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話し手写真

話し手

森脇亮さん

愛媛大学 防災情報研究センター
センター長
(2019年8月現在)

危機管理

2019/8/19放送ラジオ第1

テーマ南海トラフ地震に備えよう ~事前復興とは?~

音声の公開は終了しました音声の公開は終了しました  

南海トラフ地震の被害想定

今後30年以内に南海トラフ地震が発生する確率は70~80%であるとされています。この地震が発生すれば、犠牲者が全国で32万人、被害金額が220兆円に達すると想定されています。太平洋沿岸の地域では津波による被害が甚大で、町そのものが壊滅的な被害をうけることが考えられます。そこで近年注目されているのが「事前復興」の取り組みです。

事前復興とは?

大きな災害の発生後は、時間を追って数多くのことに迫られます。人命救助や行方不明者の捜索にはじまり、避難者の生活の確保、仮設住宅の建設、破壊されたインフラの復旧、そして、被災された方々の生活の再建となります。生活再建のステージでは、単にもとに戻すだけの「復旧」ではなく、新しい魅力を付け加えたり、災害に対する脆弱性を克服することをめざした「復興」が目標とされるようになっています。

ただし、大きな災害を受けた直後は著しく混乱しますし、日常からはほど遠い不安定な状況の中で住民の方々は疲弊します。また避難が続く中で地域のコミュニティーも喪失されがちです。また行政機関である自治体も、様々な問題への対処を迫られる中でその機能は低下します。このような状況の中では、魅力ある「復興」の計画づくりをするための心の余裕も時間的な余裕もなくなってしまいます。

そこで、災害が発生する前に、つまり「事前」に、復興について計画を立てておくことの重要性が認識されるようになりました。これが「事前復興」です。

具体的には何をする?

復興における将来の目標を事前に検討しておき、関係者でイメージを共有しておきます。また、被災後の復興の手順や進め方を事前に習得しておきます。具体的には、災害に強く、そして、地域の活性化につながる都市計画やまちのあり方を考えることになります。

例えば、津波の浸水想定区域から高台への移転、木造密集市街地の解消、道路の拡幅や拡張、防災拠点の設置、避難道の整備などです。また、地域に住む人々の生活やなりわい、住民どうしのつながり、地域の風土や文化を考慮に入れた計画が必要となります。

そして、可能であれば、計画を立てるだけでなく、災害の発生に先立って、そのまちづくりを実現しておければ理想的です。

地域に入り、共に考える

地域の抱える課題は地域によって異なるため、地域の特徴に合わせて考えていく必要があります。愛媛大学と東京大学は、愛媛県や県内の3市2町と共同で事前復興の取り組み方法について研究を進めています。市街地や漁村集落などにモデル地区を設定しており、学生グループが各地区に入り、現地調査や地元住民の方々への聞き取りを通して、復興のモデルプランを提案しています。

このようなプランを地元の住民や行政の方々に見ていただいて、復興のイメージを共有しています。今後さらに研究をすすめて、事前復興の計画づくりのための体制を構築していきたいと考えています。

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