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山本浩司さん

話し手

山本浩司さん

愛媛大学 防災情報研究センター
教授
(2020年6月現在)

地震・津波 危機管理

2020/6/15放送ラジオ第1

テーマ南海トラフ地震事前復興の取り組み~高校教育~

「事前復興」とは?

「事前復興」とは、災害が起こるまでと、災害が起こった後のことに事前に備える取り組みです。災害が起こるまでとは、“防災”への備えです。避難訓練、避難場所や道路の整備さらに安全な場所への移転など幅広い備えが考えられます。そのうえで不幸にも災害が起こってしまった後には、避難から生活再建までのより速く適切な“復興”のための備えが必要です。大災害であるほど、「事前復興」は人の命と生活を守るために重要な取り組みとなります。

事前復興における「教育」の取り組み

私たちは2年前から、宇和海沿岸地域の「南海トラフ地震事前復興共同研究」に取り組んでいます。その中で「教育」は、大災害の当事者となる“人を鍛える”ことにつながります。その対象は、行政職員と住民の皆さん、そして小中高校の子どもたちにも及びます。大災害で起こることを知り、避難とまちを復興するまでのことを学び考えること、それを積み重ねることで、地域の人たちが災害に耐える力を高めることを目指します。

高校生の学び:ロールプレイング・ディスカッション

小学生から段階的に学びを深めていくことを考えています。たとえば、高校生では、災害後の復興までのプロセスにおける「合意形成」をテーマとする3時間のプログラムを提案しました。つまり、被災後の生活再建やまちの復興では、家族や住民が決断するために「合意形成」が求められるということを、社会システムの学習に重ねて学びます。
この学習は、いろんな人の立場を演じながら議論する“ロールプレイング・ディスカッション”という手法をプログラム化し、去年11月、宇和島東高校の1年生に試験的に行いました。まず、予備知識を学んだあと、みかん農家や会社員、年金生活者など、各々の立場に分かれ、2つのテーマについて議論しました。テーマ1では、生活再建の意向として“あなたはこのまちに住み続けるか?”を議論しました。テーマ2では、復興計画の合意として“まちの復興計画をどうする?”を議論しました。これにより、よりよい「合意」へのプロセスを疑似的に体験しました。

今後の取り組み

同じような授業をほかの高校でも行うことを考えていましたが、新型コロナウィルスの影響で新たな授業はできていません。しかし、今の状況を悲観的に考えるのではなく、Web環境の利点を取り入れる好機でもあるととらえています。たとえば、高校の教員のみでは難しい授業を愛媛大学(専門家)が遠隔から手助けするなど、これまでは難しかった授業の形が容易になり、授業の質を高められるかもしれません。引き続きほかの高校でも授業を行うことを目指し、この学習体験が、災害に直面した時に役立ってくれることを願っています。

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