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話し手写真

話し手

羽鳥剛史さん

愛媛大学 社会共創学部
准教授
(2018年12月現在)

風水害 危機管理

2018/12/17放送ラジオ第1

テーマ 平成30年7月豪雨による洪水被害と危機管理の課題

音声の公開は終了しました音声の公開は終了しました  

洪水被害の背景

洪水被害の背景には、降雨量などの気象条件はもとより、行政の災害対応や住民の避難行動、当該エリアの土地利用やそれらを巡る歴史的経緯など、様々な要因が複雑に絡み合っています。
肱川流域における今回の豪雨災害を見ても、
(1)記録的な豪雨
  ・野村ダム上流域において421mm/2日
  ・鹿野川ダム上流域において380mm/2日
  という計画規模を上回る降雨量を観測
(2)避難指示等をめぐる情報伝達
  河川管理者から自治体、そして地域住民へと避難の必要性が円滑に伝わらなかった可能性
(3)事前の災害意識
  洪水の発生可能性や避難の可能性について十分に想定していなかった人も少なくない
(4)ダム操作を巡る歴史的経緯
  過去の洪水被害を受けて、平成8年に大規模の洪水対応から中小規模の洪水対応に操作ルールを変更
(5)気象予測の困難性
  数時間後の降雨量でも十分な精度で予測することが難しい
(6)堤防等の未整備
  そもそも肱川流域の堤防整備が完遂していない
など、多種多様な課題が挙げられます。

危機管理の課題

以上の点を踏まえると、今後、豪雨災害に対する危機管理のあり方を考える上でも、特定の条件のみに着目するのではなく、上述した様な自然的・社会的・歴史的条件を総合的に考えながら、行政、住民、企業や関係団体等の関係者が相互に協力していくことが大切です。
特に、今回の被害を受けて、今後、災害情報の提供方法の改善、ダムの操作規則の見直し、ダムの新設・改造、堤防整備や河道掘削など、行政による災害対策が大きく進展することが見込まれます。
このこと自体は肯定的に評価すべき点ですが、その一方で、行政対応の高度化に併せて、地域住民側の災害対応も高度化していくことが大切です。
過去の研究では、行政による災害対応が進むと、却って地域住民の防災意識が低下してしまうという問題も指摘されています。
このような結果を招かないよう、行政と住民が相互に主体性を持ちながら、災害に対応していく仕組みを築いていくことが求められます。

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