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山中英生

話し手

山中英生さん

徳島大学
人と地域共創センター
センター長
(2019年11月現在)

地震・津波 危機管理

2019/11/25放送ラジオ第1

テーマ家族の住まい方と災害からの生活再建

長期的な視点で生活を

南海トラフで巨大地震が発生すると、徳島県では市街地のほとんどが津波に襲われるという予想が出ています。被災した後のまちづくりをどうするかという視点で、大学の地域貢献の研究グループで2012年から研究を開始しました。
災害直後の応急的な復旧のことはよく語られています。一方で、より長期的な視点をもった「まちをちゃんと元に戻す」ことについては、あまり注目されていません。

「リスク分散型近居」の提案

そのためには、被災後もなるべく早く再建できる”しなやかな地域づくり”が必要です。そこで重要になるのが、近くに住む家族です。別々に住む家族が同時に被災しないような住まい方をすれば、生活再建がスムーズに進むと考えました。これを「リスク分散型近居」と呼んでいます。
阪神・淡路大震災や東日本大震災などの災害で自宅に住めなくなった世帯へのインターネット調査を行いました。その結果、およそ7割の世帯が、近くに暮らす家族から何らかの援助を得ていたことが分かりました。生活物資や金銭の援助だけではなく、仮住宅が確保できるまでの一時的な同居なども多くみられました。

生活再建の短縮のカギは近隣の家族

また、被災しなかった家族が近くで別に暮らしていると、生活再建にかかる年数も短くなっていることが分かりました。「津波の被災者の場合、車で30分以内の別の場所に家族が住んでいると、生活再建はおおむね半分程度の期間に短縮できる」という結果も得られました。
津波災害だけでなく、洪水や、土砂災害にあった世帯も調査しましたが、やはり、被災が軽い別居家族が近くに住んでいると、その支援もあって生活再建にかかる期間が短縮していました。

多様な災害にも、しなやかに

徳島都市圏では、新築世帯の7割が近しい家族と車で30分以内に立地していて、「近居」は多くの家族に望まれる家族形態としても根付いています。別の場所に住む家族が同時に被災しないように暮らすことができるまちづくりは、「まちをちゃんと元に戻す」ことができるまちになりそうです。
車で10分から20分程度の距離であれば、同居家族と同じぐらい、運動会などの行事への参加といった地域の交流が多いことも分かっています。子育ての支援などもできます。
すべての災害に対して安全という場所はほとんどありません。それでも、家族が同時に被災しない住み方を進めることで、生活再建のスムーズな、"しなやかな地域"にしていければと思っています。

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