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坂本淳

話し手

坂本淳さん

高知大学 自然科学系理工学部門
講師
(2018年10月現在)

風水害 危機管理

2018/10/15放送ラジオ第1

テーマ 防災リーダーと横のつながりが救った地区

音声の公開は終了しました音声の公開は終了しました  

高知県大月町安満地地区の被害状況

平成30年7月豪雨は、高知県大月町安満地地区に、地元で「西南豪雨」と呼ばれる大雨以来、17年ぶりの大きな被害をもたらしました。
早朝に発生した線状降水帯に伴う局所的な豪雨により、地区内の家屋は13棟が床上浸水、15棟が床下浸水する被害がありました。
地区の外とをつなぐ道路は土砂崩れによって寸断され、3日間に渡って陸の孤島と化しました。
幸いなことに人的被害は発生しませんでしたが、この背景には地区長の臨機応変なご対応がありました。

地区防災リーダーが果たした役割

地区長は豪雨当日の朝4時に自宅の裏山が崩れた音で目が覚めたそうです。
ただ事ではないと感じながら玄関を出ると、既に浸水が発生していました。
そこで地区長は、直感的に近くを流れる安満地川の氾濫を確信し、川沿いに住む世帯に塀伝いで辿り着き、直接避難を促しました。
しかし、さすがに1人で声掛けや避難対応を行うのは無理と判断し、地区の役員や地区団長に連絡を取って、手分けをして川沿いの世帯への声かけを進めました。
その後、避難所に避難される方が少しでも安心して避難生活を送ることができるようにと、今回の避難所として安全と考えられる集会所に非常食や毛布などの備蓄品を運び込みました。
備蓄品は、津波対策として高台に格納されていたものです。
しかし、地区長が早めの判断を行ったことで、避難所の運営もスムーズに進めることができました。

横のつながりが重要

地区長が繰り返しおっしゃったことが、「平時からの横のつながりが重要」ということでした。
安満地地区は漁業の町であり、地区長と地区役員はともに漁師です。
普段から同じ仕事を共にし、暗黙の了解で「何かあったときは頼む」との意識を共有していたことが、今回の被災者ゼロにつながりました。
地区内の人口減少や高齢化は深刻ですが、その中で動ける方が無理なく協力し合い、来たる南海トラフ地震に備えた全員避難を分担してやっていきたいとおっしゃっていました。
都市部では地区内で同じ仕事を共にするのは稀ですが、子供の見守り活動の分担を通じた地区住民の助け合いなども、有事の大きな力になるかもしれません。

自分たちの地区は自分たちで守る姿勢

近年の豪雨は局所的であり、役場の職員の方が市内全体の豪雨の実態を即座に把握し、きめ細かく避難勧告等を発令することは不可能です。
地区長はこれを自覚されていて、「自分たちの地域の安全は自分たちが最も知っている。
行政の対応を待つことなく自分たちで動くことが重要だ」とおっしゃいました。
自然を相手にした仕事ならではの勘なのかもしれないとのことですが、これは防災対策のソフト面で最も基本的かつ本質的な点です。
しかし都市化の進展による地域コミュニティーの希薄化により、いつの間にか疎かになってしまっているのではないでしょうか。
言うは易し行うは難しではありますが、ご家庭やご近所の話し合いから少しづつこの芽を育ててみませんか。

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