2022年9月14日

「UFOラインでUFO遭遇に挑戦」ツアーに密着してみた!!

標高1500メートルを超える四国山地に「UFOライン」と名付けられた一本の林道がある。その名のとおり、昔からUFOらしきものを目撃したという証言がいくつもある。「そこへ行けばUFOに遭遇できるかもしれない」そんな期待を胸に全国から11人のUFOファンが集まった。とある週末、1泊2日のUFO遭遇への挑戦が始まった。

(NHK松山放送局 宇和島支局 山下文子)

UFOラインとは

台風が近づいている。厚い雲が立ちこめ、あたりは深い霧である。強い風が吹き付け、木々が怪しく揺れている。
高知県いの町と愛媛県久万高原町にまたがる全長27キロの林道「瓶ヶ森線」は、通称「UFOライン」と呼ばれている。

名付け親は、林道にある山荘しらさの管理人を務めていた岡林弘さん(78歳)だ。
もとは「雄大」な「峰」があることから「雄峰(ゆうほう)」と名前を付けた。
ところが、周辺で何度もUFOらしき謎の光を目撃したという証言が相次いだことからいつしかUFOラインとして知られるようになった。
確かに尾根沿いの道は、まるで天空を駆け抜けるような光景が広がっている。

岡林弘さん

「名前を付けてから30年になりますか。面白半分でそこの暖炉で酒飲みながら思いついたものですから、こんなに有名になるとは思いませんでした。でも昔から、この辺では山の上に光る玉が見えたとか、奇妙な証言があるんです」

ならば、この場所でUFOに遭遇してみる企画なんてどうだろうか。
観光の起爆剤として、愛媛県西条市の観光会社が考えたのが「UFOラインでUFO遭遇チャレンジツアー」だった。
全国から集まったのは11人のUFOファン。料金は1泊2日の基本プランで1人5万5555円である。
10代から70代までの情熱的なファンは、バスに乗り込むなり、すっかり意気投合し、まるで昔からの知り合いのように仲良くなっていた。

栃木県から参加した女性
「子どもの頃に実家の庭で、2つの白い光がらせんを描いて飛んでるのを見たことがあります。あれはUFOだったのでしょうか」

大阪府から参加した男性
「銀色の丸いものが飛んでいるのを見たことがあります。みんなでいっしょにUFO目撃したいです」

UFOは国家の関心事項に

「ムー」5代目編集長 三上丈晴氏

UFOについて知りたいければ、真っ先に思い浮かぶのが超常現象専門誌「ムー」である。
ツアーには、スペシャルゲストとして、「ムー」の5代目編集長・三上丈晴氏が参加した。
トークショーでは、独自の取材で得た情報や数々の見解が述べられた。
なんと現在、今やUFOへの関心は国家レベルでも高まっているという。
2020年8月、アメリカ海軍が撮影した3つの映像に映し出された飛行物体は本物であるというのだ。

三上氏
「アメリカの国防総省がUFOの存在を公式に認めました。正体はわからないけども、UFOなるものは存在すると。UAP=未確認航空現象という言葉ではあるけれども認めています。軍の内部にUFOの特別調査機関を設置して、明らかに飛行する物体というものを調査対象にしています」

UFOラインで目撃されたUFO?

さかのぼること、1990年。
UFOラインで地元の人が目撃したUFOについても語られた。
登山中、寒風山の上空にWの形をした謎の物体が写真に収められた。
その後も相次ぐ目撃証言について三上氏はこう述べた。

三上氏
「古来より聖山とか霊峰と呼ばれる場所では、全国的にUFOが目撃されています。もともとそういう場所は聖地で修験道や神社があります。とかく神様が宿る、精霊が宿るところは一種のパワースポットでありそこにUFOが飛来するケースがある」

四国にはお遍路という霊場88か所巡りがあり、四国山地には神秘的な要素も多い。
西日本最高峰の石鎚山を冠するこの周辺にある見えない何かにUFOも引き寄せられているということなのか。

果たして遭遇できるのか

強く思い描けばUFOに思いが届くかもしれない。
三上さんのトークショーのあと、ツアーの一行は山荘の外のデッキに出た。
両手を伸ばして天を仰ぎ、ひたすらに呼びかける。
しかし、台風11号の影響で雨が降りしきる。
強まる風は木々を大きく揺らし、厚く覆われた雲の向こうには何も見えない。

