ずっとしこく トンボと自然を考える会 杉村光俊さん ずっとしこく トンボと自然を考える会 杉村光俊さん

ンボに真剣に向き合っているのは、杉村光俊さん。

5年にわたってトンボの保護育成に力を尽くしてきました。

道「杉村さん、きょうはよろしくお願いします。」

杉村「どうも、こちらこそお願いします。」

#トンボの魅力

道「杉村さんにとって、まずトンボの魅力っていうのは?」

村「それぞれ個性がありますよね。ホバリングが得意なトンボがいたり、本当に大空を滑空する、おおらかに飛ぶようなそういう習性があったり。そういった個性的なものが、やっぱり飽きない、飽きさせない。」

中道「最初の原点というのは?」

村「学校から帰りますと、窓際につるされていた虫かごに見覚えのないトンボが入っていたんですね。で、母に尋ねたら“お掃除をしているときに窓からオニヤンマに追われて入ってきたトンボだ”と。“本当はオニヤンマの方を捕まえてあげよう”と思っていたんだけどタッチの差で逃げられたという話を聞きまして。
オニヤンマが入っていたら、それはそこで終わりなんですよ。で、何か知らないけど、そこでオニヤンマというものを捕まえなきゃいけないような使命感に駆られたと。」

#なぜトンボの保護区を

道「どういった経緯で、このトンボの保護区を作ろうと思ったんでしょうか?」

村「それまでずっとあちこち回っている中で、一番お気に入りの池が市内にあったんですけども、そこが公共事業のために埋め立てられまして、その衝撃ですよね。
で、やっぱりそういう大事なものをなんの抵抗することもできずに奪われていく、自分の力のなさというのが非常に腹立たしかったですね。」

村「できれば、もう二度と埋め立てられない、奪われないトンボの聖地ってものを作りたいなって思ったのが高校の三年の時ですね。」

1985年、杉村さんは地元の企業や世界的な環境保護団体WWFと共に
市内の休耕田を買い取り、現在のトンボ自然公園の整備を始めた
現在 60種を超すトンボが見られる

村「自信を持って言えるのは、やっぱり自然というものは手を入れないよりも入れた方がいい。このトンボ王国ってものが、トンボを通して自然があるというのはこういうことだっていうことを知ってもらえる場所になれば、これがいちばんやってきてよかったことかなって思いますね。」

杉村さんはトンボについて知れば知るほど、人の営みにもトンボが深く関わっていると考えるようになってきました。

村「(トンボ観察に)山のほうに自転車で通っていたんですけど、いまみたいに自動販売機がありませんし、どうしても生水を口にしなければいけないんですね。そのときに、なんとなくムカシトンボの住む渓流の水っていうのは飲んでも大丈夫だというのがありましたから、そこでのどを潤していたんですね。このトンボがいれば、たぶん飲み水としても使えるだろうな、と。」

村「このトンボがいる水だったら池でも川でもかんがい用水として使って大丈夫だろうなっていうのが、なんとなく感覚的ですけど分かってきましたね。」

そのトンボに、ことし異変が相次いでいます。

赤トンボです。本来寒さが厳しい冬には見られませんが、1月下旬に確認されたのです。

村「いままでだったら大体赤トンボがいなくなるのはクリスマスぐらい、まあよく言ってね。たまに年越し、お正月、三が日くらいまでいくのはありましたけど、(1月)20日すぎっていうのはもう異常ですよね。
(トンボは)別に関係ないやと、たぶん思っていると思うんですけど。でもね、気候変動っていうのが目に見えて分かりますね。これはおそらくトンボだけじゃなくて、作物にも関わってくる事でしょうし。ですから、間違いなく温暖化に伴う乾燥化ってものが、たぶんわれわれの身に降りかかってきているなと。
生態系を守るという仕事は都会ではできないわけですから、それはきれいな水を維持するとか、おいしく安全な野草を調達できるとか地方にできる仕事。そういう自然を守る中で生活の仕組み、今からの若い人たちにはぜひそれを考えていってもらいたいですね。」

#今後の取り組みは?

道「この高知でどういった取り組みを続けていきたいでしょうか?」

村「コロナというものを経て、多少なりと人々の関心が自然に向いてきているようですので、トンボと関わる楽しさ、そういったものをいろんな形で発信をしていって、人間もある程度 気持ちよくトンボと関われる環境作りにもまい進していきたいなと思います。」

道「杉村さんは、季節によって見えるトンボも違うっていう風に話していましたし、私は高知に住んでいますから、中村に通っていろんなトンボ、これからも見ていきたいと思いました。」

「ずっとしこく」取材日記 「ずっとしこく」取材日記

高知局アナウンサーの中道洋司です。杉村さんの取材を通して、私も、すっかりトンボに魅せられました。四万十川の流域に広がる四万十市を初めて訪れた際、アーケードの電灯、居酒屋、喫茶店の名前・・・

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