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羽鳥剛史さん

話し手

羽鳥剛史

愛媛大学社会共創学部
准教授
(2021年11月現在)

危機管理 その他

2021/11/29放送ラジオ第1

テーマ災害時の避難に関する意識を探る調査について

調査の目的

平成30年西日本豪雨をはじめ、大きな災害が発生する度に、住民の逃げ遅れや避難率の低さが課題となっている。災害時における住民の自発的な避難行動を促進する上では、日頃の防災教育活動を通じて、平時より災害に対する心構えや避難意識を涵養しておくことが極めて重要である。この様な住民避難行動の促進に向けた防災教育施策を効果的に展開していくためには、「日常のどのような防災意識が災害時の避難行動に結びつくか」を把握することが求められる。
この問題意識の下、本取組では、愛媛県及び県内15市町と連携し、風水害の危険地区に住む住民を対象とした平常時・災害時の2時点の追跡調査を実施し、住民の避難行動につながる要因を明らかにすることを目的としている。

調査の概要

本年7月~8月に、県内15市町22地区にお住まいの11,133世帯を対象に第1回アンケート調査を実施し、2921名(回収率26.2%)の方より、平常時の風水害に対する避難意識や防災意識、日頃の備え等について回答頂いた。その後、第1回調査以降に避難情報(高齢者等避難、避難指示)が発令された3市1町5地区の323名を対象に、当日の避難行動や災害対応等について尋ねた。

一次的な集計結果

今回の調査から得られたデータについて、大まかな傾向を調べたところ、以下のような結果が認められた(今後の詳細な分析により一部結果が修正される可能性あり)。

1.第1回調査の結果より、災害時の分散避難への意向を尋ねたところ、回答の多い順に言うと、自宅の上の階が71.7%、指定避難場所が68.2%、周辺施設が54.3%、親戚・友人宅が37.3%という割合になった。

2.また、避難に対する心配事として、「安全に避難できるタイミングを適切に判断できるか」を心配している世帯が68.3%と最も高い割合を占めていた。その他、避難所での集団生活や新型コロナ感染を心配する世帯もそれぞれ50.9%、40.7%となった。

3.第2回調査の結果より、多くの住民(96%)が大雨時に行政からの避難情報を受け取っていたが、実際に自宅の上階や自宅外に避難した人は11%に留まった。避難した人のうち、72.7%は自宅上階への垂直避難を行っていた。

4.そうした中、住民の避難行動と関連する平常時の要因を分析したところ、1)土砂災害ハザードマップの閲覧有無(ハザードマップを閲覧していた人ほど避難する)、2)洪水災害に対するリスク認知(洪水災害の危険性を認識していた人ほど避難する)、3)避難基準に対するコミットメント(「いつ避難するか」を事前に決めていた人ほど避難する)、4)家族内の規範意識(家庭内で「積極的に避難しよう」というルールが浸透していた人ほど避難する)が抽出された。

避難に関する課題

以上の結果を踏まえると、以下のような平常時の対策が住民の避難行動の促進に資する可能性が考えられる。

1)ハザードマップの作成・周知徹底
2)居住エリアにおける洪水災害リスクの教育・啓蒙
3)避難を開始する基準(避難スイッチ)の明確化・浸透
4)家庭を対象としたリスクコミュニケーション・教育施策

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