2022年7月20日

夏が来た 後藤が選ぶ 夏を感じるきっぷ11選

本日は7月20日。そう、夏シーズンの青春18きっぷの利用開始日です。
このきっぷを購入すれば、9月10日までの間、全国のJRの普通・快速列車が5回(人)乗り放題になります。
この機を祝して、夏を感じるきっぷを後藤の独断でご紹介します。

(NHK松山放送局 後藤茂文)

①富良野・美瑛ノロッコ号 指定券(北海道)

ことしも暑い、ということで北海道に出かけたい方は多いでしょう。
北海道には夏場のみ営業する駅があります。その名も「ラベンダー畑」駅(北海道中富良野町)。
近くには文字どおりラベンダー畑で全国的に有名な農園があります。この駅に停車する観光列車が「富良野・美瑛ノロッコ号」です。
富良野や美瑛といった観光スポットを通り、ノロノロ走るトロッコ、ということで「ノロッコ」の名が付けられています。

②くしろ湿原ノロッコ号 指定券(北海道)

北海道にはもうひとつノロッコ号があります。
道東の釧路湿原を縦断し、冬場はSLが走ることでも有名な釧網本線の観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」です。
冬の釧網本線は沿線一面が銀世界でタンチョウにも出会えるかもしれませんが、夏は湿原の緑を存分に味わえます。ちょっと涼みに釧路へ、なんていかがでしょうか。

③北海道フリーパス

JR北海道の全線、特急の自由席も含めて7日間乗り放題というきっぷです。
長期の休みが取りやすい時期におすすめです。
お得感で言えば、6日間有効で1万2000円だった「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」の方が上でしたが、販売予定枚数に達したため先日販売が終了しました(9月1日から販売再開予定)

④池の浦シーサイド駅 着の乗車券(三重)

駅が廃止されたため、もう手に入れられないきっぷです。
「池の浦シーサイド駅」は三重県鳥羽市の海水浴場にアクセスするための臨時駅として夏場のみ営業していました。
最寄り駅といいつつも、海水浴場までは距離があったことや、併走する近鉄の路線、そしてマイカーに客が流れ利用客は激減していきました。
そして2020年3月、ついに廃止されました。
筆者もこの駅に列車で訪問できたのは、NHK津放送局に勤務していた時期の一回だけでした。

⑤奥出雲おろち号 指定券(島根・広島)

来年度で運行を終える予定の、島根県の観光列車「奥出雲おろち号」の指定券です。
JR木次線を通り、中国山地の奥深く、備後落合駅まで目指します。
運行終了の予定が報じられると、プラチナチケットと化しました。
販売開始から数分で指定席券が完売することも多く、入手が困難です。
筆者も苦労して、この夏の指定席券を確保しました…

⑥マリンライナー 指定券(香川・岡山)

JR四国のバースデイきっぷを使って発券した指定券です。
岡山と高松を結ぶマリンライナー、運転席の後ろにある展望席の券は「マリン・パノラマ」という印字がありましたが、現在は印字されなくなりました。
運行本数は多いので、四国観光のついでに眺めの良い席を押さえてみてはいかがでしょうか。

⑦清流しまんと 指定券(高知・愛媛)

四国を走った、国鉄初のトロッコ列車「清流しまんと」です。
1984年に運行を開始、国鉄民営化の後も運行されていましたが、2013年の夏に運行を終了しました。
その年の秋からは、現行の「しまんトロッコ」が運行を始めました。

⑧津島ノ宮駅開業百周年記念入場券(香川)

JR予讃線の臨時駅「津島ノ宮」駅(香川県三豊市)の開業100周年を記念した入場券です。
この駅は年に2日しか営業しない「日本で一番営業日が短い駅」として有名です。
近くには、子どもの守り神として有名な津嶋神社があります。この神社本殿に立ち入ることができるのは、8月4日と8月5日の夏季例大祭のみで、これにあわせて駅も開設されます。
去年とおととしはコロナ禍で駅が営業しませんでしたが、ことしは実に3年ぶりの営業再開を予定しています。

⑨日本旅行沖縄支店で発券した乗車券(沖縄)

JR線がない、沖縄県で発行されたJR券です。
かつてはJR九州の沖縄支店や農協観光の沖縄支店でも販売していました。しかし、JR九州の支店は撤退。農協観光の支店は発券端末を撤去しました。
旅行会社大手のうち、JTBと近畿日本ツーリストは沖縄で個人向けの店頭営業を行っていなく、東武トップツアーズや名鉄観光サービスの沖縄支店にも訪れましたが、発券端末は置いていませんでした。
沖縄でJRのきっぷを買うとしたら、日本旅行の店舗を使うことになりそうです。
日本最南端で発券されたJR券、とでも言うべきなのでしょうか。
那覇市の国際通りの入口近くに支店があるので、もし夏の平日に沖縄に行くなら寄ってみるといいかもしれません。

⑩嵯峨野観光鉄道 指定席券(京都)

京都でトロッコ列車を走らせている、嵯峨野観光鉄道(京都市)の指定席券です。
保津川の渓谷など自然を楽しめることで有名で、保津川下りとセットで楽しんだことのある方も多いと思います。
料金が印字されていない、座席指定のみの券(「指(し)のみ券」)と、料金が書かれた嵯峨野観光鉄道独自の常備券がホッチキスで留められてセットになっています。
桜や紅葉のシーズンは予約が殺到しますが、夏場なら比較的予約が取りやすくなります。

⑪青春18きっぷ(全国)

おなじみの青春18きっぷです。
快速列車扱いの観光列車なら、別に指定席券さえ買えば、乗車券として18きっぷが使えます。しまんトロッコなど、速度の遅いトロッコ列車は特急扱いされていないことが多く18きっぷが併用可能です。
筆者はこの夏は日本旅行静岡支店で購入しました。個人向けの店舗は静岡駅近くの地下街にありましたが、コロナ禍の去年、オフィスビル9階にある静岡支店に統合されました。
月・水・金のみの営業、来店は完全予約制ということで、松山から訪問するのはなかなか難しいものがありました。




コロナ禍で2年続けて中止や延期となっていた夏のイベントがことしは各地で再開されています。これまで我慢してきた分、ことしは思いっきり楽しむぞと計画を立てている人も多いでしょう。
しかし、気がかりなのが新型コロナの再拡大です。旅行代金から1人1泊あたり最大で8000円を割り引く「全国旅行支援」の夏の実施は見送られました。
交通事業者と観光業界にとっては厳しい時期がまだ続くのかもしれません。
政府は今のところ行動制限は考えていないとしていますが、くれぐれも感染対策は万全に、旅行先での食べ歩きや会食もルールを守って安全安心な旅を楽しみましょう。
私もいくつかきっぷ収集の旅に出かける予定です。

これまでに紹介したきっぷはこちら

春らんまん 後藤が選ぶ観光列車のきっぷ

なぜ君は回数券を集めるのか ~“きっぷ鉄”が選ぶ11選~

鉄道の日スペシャル 後藤が選ぶ四国きっぷ旅

この記事を書いた人

後藤 茂文

後藤 茂文

津局、大分局を経て2020年から松山局勤務。遊軍担当として、公共交通や農業、文化などを取材。全国のJR線の約98%を乗車済み。