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胡 光さん

話し手

胡 光さん

愛媛大学法文学部 教授
(2020年6月現在)

風水害 危機管理

2020/6/22放送ラジオ第1

テーマ地域の「未指定文化財」を風水害から守る

未指定文化財とは?

文化財とは、歴史、芸術、文化や生活などを表す、資料や建物、景観、芸能などのことです。このうち特に重要なものを、国は「文化財保護法」に基づき、都道府県や各市町村は条例に基づいて指定文化財に指定し、保護する仕組みになっています。一方、本当は文化財としての価値が高くても、まだ研究や鑑定がされていない資料なども多く、中には存在すら知られていないものもあります。これが未指定文化財です。日本は世界の中でも群を抜いて歴史文書が多く残されている国です。かつての村単位で百年以上前の古文書が1万点以上残っていることも珍しくなく、知られていない文化財の数は膨大です。そこに、私たちが住む地域の歴史を紐解くヒントが隠されているかもしれません。

災害時、未指定文化財は

指定文化財は、災害直後から、文化庁の指示で県や市町村の教育委員会が状況を確認し、被害があれば保護措置をとります。一方、未指定文化財は、保護する法律がないため、保護や救出はボランティアに委ねられています。未指定文化財のうち、建物などの不動産は、建築士会が、そのほかの資料は全国各地にある資料保存のボランティア団体「資料ネット」が救出活動を行います。しかし、存在が知られていないものは救出のしようがないため、人知れず失われた資料もあります。

長期におよぶ修復作業

地震や風水害に被災した歴史資料は、災害時に救出して終わりではありません。泥や水に埋もれた資料は、腐食を防ぐため いったん特殊な冷凍庫で保存します。その後、1点ずつ自然解凍させたあと、泥やカビの除去、破れやシワの補修を行います。そして資料に番号を付けて内容を把握し、後世に伝えていく処置をします。これはかなり時間のかかる作業です。2001年の芸予地震の時に救出した今治市内の資料の保存整理は、15年かかりました。今は、西日本豪雨で大きな被害を受けた宇和島市内の歴史資料の修復作業を行っているところです。

風水害から守るため今後必要なこと

未指定の文化財を守るためには、平時にその所在と価値の確認を行うことが重要です。埃だらけのものにも価値があるかもしれない、という意識を広めること、相談窓口の存在を知ってもらうことも重要です。「自分の家や地元にあるものが文化財かも?」と思ったら、お住まいの県の「資料ネット」、地元の教育委員会、博物館などに相談してみてください。歴史資料をはじめとする文化財が失われると、その地域の歴史そのものが無くなってしまいます。文化財は、まさに地域の遺産です。

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