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坂本淳

話し手

坂本淳さん

高知大学 自然科学系理工学部門
講師
(2018年10月現在)

風水害 危機管理

2018/10/22放送ラジオ第1

テーマ 防災を身近に感じられる地区内放送

音声の公開は終了しました音声の公開は終了しました  

高知県宿毛市宇須々木地区の被害状況

高知県宿毛市宇須々木地区では平成30年7月豪雨により、落橋や農地の浸水などの大きな被害が発生しました。
他の地区と比較すれば、家屋に流入するような土砂災害等の人命にかかわる被害は数件にとどまりましたが、それでも地区を流れる河川が氾濫寸前の危機的な状況でした。
その中で、自主防災会長(以下会長とします)の当時の行動から我々が学ぶことは少なくないと考えます。
当時どのように行動されたのでしょうか。

「安全な場所に避難を」からもう一歩!

会長が当日の朝6時に起床し外を確認されたところ、既に道が川のようになっていました。
冠水によって、地区の指定避難所には住民がたどり着けないと判断し、市役所に避難所の変更を要望しました。
その後、地区内放送を通じて地区のどこが冠水しているのかを伝え、新たな避難所の案内を行うと同時に、避難所開設の準備を急ぎました。
会長は強くおっしゃいました。
「『安全な場所に避難してください』ではなく、『どこが安全なのかを伝えることが重要である』」と。
今回は、まさに会長のそのスタンスが実行されたと言えるでしょう。

わざわざ地区内放送を使う意義

また、この地区にはユニークな習慣が1つあります。
平時から防災に関することは、どんなことでも、わざわざ放送を使って地区住民全員に聞こえるようにしているのです。
「これから避難訓練の実施計画の打ち合わせを行いますので、〇〇さん、△△さんは15時に自治会へ来てください」といったように、たとえ関係者数人へ電話で連絡すれば済むことでも、です。
これを行うことで、そのときどきの放送の用件とは関係がない住民にも「防災が身近にある」ことを常に意識してもらい、地区内放送を有事の際に最も信頼できる情報として活用してもらいたいとのねらいがあります。
まさにこれは、手間をかけて意味のある防災活動を行っているといえるでしょう。

総合的な防災対策が重要

宇須々木地区では毎年10月に津波避難訓練を行っています。
ことし(平成30年)も、例年通り地区住民の70%の住民の方の参加が予定されていることから、既に防災意識の非常に高い地区と言えるでしょう。
さらに今回は様々な場面で起こりうる津波に備えて、初めて夜間の訓練を予定しているとのことです。
しかし、今回の豪雨を受け、会長は「津波避難だけでは十分でなく、豪雨も含めた総合的な防災対策が必要」とおっしゃっていました。
会長なりに、地区の潜在的な災害リスクを今回の豪雨で感じられたようです。
他の地区がすぐに真似できることではありませんが、災害の年となった平成30年、自分のまちはセーフだったと他人事で片づけるのではなく、もし災害があったらどうすればよいのかを考えるスタート地点にしてみてはいかがでしょうか。

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