2022年4月1日

春らんまん 後藤が選ぶ観光列車のきっぷ

新年度、春休み。青春18きっぷを使って旅行を楽しんでいる方も、各地の観光列車に乗る方も多いかと思います。
新年度の特別企画として、ちょっと豪華な観光列車の「きっぷ」を、ささやかながらご紹介します。
懐かしの寝台列車から、優雅に食事を楽しめる列車まで、あなたは乗ったことがありますか?

(NHK松山放送局 後藤茂文)

①トワイライトエクスプレス

大阪と札幌を日本海沿いの路線経由で結んだ、JR西日本の寝台列車です。個人的には、20歳の記念で初めて乗った、印象深い列車でした。現在は定期運行を終え、トワイライトの名前を引き継いだ、より豪華な列車「瑞風」が登場しています。

②ベル・モンターニュ・エ・メール

「美しい山と海」というフランス語、長すぎるので愛称は「べるもんた」というJR西日本の列車です。富山県の山間部や海沿いを走るこの列車は、職人が寿司を握るカウンターがあることでも知られています。

③SLばんえつ物語

新潟県と福島県を結ぶ、JR東日本のSLです。グリーン車の乗客だけが利用できるパノラマ展望室からは、往路と復路で風景やSLを間近で見ることができます。快速扱いなので、普通車であれば青春18きっぷと指定席券の併用で利用できます。

④おれんじ食堂

熊本県と鹿児島県を結ぶ3セク、肥薩おれんじ鉄道の観光列車です。列車自体をレストランに見立てて食事を出す、観光列車の先駆けです。旅行商品としてだけでなく、座席のみの利用で指定席券を買うこともできます。(私のフリガナが間違われていますが…)

⑤北斗星

上野駅と札幌駅を結んだ、JR東日本の寝台列車で、ファンも多い列車でした。室内にシャワーも備わっている1人用個室「ロイヤル」は室数も少なく、予約するのに非常に苦労しました。私が北斗星に乗ったのは、これが最初で最後でした。

⑥THE RAIL KITCHEN CHIKUGO

福岡の私鉄、西日本鉄道の観光列車です。住宅街を眺めながら、地元食材を使ったコース料理が食べられました。ピザが焼ける窯があったり、海外製の高級なハンドソープがあったりと、興味深い列車でした。乗車日の記入が独特な記念乗車券も魅力。

⑦カシオペア

北斗星と同じく、上野と札幌を結んだJR東日本の寝台列車で、なかなか予約が取れない列車でした。メゾネットタイプの客室があるのが魅力です。銀色の車体も印象的で、定期運行を終えたいまも、ツアー用の臨時列車として活躍しています。

⑧丹後くろまつ

天橋立などを沿線に抱える、京都丹後鉄道の観光列車です。洋食や懐石、スイーツなどさまざまな食事が楽しめるプランが企画されています。茶会コースは、自分でお茶をたて、地元の和菓子を味わうものでした。このとき乗客は私1人で、貸し切り状態でした。

⑨ゆふいんの森

大分県の由布院温泉を沿線に持つ、30年以上の歴史があるJR九州の観光列車です。光沢のある緑色と車体の高さが目を奪います。外国人客にも大人気の観光列車です。みどりの窓口がない駅で発券したため、「九州C制」の判や「中継」の印字があります。

⑩とれいゆ つばさ

山形新幹線を走っていた観光列車です。足湯が車内に設けられているのが最大の特徴です。残念ながら、先月運行を終えました。このきっぷにある「幹在特」の印字は、今回のダイヤ改正に伴う特急料金見直しで、もう見られなくなりました。

⑪或る列車

明治時代の“幻”の豪華客車をイメージして作られた、JR九州の観光列車です。旅行商品として売られ、専用のクリアファイルと一緒にきっぷ代わりの日程表が届きました。私が乗車したときはスイーツ中心でしたが、現在は食事中心のコースになっています。

この記事を書いた人

後藤 茂文

後藤 茂文

津局、大分局を経て2020年から松山局勤務。遊軍担当として、公共交通や農業、文化などを取材。全国のJR線の約98%を乗車済み。