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湯浅 恭史

話し手

湯浅 恭史さん

徳島大学 環境防災研究センター
助教
(2018年4月現在)

地震・津波 危機管理

2018/4/9放送ラジオ第1

テーマ 平成28年熊本地震からみる病院の危機管理

音声の公開は終了しました音声の公開は終了しました  

平成28年熊本地震での病院の危機対応

平成28年4月に発生した熊本地震では、14日の前震・16日の本震ともに夜間に発生し、災害医療活動や入院患者への対応のため、多くの病院では職員の緊急参集が必要となりました。最大震度7を記録する2回の強い揺れにより建物やライフラインが被災し医療サービスの継続が困難となったため、他の病院に入院患者を搬送し転院させる、いわゆる「病院避難」が行われるケースも多く発生しました。
例えば、ある中規模病院では、前震時には大きな被害はなく通常どおり診療を行いましたが、本震時には屋上の高架水槽が破損し、病棟の一部が水浸しになりました。そのため、入院患者を屋外などに避難させ、そのまま2時間程度余震が収まるのを待たざるを得ませんでした。さらに翌朝には、建物の耐震性への不安から専門的な調査が必要になり、入院患者を他の病院へ転院させることとなりました。

病院の危機対応の課題

建物の耐震化、医療機器やサーバーへの対策は当然に必要ですが、このようなハード対策を実施していても、「想定外」の事態により使用できなくなる可能性があります。
例えば、設備そのものは問題なくても、停電やガス漏れ等でその場所で使用できなくなることもあることから、代替手段の確保まで考えておくことが課題となります。
ソフト対策では、災害対応マニュアルなどが各病院で整備されていましたが、多数の傷病者を病院でどう受け入れするかを主とした内容となっていました。しかし、熊本地震では多くの病院が被災し機能を失ったことから、自分の病院が被災することを想定し、それでも病院の業務を継続するための計画であるBCP(事業継続計画)を検討しておくことが課題となっています。
その上で、このBCPを基に、様々な被害想定で訓練を行い、臨機応変に対応できる人材の育成を行っておくことが重要だと考えています。

課題を踏まえた今後の取り組み

厚生労働省では、熊本地震の教訓を踏まえ、地域の災害医療の中心となる災害拠点病院にBCPの策定と訓練の実施を義務づけることにしました。このような取り組みを進めることは非常に重要ですが、大規模災害時には災害拠点病院であっても被災してしまう可能性があります。地域の医療活動を継続するため、災害拠点病院だけでなく地域の医療機関が連携し一体となって対応できる体制づくりが必要になると考えています。
われわれ地域住民としては、大規模災害時にできるだけ怪我をしないように備えておくことで地域の災害医療活動を軽減させることができます。これを機に平常時の備えを見直してください。

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