代女性

「蚊の対策はしていますが、マダニの対策はしていないですね」

70代男性

「夜に半ズボンで歩いていたらマダニがひっついていました。ゴルフ場によく行くので心配です」

マダニの大きさはわずか数ミリ。幼虫は1ミリに満たず、注意深く探しても見つけることは簡単ではありません。かまれてもほぼ痛みを感じず、知らぬ間に血を吸われます。

10回以上マダニの被害に

かんきつ王国を支える人たちもマダニに悩まされています。
八幡浜市のかんきつ農家、玉井真吾さんは、毎年のようにマダニにかまれています。
その被害は10回以上。畑で作業中、知らぬ間にかまれて、入浴の際などに気づくことが多いといいます。

かまれるのは、腰や背中などさまざま。玉井さんの場合、痛みはないものの赤く腫れあがるといいます。
何度も咬まれた経験から長袖長ズボンを着たり、靴下の中に裾を入れたりと対策を取っていますが、それでもマダニはどこからともなく忍び込んでくるといいます。

「かまれた直後は特に痛みなどは感じず、しばらくしてかゆみが出てきます。体の表面をはっている感覚もないので、気づいたのときにはかまれています」

マダニが媒介するウイルス

SFTSウイルス

かまれる以上に怖いのがマダニが媒介する多くの感染症です。
その1つ「SFTS=重症熱性血小板減少症候群」のウイルスに感染すると発熱や腹痛など症状が出て、重症化すると死に至るおそれもあります。
致死率は30%というデータもあり、10人に3人が死亡するおそれのある、危険な感染症です。

感染経路は身近なペット!?

かまれるだけでなく、思わぬルートから感染することもあると指摘する声もあります。
今治市にある動物病院の南博文獣医師です。
マダニに咬まれたという犬や猫などを年間10匹以上、治療しています。

感染した場合、ウイルスはペットの唾液などにも含まれていて、ペットから人への感染も報告されています。
この病院では、これまで人への感染ケースはないということですが、飼い主への感染を防ぐため、感染が疑われたペットの治療は、原則、入院して行っています。

南博文獣医師

「犬の場合は散歩中にマダニにかまれることがあります。猫の場合は、屋外飼育している猫に注意が必要です。猫は唾液中にウイルスが排せつされているので、唾液から人への感染というケースも多いようです。大切なペットだけでなく、飼い主自身を守るためにもSFTSに十分注意して飼育してもらいたいです」

より身近になるマダニ

専門家は、温暖化の影響やマダニの“運び屋”にもなるイノシシなどの活動範囲の変化でマダニの生息地が広がっていると指摘しています。

愛媛県衛生環境研究所 四宮博人 所長

「気温があがってマダニの生息域が広がっているという可能性があります。県内でも山奥だけでなく、街中で草木があるところには、マダニがいる可能性が高いです」

マダニ対策は

マダニ対策はどうすればいいのでしょうか。専門家に聞いたポイントです。

1番は服装で、長袖、長ズボンや首にタオルを巻いて肌の露出を避けることが大切です。雨具などつるつるした素材のものを着るとマダニがくっつきにくくなり、さらに効果的です。また「ディート」や「イカリジン」という成分が含まれる市販の虫よけ剤を使うことも対策になります。

かまれる前であればシャワーなどで洗い流すこともできます。
帰宅した際には背中なども含めてマダニがいないか確認してください。

そして万が一、かまれてしまった場合は、自分で取り除くとマダニの口の部分だけが皮膚に残ったり、マダニを押しつぶすことでウイルスが体内に入りやすくなったりするおそれがあります。自分では取り除こうとせず、皮膚科など病院に行って取ってもらうことが推奨されています。
SFTSなどのマダニが媒介する感染症は潜伏期間があります。
野山に行ってから1週間から2週間ほどして発熱などの症状が出た場合は、マダニによる感染症も疑って、医師に伝えてみてください。

特集の内容はNHKプラス配信終了後、下記の動画でご覧いただけます。

  • 秋山 度

    秋山 度

    2012年入局。大学では生物学を専攻し、「生命の神秘」と「社会の不条理」を学ぶ。 福井局、水戸局、科学・文化部を経て、2023年から松山局。 
    海など広大な景色を前にすると大声で歌いたくなってしまうのが悩み。

ページトップに戻る