みなが諦めかけた時、頭上にゴーという低い音が聞こえた。緊張が走る。ひょっとして。

「あ、飛行機が来てる」

三上さんがつぶやき、場が一気に和んだ。

この日はUFOに遭遇できなかったが、UFOという共通の話題を持つことで参加者は大いに盛り上がった。
想像は膨らむばかり。
一日中、UFOのことを考え、UFOの話題でおしゃべりはつきることがない。

夜は更けても一行は、時折空を見ては「あの光はなんだろう」「雲の晴れ間にちょっと星が見えた」など山荘での時間は穏やかに過ぎていった。

ツアー2日目

そして、2日目。この日もやはり雨だった。霧はますます濃くなり林道は1メートル先が見えないほどの悪天候である。

当初予定されていた近くの山へのトレッキングは中止となり、室内でのワークショップに変更された。

乙幡啓子さん

講師は、アーティストの乙幡啓子氏が務めた。
UFOをモチーフにした作品を制作し、今回のツアーには三上氏とともにゲストとして参加している。
ワークショップでは、乙幡氏がデザインした「アダムスキー型UFO」と「W型UFO」のブローチを制作することになった。

それぞれが思い描くUFOの姿を作品に投影したのだが、ひとつとして同じものはなく、全員が異なるデザインの作品を作り上げていった。

福岡県から来た女性
「楽しいです。こんなにUFOのことしか考えない日はないですね。今ならUFOが呼べそうな気がしてきました」

「私の想像を遥かに超えた作品ができあがっていて感動の一言です。みなさんの発想力はすごいですね。同じパーツで作るブローチなのに、デザインが全く違うのがおもしろいですね」

最後のチャンスにかける

ツアーも終盤となったところ、もう一度チャンスがやってきた。
上空を厚く覆っていた雲が徐々に薄くなり、一瞬の晴れ間がのぞいたのだ。
一行は、再び外へ出てUFOを呼ぼうと両手を広げた。思いはただ一つ。
「UFOに会いたい」。

すると雲は強風に飛ばされ、青空が面積を広げた。

しかし、UFOが姿を見せることはなかった。

松山市から来た小学生
「UFOは見られなかったけど、すごく楽しかったです。みんなで空を見上げてUFOを呼んだり、三上編集長の話を聞いていたら、UFOがますます身近に感じてきました。将来は、UFOを飛ばせるような科学者になりたいです」

小学生の母親
「霧が立ちこめてミステリアスな感じがして、霧の中からUFOがこちらを見ているのではないかと思いました。UFOラインはここにしかない場所で、UFO三昧の時間を過ごせてすごく楽しかったです」

UFOを呼ぶ三上編集長(左)

ムー編集長 三上丈晴氏
「UFOを信じているというと周りからちょっと変に見られるかもしれませんが、皆さんがUFOに関心があるツアーであれば、普段は話せないことも議論し情報交換ができます。やはり、一番面白いのは体験談ですよね。こんなUFO見たことあると語り合うことは非常に楽しく、価値があることです。せっかく地元にあるUFOと縁の深い場所があるのでもっと盛り上げてもらいたいですね」

ツアーを企画した西条市の観光会社の寺田真理子さんもツアー終了後、満足そうな表情だった。

寺田真理子さん

「何より参加してくれた皆さんの笑顔がうれしかったです。普段、空を見上げることはあまりないと思うんです。ここだと空が近く、空気が澄んで夜空には満天の星が見えます。そんな場所だからこそ、UFOの目撃証言が多いのかも知れませんね」

山下記者の体験談

かくいう私も、UFOらしきものを目撃したことがある。
10年ほど前のこと、北へ向かう新幹線に乗り込んだ私は、車窓に広がる田園風景を眺めていた。そのとき、窓の外に点滅する光が通り過ぎていったのだ。その光はたちまち新幹線を追い越して消えてしまった。トンネルを通過していたわけでもなく、不思議な光を見た記憶だけははっきりと残っている。

山下記者がUFOらしきものを見た時のイメージ

こんな話をすると、信じてくれないという人もいるだろう。しかし、人々の心の片隅には未知なるものへの憧れが潜んでいるのではないかと思うのだ。
この広い宇宙の中では、私たちもよその星から見れば異星人だ。地球にやってきたUFOが窓から私たちを見つけて「あ、宇宙人だ」と指を指している姿を想像するとつい楽しくなってしまう。

この記事を書いた人

山下文子(やました・あやこ)

山下文子(やました・あやこ)

2012年から宇和島支局を拠点として地域取材に奔走する日々。
鉄道のみならず、車やバイク、昭和生まれの乗り物に夢中。
実は覆面レスラーをこよなく愛す。