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今月始まるコロナワクチン接種 実施対象・感染状況は?

  • 2023年09月05日

新型コロナウイルスは5類に移行し、社会としての行動制限はなくなりましたが、今月20日からはワクチンの追加接種が新たに始まります。
対象は生後6か月以上のすべての人となっていますが、実際にどのように接種が実施されるかは、自治体によって異なります。
県内すべての市や町ごとの対応やこれまでの接種との変更点などをまとめました。(取材班)

“努力義務”など 重症化リスク高い人に限定

まず、今回の追加接種は全額が公費負担で、使用されるのはオミクロン株の派生型「XBB系統」に対応したワクチンです。

これまでと大きく変わるのは、「努力義務」や「接種勧奨」の対象が高齢者や重症化リスクの高い基礎疾患のある人に限られたことです。

この2つの規定は、ワクチン接種についての国からの関与を定めたもので、日本脳炎や風疹などのにも適用されているものです。それ以外の人たちにはこうした規定の対象にはなりません。このため接種券を送るかなど、今回の接種をどのように実施するのかは自治体ごとに判断することになっています。

あなたは対象?市・町ごとの対応一覧

そこでNHKでは9月4日現在で県内の20の市と町に取材しました。その内容をまとめたのが次のリンクです。(自治体が所在する地域名をクリックすると表示されます)

(最新の状況などは各自治体の窓口に確認してください)

見通せないワクチンの供給量

まず、高齢者や基礎疾患のある重症化リスクの高い人にはほとんどの市や町が接種の実施を決めています。
対応が分かれるのが12歳から64歳の人の接種です。17の自治体は実施するとしていますが、このうち8の市と町は重症化リスクの高い人たちを優先した上で、ワクチンが確保できれば実施、もしくは実施を検討するとしています。

また、小児用(5~11歳)については、「未定」が4の市と町で、近隣の自治体との調整が必要としている町も5あります。
乳幼児用(生後6か月~4歳)については、「未定」が7の市と町で、近隣の自治体との調整が必要としている市・町も9あります。

対応が分かれる要因は、ワクチンの供給量が見通せないことです。
愛媛県によりますと、県全体で確保できる予定のワクチンは9月4日現在、成人用がおよそ26万回分、小児用は4600回分、乳幼児用は2200回分です。
この限られた量のワクチンを県が市と町に分配していくことになっているため、「未定」という回答が少なくないのです。

砥部町「接種は綱渡り」

各自治体はどのように対応を進めているのか。このうち砥部町では高齢者と基礎疾患がある人を対象に今月8日から接種券の送付を開始する予定です。

砥部町に供給される予定のワクチンの数は、12歳以上が打てるもので4450回分。
春に行われたワクチン接種では、高齢の住民7000人のうち4000人余りが接種しました。
今回のワクチンはおよそ2万人の町民全員には行き届きませんが、高齢者と基礎疾患がある人のうち希望する人の分は確保できるとみています。
ただ想定以上に希望者が増えると対応できなくなることや、64歳以下の人の分は確保できないことに懸念も抱えています。

また、生後6か月から4歳までの乳幼児を対象としたワクチンの供給がないため、希望する人に、供給がある近隣の市や町に行って接種してもらうことができないか、ほかの自治体と調整しています。

砥部町保健センターの篠原雅尋さん
「毎回はっきりしないので接種は常に綱渡りではあります。ワクチンを配分していただけたら、打ちたい人がほかの市町さんに行って接種しなくてもいいのにと思うところはあります」

県では小児や乳幼児用のワクチンの供給がない自治体がある理由について、国からの供給が限られる中で自治体の人口に応じて配分しているためだとしています。
また、ワクチンは100回分など一定の量が入った箱で送付するため、例えば人口比で計算して100に満たない自治体には「ゼロ」になるケースがあるといいます。
このため、県としてもワクチンの配送後に自治体間で融通し合うよう促しているということです。

専門家に聞く 感染状況とワクチン

それではそもそも私たちはワクチンを接種したほうがいいのか、現在の感染状況とあわせて愛媛県立衛生環境研究所の四宮博人所長に聞きました。

Q)今の県内の感染状況は。
A)コロナが5類に移行したあと、ずっと右肩上がりで上がっている状況だ。直近では、1医療機関あたりの平均で17人ぐらい感染者が出ている。インフルエンザなら定点あたり1人を超えると流行期に入り10人になると注意報になる。それと比較するとかなり流行しているという認識だ。
さらに今は必ずしも全員の検査が行われてないこともあって、実態は、報告の数よりも相当多い可能性もある。

過去に接種のワクチン効果落ちる

Q)過去の感染と比較するとどの程度か。
A)過去、一番感染者が多く出たのが(去年の秋から冬の)第8波だが、今回はそのピーク時の半分ぐらいまで来ているのでかなり大きい流行だ。症状が重くなって救急搬送された人も相当数いるという印象を持っている。

愛媛県立衛生環境研究所の四宮博人所長

Q)主流となっている変異株「XBB系統」とは。
A)県内でも95%以上がXBBタイプになっている。遺伝子が非常に大きい変化をしてるのが特徴で、これまでに打ったワクチンの効果は大きく落ちていると考えられる。感染力も強くなっていて、一度感染した方の再感染ということも含めて増加が懸念される

“接種検討を”

Q)ワクチン接種の「努力義務」などは重症化リスクの高い人に限定されているがそれ以外の人たちはどうすべきか。
A)重症化リスクの高い人たちは「努力義務」などの対象になっているが、若い世代でも感染が広がると、中には亡くなる人もいる。若い世代で感染が拡大して、それが高齢者に波及するというケースも多いため、接種可能な場合はぜひ検討していただきたい

Q)追加接種のワクチンの供給量が見えないことから自治体の対応も分かれているが。
A)今回のワクチンは初めて日本では使用される。国としての供給量の状況はまだ把握できていないが、まずは最初に重症化率の高い高齢者から接種を進めて、国は徐々に供給を増やしていくと思う。あまり心配はしていないが今後の推移を見ていくのが大事かなと思う。

“日常的に感染対策を”

Q)これから秋冬になるが5類に移行したコロナに私たちはどのように対応すればいいのか。
A)コロナは12月や1月ごろに流行しやすいという性質があるので、感染対策をしっかり日常的にやっていただきたい。

5類への移行は、厳格な対策による社会経済活動や教育への影響などの弊害も考えると妥当な判断だったと思う。一方でコロナが収束したわけではなく、次々と新しい変異株が出てきている中で、個人や家庭として、重症化や最悪の場合に人が亡くなるリスクから身を守っていくということはしないといけない。感染対策、それにワクチン接種も、ある意味自己責任で、最善の選択をしていかなくてはならない。
 

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