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好調・愛媛FCを支える営業マン

  • 2023年09月11日

現在、J3で首位を快走中の愛媛FC(26節終了現在)。 
入社2年目の土居宗将さんは、プレーヤーとして、サッカーのエリートコースを歩み、その後、お笑い芸人を経て、去年、愛媛FCに入社した、異色の経歴を持つ営業マンです。
今は、その経験を存分に活かして、チームを盛り上げています。 
活動ぶりとその思いを取材しました。

(松山放送局 荻山恭平)

トレードマークは“どいーね!”

オフィスで仕事中の土居さん

愛媛FCの営業マン、土居宗将(どい・そうすけ)さん(34)。 
主にスポンサー営業を担当していますが、別の一面も・・・。

ケーブルテレビ番組を収録中の土居さん

お笑い芸人出身のトーク力を活かし、地元のケーブルテレビ局で愛媛FCを紹介する番組の司会をしたり、 ホームゲームのイベントの企画や司会も担当しています。

トレードマークは、自分の名前を絡めたポーズ「どいーね!」。

トレードマークの“どいーね!”ポーズ

「“どいーね”っというのはですね、もともと僕が芸人時代に“土居” と “いいね”で“どいーね”いいんちゃう?と先輩芸人から言われて、『あ、それいいですね』といただいた、あいさつギャグみたいな感じです。あんまり芸人時代使ってなかったんですけど。
選手とかサポーターとか、フレーズとして覚えてくださって、声かけていただいたりっていうのはありますね。そういうのはありがたい、うれしいですね」

サッカーのエリートからお笑い芸人の道へ

高校時代の土居さん(左の19番の選手)

土居さんは、高校サッカーの名門・石川県の星稜高校の出身で、高校3年生の時(2007年)には、全国高校総体で準優勝を経験しました。
早稲田大学でもプレーし、Jリーガーを目指していた時期もありました。
しかし、周囲との実力差を感じた土居さんは、Jリーガーへの道をあきらめ、以前から興味のあったお笑い芸人の道に進みます。

「サッカーをやめた後、もしくはJリーガーや、日本代表になれた後でも、ゆくゆくはテレビの方に行きたいなと思っていました。前園さんとか、ゴン中山さんみたいになりたいなっていう気持ちがあったんで、いつかこうチヤホヤされる世界に行きたいなというのがあったので」

大学在学中から、お笑い芸人の養成所に通い、活動を始めました。そして2014年に漫才コンビ「きみどり」を結成、関西の漫才コンクールで優勝したり、漫才の日本一を競うコンテスト、M-1グランプリにも出場しました。
コンビを解散後、去年、愛媛FCに入社しました。

なぜお笑い芸人をやめて愛媛FCに?

「芸人の時もサッカーの仕事をいろいろさせてもらったりとか、そういうところでふれあったJリーグが面白いなっていうのがあったんで。愛媛県自体には、もともと父が松山出身で、祖父母もいましたので、幼少期から年に2、3回は必ず来ていました。全Jリーグクラブを見たときに、愛媛FCが一番意味があるクラブかなっていうのはありました。あとは、僕が入る前に、チームがJ3に降格していたっていうのも、プラスの材料というか、ここからまた、上に上がっていく面白さみたいなものも一緒に味わえるかなと思ったので」

選手の魅力を発信したい

土居さんは、地元のケーブルテレビ局で、自らが企画を考え、司会を務める番組を持っています。土居さんが、選手たちの知られざる一面を聞き出し、紹介します。
台本もなく、土居さんのアドリブと、持ち前のトーク力を活かして、選手たちの魅力を引き出していました。

