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羽鳥剛史

話し手

羽鳥剛史さん

愛媛大学 社会共創学部
准教授
(2019年4月現在)

風水害 危機管理

2019/4/1放送ラジオ第1

テーマ 愛媛県西予市野村町における
平成30年7月豪雨時の避難行動に関する課題と防災対策のあり方

音声の公開は終了しました音声の公開は終了しました  

平成30年7月豪雨における避難行動調査

愛媛大学災害調査団では、平成30年7月豪雨を受けて、今後の復興計画や避難計画について検討する上で、西予市野村町の住民を対象として「平成30年7月豪雨災害に関する実態調査」を実施し、豪雨時の避難行動や被害状況について調査した。この調査では、西予市野村町の316世帯より、当日の避難行動や災害意識、災害情報の取得状況、今後の防災対策への要望等について回答頂いた。

避難行動に関する課題

今回の調査より、以下のような問題点が抽出された。

1.住民の避難行動に関する課題
 • 多くの住民(61.6%)が、野村ダムの放流(洪水操作)後に避難行動を開始していた。
 • 避難時に浸水箇所を通った人もおり(22.7%)、安全な避難ができなかった。

2.避難指示発令に関する課題
 • 多くの住民(63.4%)が避難指示の発令時刻について「遅すぎた」「遅かった」と感じており、少なくとも浸水が始まる「2時間前」には避難指示の発令を知らせて欲しいという要望が強かった。「2時間半以上前」や「3時間-3時間半以上前」との要望も少なくなかった。

3.住民の災害意識に関する課題
 • 多くの住民(8割以上)が水害により自宅に川の水が来るとは想定していなかった
 (避難指示の発令を聞いても、自宅浸水の可能性を意識しなかった人も多かった)。
 • 野村ダム等の整備により避難の必要性を感じていなかった住民も多かった(54.6%)。

4.情報伝達に関する課題
 • 避難指示の発令が個別防災無線や屋外の防災無線を通じて上手く伝わらなかった。
 • 野村ダムの放流情報が住民の多くに伝わっていなかった。また、ダム放流による浸水の可能性を把握しきれていなかった。
 • 行政や自治体の災害情報に関する既存のウェブ媒体のほとんどが十分に利用されなかった。

今後の防災対策のあり方

今回の調査結果を受けて今後の防災対策のあり方として以下の点を挙げることが出来る。

1.避難情報の発令基準の明確化
 • 河川水位やダムの放流量など、避難勧告や避難指示等の避難情報を発令するための基準を明確化する。
 • 住民が安全に避難できるためのリードタイムを確保する(タイムラインの整備等)。

2.住民の災害意識・避難意識の啓発
 • ダムや河川整備だけでは水害を完全に防ぐことができないことを理解する(ハザードマップの周知等) 。
 • 大雨警報や避難情報等の災害情報の意味を把握し、時々の災害状況に応じて、自宅の浸水可能性や避難の必要性を判断できるようにする。

3.避難情報の伝達体制の構築
 • 行政の避難情報を住民に伝えるための連絡手段を整備する(個別防災無線、屋外防災無線など)。
 • 災害情報に関する既存媒体のユーザビリティを高め、住民がこれらの媒体を必要に応じて使いこなせるようにする。
4.行政と住民の連携体制の構築
 • 平常時より行政と住民の連携体制を整え、災害時の行政の責任ある対応と住民の自発的な対応を通じて、地域全体としての防災力を高める。

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