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話し手

岩原廣彦さん

香川大学 危機管理先端教育研究センター 副センター長
(2018年3月現在)

2018/3/26放送ラジオ第1

テーマ 外国人旅行者(インバウンド)向けの防災ツール開発について

音声の公開は終了しました音声の公開は終了しました  

災害が起きたときの外国人観光客に対する支援の現状

四国の観光地では、「外国人旅行者への観光ガイドマップ」は作成されていても、「外国人旅行者のための防災ガイド」などは作成されていないのが実情です。また、観光地のホテルなどでは、宿泊される外国人へのサービスのため、外国語を話せるスタッフがいるところもあり、災害発生時の避難誘導も可能ですが、あくまでも施設内の宿泊者へのサービス対応にとどまっています。

外国人観光客への情報提供はどのような方法が有効か

平成29年、高松市の栗林公園で外国人旅行者(インバウンド)に調査を行いました。インバウンドの観光情報の入手法は、携帯電話を使用したSNSの割合が多いだろうと考えていましたが、意外にも、観光ガイドブックやパンフレットなどの紙媒体が最も多く、全体回答の46%を占めていました。携帯電話は25%でした。
また、同時に行った日本人への調査では全く逆で、紙媒体が全体回答の25%であり、携帯電話が最も多く47%でした。
このことから、インバウンドへの情報提供ツールとしては、観光ガイドブックやパンフレットなど紙媒体が有効であることが分かりました。
また、情報入手のタイミングは、1位が旅行前、2位が入国時、3位が飛行機内、4位が宿泊施設でした。そして、入国前はSNSで情報を入手。入国時や飛行機内、宿泊施設では紙媒体を利用しているということでした。

観光ガイドブックやパンフレットなどに防災情報を載せることの課題と対策

当初、私どもは、インバウンドの利用率が高いガイドブックやパンフレットにその地域のハザードマップを重ねたものを提供してはどうかと考えていました。そこで、密接に関係する観光業界の意見を伺うこととしました。
観光業界(主に宿泊施設業)からの意見には、ガイドブックやパンフレットなどにハザード(危険)を表示すると、その場所が危ないところだとインバウンドが思ってしまい、観光地に来なくなるのではという不安がありました。「その場所は地震が起これば津波で浸水する危険があります」というような情報は、観光に来てもらうというガイドブックやパンフレットの目的と相反する情報内容となるということです。
では、どのようにすべきかを色々と議論しまして、ハザード情報ではなく、災害時にどこに避難をすればよいのかという安全・安心の情報内容がよいのではということになりました。
つまり、インバウンドには、ハザードという「ネガティブな情報」ではなく、万が一の場合、避難する場所(津波避難ビルや避難所)はここですよという「ポジティブな情報」を提供するということがよいということになりました。

避難する場所(津波避難ビルや避難所)の表記のあり方

建物の非常口などの表示ではピクトグラム(絵での表示のこと:絵記号)を用いるのが一般的ですが、ヒアリング調査の結果、インバウンドは避難場所や津波避難ビルなどを示す避難のピクトグラムの理解度は低く、言葉での補完が必要であることも明らかになりました。
また、調査の結果では、インバウンドの61%が「地震の経験がない」と回答しています。地震が起こるとひどく動揺されるかもしれませんので、私たちが当たり前と思っていることも含め、心理面などの支援も考えておかなくてはいけないと思います。

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