「サッカー好きな人はいいですけど、(Jリーグ観戦経験の浅い)ライトな方とか、(選手が)男前だから応援したいとか、パッと見て面白そうだからという理由で入ってこられる視聴者の方だったり、スタジアムに来られる方に、ちょっとでも引っかかるような、人間性とかがあるほうが応援しやすいかなっていうのがあるので。そういうのを僕が、手助けできて、面白いところあるよっていうのを伝えられたらという気持ちでやってますね。
Jリーグクラブのスタッフは、選手と距離があるなとすごい感じていて、それがもったいないなって思っていたんですよ。選手が結果を残してくれれば、お客さんが増えたり、チームが潤ったりするわけですから、そうなるように、僕ら営業やビジネススタッフも、選手とコミュニケーションをとるべきだと。同じ組織にいる人間ですから、近い存在でいたいなと思いますね」

サポーターと多くの感動を共有するために

試合前のイベントを盛り上げる土居さん

愛媛FCは試合当日、スタジアム前の広場で、イベントを開催しています。
土居さんは、そのイベントを企画し、自ら司会も務めます。取材に訪れた日は、選手と子供たちが水鉄砲の撃ち合いを繰り広げていました。
イベントの企画は、土居さんの幼少時の体験が原動力になっているといいます。

「僕が初めて、街中のイベントというか、じゃんけん大会に参加したんですよね、小さいときに。そのときに、じゃんけんに勝って、いいお肉をいただいて、家に帰って、おじいちゃんとか、おばあちゃんとかと一緒にすき焼き食べたっていうのが、みんな笑顔になっていたっていう思い出があったんですけど。愛媛FCの試合に来て、(勝利後の)餅まきもそうですし、じゃんけんに買って景品をゲットしたとか、選手にサインもらえたというのは、思い出に残ると思うんです。そういう愛媛FCのイベントに行って面白かった思い出が、(記憶の中に)刷り込まれているような少年時代とか幼少期になっていけたら、愛媛FCはこれからもお客さんが増え続けるんじゃないかなと思うので、種まきみたいなところも含めて、やっていて絶対良いことだと思いますけどね」

この日の愛媛FCは、3ゴールを奪う活躍で勝利。首位をキープしました。
今シーズン、4年ぶりに復活した、勝った試合の後だけに行う餅まきもすることができました。好調な今シーズンは、餅まきの回数も増え、サポーターも喜んでいます。

土居さんは、サッカーを通じて、少しでも多くの方々と感動を共有したいと思っています。

「クラブが明るくなったりだとか、チームがいい方向に向くというような存在になれればいいなと思いますけどね。(J2に)昇格した瞬間に、サポーターの人たちも、もしかしたら、スタジアムの中に入って選手と一緒に喜びたいっていう感覚があると思うんですけど、僕はそれの8歩先ぐらいで、スタジアムの中入っていこうかなと思いますけどね」

昇格の瞬間は、ピッチで選手と喜びを分かち合いたい?

「そうですね、そこでするハイタッチとか、やっぱり同じ温度でというか、お互いに、もちろん選手が一番頑張ってくれてますけど、褒めたたえられるようなシーズンになれば最高ですけどね」

取材実感

今、Jリーグなどのプロスポーツチームでは、試合の勝ち負けに関係なく、スタジアムに来たお客さんを楽しませる施策が重要視されています。愛媛FCも、スタジアム前の芝生広場を活用し、様々なイベントを開催しています。土居さんは、そのイベントを企画し、芸人時代に培ったトークで盛り上げています。時折、ギャグを織り交ぜ、見る人を楽しませる土居さんのトークに引き込まれました。
選手とサポーターが一緒に楽しめるイベントを企画し、地元ケーブルテレビ番組では、選手の知られざる一面や魅力を発信。まさに土居さんは「選手とサポーターをつなぐ存在」です。J2昇格という大きな目標を達成するために、チームとサポーターの一体感が、今は確実に良い方向に向かっています。

  • 荻山恭平

    アナウンサー

    荻山恭平

    平成9年入局。プロ、アマチュア問わず愛媛のサッカーをこよなく愛する。愛媛FCのJ2昇格後初試合、横浜FC戦での猿田選手のゴールは忘れられない。 

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