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話し手

羽鳥剛史さん

愛媛大学 社会共創学部 准教授
(2017年5月現在)

2017/5/22放送ラジオ第1

テーマ自然災害の想定外にいかに対処するか?
~人間は無知の無知を克服できるか?~【1】

音声の公開は終了しました音声の公開は終了しました  

「想定外」の問題

東日本大震災をはじめ、自然災害によって所謂「想定外」の事態が生じる場合が少なくありません。自然災害による被害を最小限に留める上で、「事前の想定を超える災害が発生した場合にどのように対処するのか」という問題に応えることが重要です。

自然災害を巡る「想定外」という問題は、私達に「自らの無知とどのように付き合うか」という問いを投げ掛けています。
私達は「自分が知らない」ということを知ることが苦手です。自然災害に関して一定の想定が一たび置かれると、人々はその想定の限界(無知)を認識できない可能性があります。その結果、実際に想定外の事態が生じた場合に甚大な被害を引き起こすことにもなりかねません。

「メタ無知」とは?

認知心理学の分野において、上述の様に、自分が「知らない」ということを「知らない」という現象のことを「メタ無知(=無知の無知)」と呼んでいます。「メタ無知」は、自然災害だけでなく、我々の日常生活の中で一般的に見られる現象です。
身近な例を挙げれば、学生さんに試験をして、その結果を自己採点してもらうと、試験の点数が低い人ほど、自分の点数を実際の点数よりも高く評価する傾向があります。つまり、「自分の点数が低い(=知らない)」ということを「知らない」のです。
自然災害の局面では、そうした「メタ無知」が命取りになり得ます。

災害想定に関わる「メタ無知」

愛媛県内の沿岸地域にお住まいの方々に対して、災害想定に関わる「メタ無知」について意識調査を行ったことがあります。
この調査では、南海トラフ巨大地震が発生した場合、どの程度の高さの津波が起きる可能性があるかについて、各自の想定を答えて頂きました。その際、自分の想定を超える事態が起きる可能性についても併せて評価して頂きました。
そうすると、南海地震による津波の高さを低く想定している人においては、その想定が高い人に比べて、自分の想定を超える津波が発生する可能性を低く見積る傾向にあることが確認されました。残念ながら、「メタ無知」に陥っている可能性が考えられます。
この結果は、災害想定が低い人ほど、それにも関わらず、自分の想定の限界を認識していない、という厳しい実態を表しています。

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