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生誕90年 “食”から伊丹十三を知る

  • 2023年11月24日

映画「マルサの女」など映画監督や俳優などとして活躍した伊丹十三、松山で高校時代を過ごすなどゆかりが深く、今年(2023)生誕90年です。
そこで松山市内にある伊丹十三記念館では、特別記念企画展が開催されています。
テーマは“食”、ちょっと意外に感じる方も多いのではないでしょうか。
伊丹さんが実際に使っていた食器や調理器具が210点も展示、エピソードも満載。
伊丹さんにとても親しみがわく内容でした!

(NHK松山放送局 永井伸一)

お出迎えは・・・

企画展のテーマは、伊丹十三の「食べたり、呑んだり、作ったり。」

料理中の伊丹さんの写真と企画展のテーマ

まず、目に飛び込んできたのが、大きな白い壁!

白い壁には伊丹さんのイラストやことばが並ぶ

イラストや言葉がたくさん!!
伊丹さんは、エッセイストとしても知られています。
食に関するエッセイから引用した文章や、伊丹さん自身が書いたイラストが並んでいました。

ここで案内してくれた、伊丹十三記念館、学芸員の橘さくらさんから、こんな話が!

学芸員の橘さくらさん

「伊丹さんは、エッセイ『ヨーロッパ退屈日記』の中で、スパゲッティの茹で方“アル・デンテ”を紹介しています。今では当たり前のように私たちは使っていますが、実は伊丹さんが、このエッセイで日本で初めて紹介したとも言われているそうです」

まずは「食べたり、」

「食べたり、」のコーナーには、自宅で愛用していた食器などが並べられています。

このお皿は、伊丹さんが1960年代から愛用していたとのこと。
特に注目してほしいと、橘さんが紹介してくれました。

このお皿、実は・・・

なんと、伊丹さん出演のカレーやマヨネーズのCMなどに登場していたそうです!
CM制作にも熱心だった伊丹さん、映るお皿にも相当なこだわりがあったようです。

伊丹さんは、得意料理のかに玉などを作って、このお皿に盛り付けていました。

使い込まれたお皿にも秘密が・・・

よく見ると金継ぎがしてあります。
愛着のあるお皿は、割れても修繕して大事に使っていたそうです。

続いて「呑んだり、」

「呑んだり、」のコーナーで目を引いたのは、たくさんの杯です。
色も形も様々で、同じものがありません。
お酒を飲むのが好きだった伊丹さんのこだわりが詰まっています。
 

たくさんの杯

こんなにもたくさんある杯。どうしてこれだけあるのか…
伊丹さんは、その日のお酒に合わせて杯を選んで呑むのが大好きだったそうです。
ちなみに、これらの杯、伊丹さんが監督を務めた映画に登場しています。
それは映画「お葬式」です。
宴会のシーンで、出演者が手にしている杯は、この中から好きな杯を選んで出演しているそう。

伊丹さんが好んだお酒も紹介されていました。
それは芋焼酎。1970年代に旅番組で全国を回っているときにハマったそうです。

伊丹愛用の魔法瓶も

特に「お湯割り」で飲むのが好きだった伊丹さんは、この魔法瓶を使用。
この魔法瓶も映画「お葬式」の冒頭で登場しているとのことです。

さらに、伊丹さんのご自宅で実際に使われていた冷蔵庫も展示されていました。
その冷蔵庫の左にある「柱」を見てみると…「栓抜き」がありました!なぜ???

冷蔵庫から取り出した瓶ビールを・・・

お酒を飲むときの伊丹さんは、目の前にテーブル、背後には冷蔵庫という位置関係だったそう。
伊丹さんは、座ったまま冷蔵庫を開けて、中から瓶ビールを取り出し、座ったまま栓を抜いて飲めるよう、手の届く柱に「栓抜き」を取り付けたそうです。
なんだかユニークですし、豪快な方なのではと思ってしまいました。

最後は「作ったり。」

「作ったり。」のコーナーには、伊丹さんが実際に使っていた調理器具が並べられていました。
どれもプロの料理人が使いそうなものばかりで、しかもサイズが大きい!

特に、この玉子焼き器は特大!
伊丹さんは、なんと卵7個を使用して卵焼きを作っていたそう。本当に大きい!

伊丹愛用の特大卵焼き器

なぜ、この特大卵焼き器で、毎日卵7個使った卵焼きを作っていたのか?
実は、東京の蕎麦(そば)の名店の味を再現しようとしたんだとか。 
特大卵焼きを食べ続けた息子さんは、お顔に「ニキビ」ができたそうです…笑。
家族の思い出が詰まった卵焼き器に、思わず微笑んでしまいました。

この企画展を通じて伝えたいことを学芸員の橘さんに伺いました。

調理器具を前に橘さんに伺うと・・・

「映画監督をしていたり、エッセイもおしゃれなものも多かったり、そこから堅苦しいイメージを持っている方が多くいるかもしれませんが、食を通した企画展から、伊丹さんをより身近に感じてほしい」

永井伸一の感想

伊丹さんと記念に1枚!

食に関するエッセイの生原稿なども展示されていて、本当に見ごたえたっぷり!
「そんなことがあったんだ」「これも映画に登場しているのか」と思わずうなるものや、
思わず笑みがこぼれてしまうような展示や解説など、伊丹さんを身近に感じられる内容でした。

記念館では、伊丹十三さんの「十三」にちなんだ取り組みもしています。
それは、ほぼ毎月13日の午後1時(13時)から伊丹映画を1本ずつ上映しているのです。
こうした上映会や今回の企画展をきっかけに、伊丹さんの世界をまた別な角度から見ることが出来るのかもと思いました!

こんな感じで撮れました!
  • 永井伸一

    永井伸一

    1993年入局。現在は「四国らしんばん」を担当。座右の銘は「しっかりしていなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格がない」

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