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話し手写真

話し手

藤岡正樹さん

高知大学 地域共働学部
講師
(2019年9月現在)

地震・津波 危機管理

2019/9/9放送ラジオ第1

テーマ大震災と防災訓練を振り返る

音声の公開は終了しました音声の公開は終了しました  

9月1日は「防災の日」

96年前の1923(大正12)年9月1日、神奈川県相模湾北西沖80kmの相模トラフを震源とする、マグニチュード7.9の大地震が発生しました。関東大震災です。防災の日である9月1日は「政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備する」ことをねらいとし制定されました。そして、この日にあわせて毎年、全国各地で防災訓練が行われています。中には、年間を通じ、防災を地域の重要課題と捉え、創意工夫で様々な訓練を実践している組織もあります。一方、形式化・儀式化した訓練では、マンネリ化は避けられず、徐々に訓練自体に意味を見出せなくなってしまいます。

風化していく教訓

過去の大震災は多くの代償と引き換えに、時のメディアを通じて、活字・音声・映像・情報となり私たちに「教訓」を残しています。しかし、実はこの「教訓」は万能ではありません。教訓は、時間とともに風化していきます。
例えば、今「関東大震災」や「阪神・淡路大震災」の教訓をパッと思いつく方がどれくらいおられるでしょうか?確かに、南海トラフ地震では「津波」が最大の脅威といえます。一方、関東大震災や阪神・淡路大震災の教訓である、建物倒壊や地震火災の脅威も忘れてはいけません。南海トラフ地震では、四国4県で14万もの方が建物倒壊により負傷することが想定されています。私が防災講演で参加者に「枕元にスリッパを置いておく」ことを実践しているかを聞くと、ほとんどの方が「(以前はしていたが)今はしていない」と答えます。阪神・淡路大震災の教訓でもあった、就寝時の大地震にどう備えるか。小さなことですが、災害の教訓は生かし続けなくては意味がありません。
また、大正時代と比べても、高齢化率は5倍以上であり、今や外国人の在留は50人に1人の割合です。避難所では、多様化する避難者への対応を考えてゆく必要が出てきています。

教訓を生かせるような目標を立てよう

いつ来るかわからない災害に構え続けることはとてもエネルギーのいることで、防災のことばかりを考えては生活することはできません。ですが、その「質」を少しばかり良くすることはできます。
例えば、備蓄に関して場当たり的に数合わせの備蓄を行うのではなく、「地域住民と訪問者が3日間生き延び、応急対応活動ができる量を確保する」といった具体的な目標を立ててみましょう。そして、避難者は何を本当に必要とするのか、応急対応活動がどういった活動で、それを実施するのに必要な資材は何か、などを具体的に検討し、共有することが大切です。こうすることで、多くの地域住民の方に「いざというときの安心」という「価値」を生み出します。
私は防災対策に携わる方々は、過去の教訓を生かし、未来の被災イメージに対応した新たな対策を施す役割を担っていると思います。

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