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予讃線 伊予西条-今治 開通100年を迎えて

  • 2024年02月15日

瀬戸内の沿岸部を走るJR予讃線。高松駅と宇和島駅を結び、営業距離にして297.6キロの四国最長の路線だ。開業以来、西に向かってと順次、延伸を続け、このうち伊予西条駅と今治駅の間の区間が開通して、ことし2月11日に100年を迎えた。今治駅で記念式典が行われると聞き、宇和島から遠路はるばる予讃線の特急列車に揺られながら今治まで足を伸ばしてみた。

(NHK松山放送局 宇和島支局 山下文子)

特集の内容はNHKプラスで配信中の2月13日(火)放送「ひめポン!」(NHKGTV午後6時10分~)でご覧いただけます。

画像をクリックすると見逃し配信が見られます!見逃し配信は2/20(火) 午後6:59 まで

現在のJR予讃線が完成するまで、その道のりは長い。高松駅開業したのは1897年だが、終着の宇和島駅まで全通が開通したのは、半世紀近くの時間がたった1945年6月20日である。今では四国の大動脈として通勤や観光に多くの人々が利用している。

今から100年前の写真がある。木造駅舎に蒸気機関車が止まっているのが確認できる。当時は、駅のことを停車場と呼んでいた。当時、今治には国の重要港湾地として新たに港を整備し、港と駅を結ぶ都市整備を進めていた。海運業が盛んな今治で、新駅の開業は地域経済を活気づけたことに違いない。

JR今治駅 毛利真也駅長

「当時の資料をひもといてみますと、一番列車が来たときには町の人たちが小旗を振って歓迎して、祝う宴が三日三晩続いたという話も聞いたことがあります。もともと列車がないところに列車が来たということは町としてもすごい大きいことだったようです。海事都市ですから、駅がにぎわうと港までずっと人が集まってきたでしょうから」

NHKに残る古い映像があった。昭和39年、駅に入った急行列車から中学の制服に身をつつんだ大勢の若者がホームに降りてきている。集団就職列車だ。高度経済成長期になるとタオル産業で繁栄した今治市。「金の卵」と呼ばれた彼ら彼女らは、この駅から新たな生活をスタートさせ、日本の経済発展に貢献した。
 

2月11日、今治駅のホームで行われた100周年を祝う式典には、沿線の自治体の関係者も出席し、記念のくす玉が割られた後、ふだんは予土線で運行している0系新幹線を模した「鉄道ホビートレイン」が7便、伊予桜井駅と菊間駅の間を特別運行した。市内の親子連れが招待され、子どもたちは車両に乗り込むと思い思いに楽しんでいた。

参加した親子

「長い歴史があるんだなと感動しました。子どもは電車とか乗り物がすごい好きなので、ふだん乗れない列車に乗れて、大喜びしていました。私もうれしいです」

鉄道ファンの心をくすぐる、記念品も限定販売された。伊予西条駅と今治駅の間の記念乗車券だ。「硬券」と呼ばれる硬い厚手の紙の切符で、スマホやICカードでによる改札が普及する中、昔ながらの鉄道の雰囲気を楽しむことができる。限定1000セットということもあって、販売開始前からみどりの窓口には長蛇の列ができていた。購入した鉄道ファンの男性に話を聞くと、「高知県から買いに来ました。高校生の時にはこういうきっぷでしたね。懐かしいです」と顔をほころばせていた。

左:すまいるえきちゃん 右:バリィさん


式典に合わせて駅周辺には、キッチンカーが出店したり、今治市郊外の鈍川温泉の足湯やミニ列車乗車会が楽しめるブースが設けられるなど、駅周辺はにぎわった。不動の人気を誇る今治市のバリィさんもお目見えし、記念撮影会にはこれまた長蛇の列ができていた。負けじと、JR四国のイメージキャラクター「すまいるえきちゃん」も飛び入り参加。知名度ではバリィさんには及ばずとも、ここぞとばかりに、ちびっこたちに近づいて、しっかりとアピールしているではないか。

取材後記

コロナ禍で大きく落ち込んだ鉄道需要。JRも利用客の回復に向けて沿線の地域と連携しながら、あの手この手の仕掛けを打っていかないといけない。開業100周年を迎えたこの駅もまた、地元から人を送り出すばかりではなく、観光客を呼び込み、地元に戻ってくる人たちを温かく迎えるために役割を果たしたいというのが本音だろう。これからの100年を見据えながら、鉄道の未来について思いをはせるのであった。

特集の内容はNHKプラス配信終了後、下の動画でご覧いただけます。

  • 山下文子

    山下文子

    2012年から宇和島支局を拠点として地域取材に奔走する日々。 鉄道のみならず、車やバイク、昭和生まれの乗り物に夢中。 実は覆面レスラーをこよなく愛す。

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