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岩原廣彦さん

話し手

岩原廣彦さん

香川大学 客員教授
(2020年3月現在)

危機管理

2020/3/2放送ラジオ第1

テーマ小学校の統廃合による地域コミュニティ崩壊が及ぼす地域防災力

小学校は地域防災の拠点

小学校の位置づけについて、文部科学省の「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引き」に、小・中学校は児童生徒の教育のためだけでなく、各地域コミュニティの核としての性格を有することが多く、防災、保育、地域の交流の場等まちづくりの在り方という性格ももっている 」としています。小学校統廃合により、住民の交流機会の減少や地域防災拠点としての機能低下といった地域防災力への課題も出てきている。

統廃合による具体的な影響

高松市都心部に位置する日新地区の日新小学校について。児童の減少に伴い隣接する小学校に統合され、日新小学校は廃校となる。私たちは自治会長らに小学校の廃校の影響についてヒアリング調査を行い、その結果、地域の児童保護者の若年層と地域の高齢住民などが交流する繋ぎ場が喪失したことで、地域のコミュニティが崩壊し、地域防災力の低下になっているとの回答が得られた。現在、旧日新小学校跡地は、高松市の指定緊急避難場所・指定避難所になっており、毎年日新地区住民の防災訓練を実施しているが、児童及びその保護者世代の参加が減少していることがわかった(廃校前に比べ約3~4割減、年々減少)。
一方、高松市北西部に位置する下笠居地区には、開校130年余りの高松市立下笠居小学校がある。下笠居小学校の児童数は、少子化と交通の利便性などに伴い減少しているものの、現在も小学校は存続。下笠居地区は新興住宅地区ではなく、従来の地縁者が居住している地区。現在、下笠居小学校は、高松市の指定緊急避難場所・指定避難所になっており、毎年ここで地区住民の防災訓練を実施している。参加者の高齢化が見られるものの、地区内の全自治会から参加があり、参加者数に大きな変動はないそう。地区住民の交流拠点である小学校が存続していることから、地域の若年層と地域の高齢住民との交流は継続されている。毎年11月3日(文化の日)に開催される下笠居地区文化祭は、コミュニティセンターと下笠居小学校で行われ、現在も地域住民の繋がりの場となっている。

地域防災ステーションの提案

「地域防災ステーション」は、小学校をコアにして保護者や、地域自主防災組織、消防団、婦人会、民生員・児童員、社会福祉協議会、介護事業者など地域の様々な機関が協働し、それぞれが「地域防災ステーション」の運営・推進役になるもの。
高松市の栗林小学校区おいて、地区の地縁者が中心の自主防災組織は、防災活動に非常に熱心で、小学校での防災授業参観や、防災学習合宿、避難所運営訓練、非常時クッキング体験等のイベントを開催するなど、小学校をコアとした地域コミュニティ連携組織体制の構築が出来つつある。これらの活動に子供達が参加することで、保護者も参加し、地域の地縁住民とのコミュニケーションが図ることにより相互が繋がる。そして、子供達が防災活動に真剣に取り組んでいる姿を見て、保護者が防災に誘発されるという副次的効果も生じる。

小学校の統廃合での留意点

2019年9月に高松市コミュニティ協議会連合会らがまとめた「魅力ある自治会を目指して」を見ると高松市の自治会加入率は57.65%であり、この10年間で約13ポイントも低下している。この原因は中心市街地区におけるマンション住居者の未加入も影響していると考えられる。マンション建設に伴う若い新住民と従来の地縁者の融合が難しい地域においても、地域のネットワークの中心に小学校を位置づけたことで、地域コミュニティが構築され、地域防災力の向上が図れていると考えられる。小学校の統廃合にあたっては、教育の場であるとともに、地域住民のつながりの場や防災の拠点であることを踏まえ、廃校後の地域コミュニティのあり方まで行政と地域住民とで十分に議論することが大切だと考える。

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