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しまねっとマガジン 島根特集

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能登半島地震から見える 半島部での課題と対策は

~島根半島での備え~
  • 2024年03月12日

島根半島に暮らす住民は

小林邦彦さん

松江市北部の半島部にある菅浦地区に住む小林邦彦さん。この地区で区長を4年間務めています。
能登半島地震を「人ごとだとは思えない」と語る小林さん。危機感が一気に高まったといいます。

島根半島とは

島根半島

周りを日本海・宍道湖・中海に囲まれた松江市と出雲市の一部のエリアは「島根半島」と呼ばれています。
 

小林さんが暮らす菅浦地区は災害に見舞われた場合、市街地に出る道路はわずか3本。
万が一、災害が発生して道路が通れなくなったとしたら、孤立してしまう恐れがあります。

過去の災害では道路が寸断される被害も

土砂崩れで通故止めとなった県道

実際に3年前の豪雨でこの地区を通る県道が土砂崩れによりおよそ1か月にわたり通行止めに。地区の人たちは市街地まで遠回りを余儀なくされました。

小林さん「能登半島と同じように支援物資が届けられなくなったりするのではないか」

地区で進める災害への備え

自主防災組織の組織図

菅浦地区では住民たちが自主防災組織をつくり、避難誘導や安否確認などそれぞれの役割を決め、災害に備えています。今回の地震でも15人ほどでお年寄りの避難誘導にあたり、歩いて10分ほどの高台に避難しました。しかし、、

浮き彫りになった新たな課題

避難した高台

避難した高台では寒さをしのぐことができず、避難した「後」が大変だと実感しました。

小林さん「寒くてしょうがなかった。地区だけでは解決できないので行政にも考えてほしい」

県はさまざまな角度から対策を進める

ヘリポート

半島部での災害に備え県は対策を進めています。その1つが「ヘリポートの整備」です。

県の防災ヘリコプター

ヘリポートと言っても、こうした防災ヘリコプターが離着陸できるものではなく、、、

大型のヘリコプター

今回県が想定しているのは、一度に多くの人を救助し、大量の物資を運ぶことのできる大型ヘリコプター向けのヘリポートです。県はこうした大型や中型のヘリコプターが離着陸できる場所を増やすため、半島部にある駐車場や広場が活用できないか、数十か所で現況調査を進める方針です。

丸山知事

丸山知事「災害が起きれば高規格道路ですら通れなくなる。災害に備えて救援体制を整えなければいけないので、周辺自治体と一緒に進めていきたい」

ドローン

さらに、被災状況の速やかな把握を可能とするドローンも。県は災害対策本部に新たにドローンを配備し、操作できる職員を増やしていくための研修も予定です。

県はこうした対策に必要な経費として6317万円を計上。新年度の当初予算案に盛り込み、開会中の定例県議会に提出しています。

県の担当者

県の担当者「同じ半島を持つ島根県でも同じような被害が想定される。能登半島で起きている状況に県としてどう対応したらいいのか、検証を続けながら訓練なども含めて必要な対策を進めていきたい」

島根半島

能登半島地震から2ヶ月以上が経過し、依然多くの人が避難生活を余儀なくされています。災害はいつ起きるかわかりません。いざというときのために、皆さん1人が1人が備えを進めてください。

  • 佐藤大輔

    松江局

    佐藤大輔

    R2年入局
    松江市政を担当
    宮城県出身
    中学1年生で東日本大震災を経験

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