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話し手写真

話し手

松尾裕治さん

香川大学
四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構
客員教授
(2017年10月現在)

風水害 危機管理

2017/10/30放送ラジオ第1

テーマ 四国八十八か所霊場と吉野川氾濫原の関係

音声の公開は終了しました音声の公開は終了しました  

お話

吉野川は中央構造線に沿って開けた沖積平野を自由奔放に流れていた川です。有名な四国八十八か所霊場は、その吉野川に十分な堤防が無かった時代に造られたものであります。


四国八十八か所霊場巡りは、徳島県鳴門市大麻町の1番札所霊山寺から始まりますが、この霊山寺から 17 番札所井戸寺までの札所は、吉野川衛星写真を見ると中央構造線が通っているV字の谷に開けた吉野川沖積平野の外縁部にあることがわかります。さらに国土交通省の吉野川浸水想定区域図に札所の位置を落として見ると、山中にある 12番札所焼山寺を除く 16 の札所が、かつての吉野川氾濫原の外縁部にあることがよく分かります。
そのことに興味を抱き、国土交通省の徳島の事務所に勤務していた当時、私は、お寺と吉野川氾濫水位との関係を調べるため、吉野川流域にある 17箇所のお寺の内、氾濫原やその境界にある札所の本堂、大師堂、御堂、鐘つき堂などの高さを現地で調査しました。その結果、氾濫原の中央にある井戸寺を除く全ての札所が浸水を回避できる高さに造られていました。
その調査結果は、四国防災共同教育センターホームページの「~地域を知る防災~四国防災風土資源知恵・教訓調査報告書」の中で公開し紹介しています。
是非、徳島市国府町にある霊場第十七番札所 井戸寺を訪ねてみてください。井戸寺は周辺の田畑より少し高い微高地にあり境内にある全ての建物が高石垣づくりになっています。本堂、御堂など 1.5m~2.3m は地盤より高く作られ、洪水で浸水しないように高石垣で本堂や太子堂が造られています。このように吉野川の氾濫域にある札所は、吉野川の氾濫に備えた工夫が古くからなされていたことがわかります。


これら氾濫原外縁部の寺の位置や高石垣造りの水防建築様式は、現在多くの人が暮らす吉野川沖積平野が水害の危険性の高い大地であることを教えてくれています。
これら吉野川下流域特有の知恵は、今日の危機管理、洪水ハザードマップの原型でもあり、四国の防災風土資源であるといえます。

教訓

吉野川下流域の四国八十八か所霊場の寺の建立位置や水防建築の知恵は、現在、多くの人が暮らす、かつての吉野川の氾濫原、徳島平野の潜在的危険性を教えてくれています。
また、最近各地で多発している異常な豪雨災害や川の防御水準を上回る大洪水の備えとして、高い所に住む、建築様式を工夫することなどを教えてくれています。

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